文章問題を解くとき、最初に大きく全体を考えてから解く方法と、逆に、まず小さい単位を求めておいてそこから求める方法との、2通りがあります。

仕事算の例

「Aだと10日、Bだと15日で終わる仕事があります。AとB、2人で仕事をすると何日で終わりますか。」

大きい全体から求める方法

計算しやすいように、まず、仕事の量の全体を10と15の公倍数の30と決めてしまいます。
Aが1日にする仕事の量は30÷10=3
Bが1日にする仕事の量は30÷15=2
2人ですると1日の量は3+2=5
全体が30だから、30÷5=6日

小さい部分から求める方法

10日で終わるということは、Aの1日の仕事量は全体を1としたときの1/10
15日で終わるということは、Bの1日の仕事量は全体を1としたときの1/15
2人ですると1日の量は1/10+1/15=3/30+2/30=5/30=1/6
全体が1だから、1÷(1/6)=1×6=6日


同じような発想で、大きいほうから求めるのがのべ算、小さい部分から解き始めるのが帰一算です。

例題1:
6人で毎日8時間働くと10日間で仕上がる仕事を、8人で毎日6時間ずつ3日間働いたあと、残りを5人で8日間に仕上げるには、1日1人何時間働くことになりますか。


のべ算で解く

6人で毎日8時間働くと10日間で仕上がる仕事」の量の全体は、6×8×10=480
8人で毎日6時間ずつ3日間働いた」ときにした仕事の量は、8×6×3=144
残りの仕事の量は、480-144=336
この仕事を5人で8日間で仕上げるから、336÷(5×8)=8.4時間

帰一算で解く

6人で毎日8時間働くと10日間で仕上がる仕事」だと、1人が1日に1時間でする仕事の量は、全体を1とすると1÷(6×8×10)=1/480
8人で毎日6時間ずつ3日間働いた」から、(1/480)×(8×6×3)=144/480
残りの仕事は、1-144/480=336/480
これを5人で8日間仕上げるから、336/480÷(1/480×5×8)=(336/480)÷(40/480)=(336/480)×(480/40)=42/5時間
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普通は、のべ算で解くほうが、考えるときに整数でわかりやすいし、計算も簡単なようです。


次の問題ものべ算です。

例題2:
5人がハイキングに出かけるので電車に乗ったところ、2人分の席しかあいていませんでした。目的地までの乗車時間は1時間10分です。
5人が交代で同じ時間ずつすわることにすると、1人何分すわることができますか。


1時間10分すわれる席が2つあるので、すわることのできる時間数は1時間10分(=70分)×2=140分
これに5人がすわるので、140÷5=28分


次は、少し複雑ですが、のべ算自体、そうむずかしい問題はありません。

例題3:
ある仕事を1人ですると、1日8時間働いて50日かかります。何人かで毎日6時間ずつ10日間働きましたが、全体の45%しかできませんでした。

(1)ここまで、何人で仕事をしてきましたか。

全体の仕事の量は、1×8×50=400
その45%は、400×0.45=180
その仕事を6時間ずつ10日でしたのだから、180÷(6×10)=3人


(2)このあと、同じ人数で毎日8時間ずつ何日間か働き続けたら、全体の75%まできました。あと、何日働いたのですか。

45%のあと75%まで仕事をしたから、した仕事の量は30%
400×0.3=120
同じ3人の人数で毎日8時間働いたから、120÷(3×8)=5日


(3)あと2日間、毎日8時間働いて仕事を完成させるためには、人数を少なくとも何人ふやせばよいでしょうか。


残った仕事は1-0.75=0.25
残った仕事の量は、仕事全体が400だから400×0.25=100
100の仕事を2日間、8時間ずつするので、必要な人数は100÷(2×8)=6.25人
今3人なので、6.25-3=3.25人
人数なので小数はおかしいから、3.25→少なくとも4人


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