中1の国語文法では、「主語・述語・修飾語・接続語・独立語」と、「主部・述部・修飾部・接続部・独立部」の、2種類の文法用語がでてきます。
この両者は、どう区別したらよいのでしょうか。
「文節のはたらき」「文節相互の関係」
1つの文節に着目して、その文節がどんなはたらきをしているかで分類するのが「文節のはたらき」や、「文節相互の関係」です。
文節は、そのはたらきによって、主語、述語、修飾語、接続語、独立語の5種類に分類されます。
「細い道が続く。」という文で考えてみましょう。
文節に区切ると、「細い」「道が」「続く」となります。
それぞれの文節が文の中でどんなはたらきをしているかというと、「細い」は「道」を修飾する修飾語、「道が」は「が」がついているので主語、「続く」は文末なので述語です。
この場合、1つ1つの文節にまず着目して、その文節が文の中でどんなはたらきをしているかを考えて、主語、述語、修飾語と認定しています。
最初から1文節に注目し、その文節のはたらきを判断しているので、「主語・述語・修飾語・接続語・独立語」で用が足り、「主部・述部・修飾部・接続部・独立部」の語を使う余地はありません。
「文の成分」
「文の成分」というときは、まず文全体をながめます。
ある文があって、では、その文はどういう部分からできているかという順に考察を進める場合です。
その文の主体は何か(主語・主部)、文の中心は何か(述語・述部)、ただ修飾しているだけの部分はどこか(修飾語・修飾部)、接続のはたらきをしている部分はどこか(接続語・接続部)、独立している部分は何か(独立語・独立部)という順に考察していきます。
「細い道が続く。」という文だと、「細い道が」が文の主体である、「続く」がこの文の述語であるという順に判断します。
この場合、「続く」のように1文節だと何の問題もなく述語という言葉が使えるのですが、「細い道が」のように2文節以上になると、「主語」という語は使えません。
なぜなら、「主語・述語・修飾語・接続語・独立語」の語は、1文節の語にしか使えない言葉だからです。
そこで、「細い道が」のように、主語と同じはたらきをしている2文節以上の言葉を表す語として、「主部」という語をもちいることにしたのです。
つまり、「主語・述語・修飾語・接続語・独立語」は1文節のときに使う語であり、「主部・述部・修飾部・接続部・独立部」は2文節以上のときに使う語だということになります。
「~語」と「~部」の使い分けをまとめると
このように、「主語・述語・修飾語・接続語・独立語」と、「主部・述部・修飾部・接続部・独立部」は、「使う場面」と「文節数」の、2つの観点から区別して使わないといけません。
まず、使う場面による使い分けです。
「文節のはたらき」や「文節相互の関係」を考察するときは、「主語・述語・修飾語・接続語・独立語」しか使いません。
「文の成分」を考えるとき、初めて「主部・述部・修飾部・接続部・独立部」の語をもちいることになります。
その際、「主語・述語・修飾語・接続語・独立語」は、文の成分が1文節のときに使います。
「主部・述部・修飾部・接続部・独立部」は、文の成分が2文節以上のときに使う言葉です。
まとめると、
(1)「文節のはたらき」や「文節相互の関係」を考えるときは、1文節なので、「主語・述語・修飾語・接続語・独立語」の語しか使わない。
(2)「文の成分」を考えるときは、その成分が1文節であれば「主語・述語・修飾語・接続語・独立語」を使い、成分が2文節以上で構成されていたら「主部・述部・修飾部・接続部・独立部」のほうを使う。
ということになります。
「主部・述部・修飾部・接続部・独立部」が必要な理由
「私と妹は一緒に遊んだ。」
この例文で、主語にあたる語は何でしょうか?
1文節で主語を答えないといけないとすると、困ったことになります。
「私と」だけが主語ではありませんし、「妹は」が単独で主語だともいえません。
「私と妹は」の2文節で主語と同じはたらきをしているとしか言いようがありません。
こういうときに、2文節をまとめたものを「主部」と命名すると便利です。
「妹が笑っている。」
この文の述語も同様です。
「いる」は形式動詞(補助動詞)であり、ほとんど意味をもちません。
「笑っている」の2文節で述語と同じはたらきをしていると考えるしかありません。
このときも、2文節で「述部」を構成していると考えるほうがすっきりします。
「私と妹は」のように並立の関係にある連文節(2つ以上の文節の集合体)や、「笑っている」のように補助の関係にある連文節は、「主部・述部・修飾部・接続部・独立部」の語を使わないとうまく説明できません。
これが、「主部・述部・修飾部・接続部・独立部」の語が必要である理由です。
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この両者は、どう区別したらよいのでしょうか。
「文節のはたらき」「文節相互の関係」
1つの文節に着目して、その文節がどんなはたらきをしているかで分類するのが「文節のはたらき」や、「文節相互の関係」です。
文節は、そのはたらきによって、主語、述語、修飾語、接続語、独立語の5種類に分類されます。
「細い道が続く。」という文で考えてみましょう。
文節に区切ると、「細い」「道が」「続く」となります。
それぞれの文節が文の中でどんなはたらきをしているかというと、「細い」は「道」を修飾する修飾語、「道が」は「が」がついているので主語、「続く」は文末なので述語です。
この場合、1つ1つの文節にまず着目して、その文節が文の中でどんなはたらきをしているかを考えて、主語、述語、修飾語と認定しています。
最初から1文節に注目し、その文節のはたらきを判断しているので、「主語・述語・修飾語・接続語・独立語」で用が足り、「主部・述部・修飾部・接続部・独立部」の語を使う余地はありません。
「文の成分」
「文の成分」というときは、まず文全体をながめます。
ある文があって、では、その文はどういう部分からできているかという順に考察を進める場合です。
その文の主体は何か(主語・主部)、文の中心は何か(述語・述部)、ただ修飾しているだけの部分はどこか(修飾語・修飾部)、接続のはたらきをしている部分はどこか(接続語・接続部)、独立している部分は何か(独立語・独立部)という順に考察していきます。
「細い道が続く。」という文だと、「細い道が」が文の主体である、「続く」がこの文の述語であるという順に判断します。
この場合、「続く」のように1文節だと何の問題もなく述語という言葉が使えるのですが、「細い道が」のように2文節以上になると、「主語」という語は使えません。
なぜなら、「主語・述語・修飾語・接続語・独立語」の語は、1文節の語にしか使えない言葉だからです。
そこで、「細い道が」のように、主語と同じはたらきをしている2文節以上の言葉を表す語として、「主部」という語をもちいることにしたのです。
つまり、「主語・述語・修飾語・接続語・独立語」は1文節のときに使う語であり、「主部・述部・修飾部・接続部・独立部」は2文節以上のときに使う語だということになります。
「~語」と「~部」の使い分けをまとめると
このように、「主語・述語・修飾語・接続語・独立語」と、「主部・述部・修飾部・接続部・独立部」は、「使う場面」と「文節数」の、2つの観点から区別して使わないといけません。
まず、使う場面による使い分けです。
「文節のはたらき」や「文節相互の関係」を考察するときは、「主語・述語・修飾語・接続語・独立語」しか使いません。
「文の成分」を考えるとき、初めて「主部・述部・修飾部・接続部・独立部」の語をもちいることになります。
その際、「主語・述語・修飾語・接続語・独立語」は、文の成分が1文節のときに使います。
「主部・述部・修飾部・接続部・独立部」は、文の成分が2文節以上のときに使う言葉です。
まとめると、
(1)「文節のはたらき」や「文節相互の関係」を考えるときは、1文節なので、「主語・述語・修飾語・接続語・独立語」の語しか使わない。
(2)「文の成分」を考えるときは、その成分が1文節であれば「主語・述語・修飾語・接続語・独立語」を使い、成分が2文節以上で構成されていたら「主部・述部・修飾部・接続部・独立部」のほうを使う。
ということになります。
「主部・述部・修飾部・接続部・独立部」が必要な理由
「私と妹は一緒に遊んだ。」
この例文で、主語にあたる語は何でしょうか?
1文節で主語を答えないといけないとすると、困ったことになります。
「私と」だけが主語ではありませんし、「妹は」が単独で主語だともいえません。
「私と妹は」の2文節で主語と同じはたらきをしているとしか言いようがありません。
こういうときに、2文節をまとめたものを「主部」と命名すると便利です。
「妹が笑っている。」
この文の述語も同様です。
「いる」は形式動詞(補助動詞)であり、ほとんど意味をもちません。
「笑っている」の2文節で述語と同じはたらきをしていると考えるしかありません。
このときも、2文節で「述部」を構成していると考えるほうがすっきりします。
「私と妹は」のように並立の関係にある連文節(2つ以上の文節の集合体)や、「笑っている」のように補助の関係にある連文節は、「主部・述部・修飾部・接続部・独立部」の語を使わないとうまく説明できません。
これが、「主部・述部・修飾部・接続部・独立部」の語が必要である理由です。
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