内申書で重要なのは「部活動」と「資格」

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通知表の評定は、「関心意欲態度」「思考判断」「技能表現」「知識理解」といった観点別評価で決まる。

内申書に書かれていることは、「教科の評価・評定値(内申点)」「特別活動(部活動)の記録」「出欠の記録」「総合所見」などです。基本的には受験生に不利になるようなことは書かれていないので、それほど神経質になる必要はありません。

入試において最も重要視されるのが「内申点」ですが、次に重要なのが「特別活動(部活動)の記録」。特に、部活動で優秀な成績を収めている場合は高く評価されます。といっても、評価の対象となるのは県大会(コンクール)レベルでの成績などで、突出した実績が必要となります。

その他で高く評価されるものは、英検3級などの資格です。最近では英検だけでなく、漢検(漢字検定)に力を入れている高校もあるので、こうした検定で3級以上を持っていると有利になります。

内申点対策は「観点別評価」にあり!

ゆとり教育から、通知表のつけ方が相対評価から絶対評価に変わったことはよく知られています。ところが「3」「4」といった通知表の評定を決める「観点別評価」についてはあまり知られていません。

通知表の評定は良くも悪くもこの観点別評価によって左右されるので、内申点をアップする秘訣は観点別評価にあるといえます。国語と英語を除いた教科では、観点別評価は「関心意欲態度」「思考判断」「技能表現」「知識理解」の4つ(国語のみ5つ)で行われます。

「思考判断」「技能表現」の代わりに、国語では「聞く・話す能力」「書く能力」「読む能力」、英語では「話す・書く能力」「聞く・読む能力」が観点となります。

それぞれA~C(◎、○、無印の場合もある)の3段階で評価され、その組み合わせによって「3」や「4」といった評定が決まっています。

内申点は、テストが50%、授業態度が50%

手元に通知表がある場合は、評定の横にある「観点別評価の欄」をよく見てみましょう。内申アップの秘訣は、まずどの観点が弱いのかを把握するところから始まります。

下に示した観点別評価の4つの評価の例(社会科の場合)のうち、赤字で表したところはテストの点数で決まりますが、残りは授業態度や提出物の提出状況などで決まります。
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「関心意欲態度」から「知識理解」まで、4つの観点で評価される。

ズバリ言ってしまえば、通知表の評定は約50%がテストの点数で、残りの約50%が授業態度で決まります。

ちなみに100点満点の定期テストは、思考判断(30点)、技能表現(30点)、知識理解(40点)のように、それぞれの観点に振り分けられて評価されます。年号や人物名など単純に知識や理解を問う問題で点数がとれているか、資料を読み取る問題で点数がとれているかなど、苦手な問題の傾向をつかむことも、弱い観点を把握することにつながります。定期テストの解答用紙を細かくチェックしてみましょう。

「関心意欲態度」の評価がポイント

結局のところ、内申アップの秘訣は観点別評価で評価の低いところをアップさせること(C→Bへ、無印→○へ)にほかなりません。テストの点数はそこそことれているのに、通知表の評定が良くない子は、たいてい「関心意欲態度」の評価が良くありません。極端な話、テストの点数が「0点」でも、授業態度が良ければ通知表に「2」か「3」がつくほど、「関心意欲態度」の観点は重要です。

テストの点数(主に知識理解の観点)をすぐ上げることは簡単ではありませんが、「関心意欲態度」の観点の評価はすぐに上げることが可能です。「授業で積極的に挙手をする」「提出物をしっかりやって提出する」などは、今日からでもできる内申アップ対策と言えるでしょう。