大学入試小論文の基礎が一応わかったとして、次に大切なことは、小論文を実際に書き、小論文作成のコツをつかむことです。
その際、どう時間配分をしたらよいかを、まず知っておかなければなりません。

世の中のすべての勝負は、戦う前の準備で既に帰趨が決しているというのが私の確信です。入試も例外ではありません。
小論文も、書き始める前の準備で勝ち負けが決まってしまいます。

そのことも含めて、私は、小論文の指導者の中では湯浅俊夫さんの考え方に強く共感しています。
今日は、旺文社刊『MY SELECT 合格小論文の書き方』(湯浅俊夫著)、旺文社刊『MY SELECT 書ける小論文図解ノート』(湯浅俊夫著)を参考に、小論文を書くときの時間の目安について書いてみます。

但し、湯浅さんは、実際の小論文作成と見直しには90分中30分で充分だというのが持論です。私は臆病なので、もうちょっと準備は短くして、実際に小論文を書くのに時間を残しておくように、塾生には指導しています。
以下は、私の修正バージョンです。


試験時間90分、字数800字の小論文を書くときの時間の目安

20分:問題読解
15分:アイディア(書くための資料)を耕す
15分:設計図(アウトライン)を書き出す
30分:原稿用紙に文章化する
10分:読み直し、点検・推敲する


さらに詳述します。


最初の20分:問題読解

問題文を読み、設問の要求を正確につかむ

1、最後まで根気よく問題文を読む、結論が最重要である
2、設問の一言一句を見逃さない
3、設問を念頭に、問題文本文の構成をつかみ、分解・明示する


2番目の15分:アイディアを耕す

問題文の主張のプラス面とマイナス面、自分の主張のプラス面とマイナス面について、頭の中の資料を集め、整理する

1、自分の過去・現在・未来について、記憶を探り、使える資料を書き出す
2、白紙の中央の楕円にテーマを書き、テーマから放射状に線を書き、テーマから連想される事項を周囲に書いていく


3番目の15分:小論文の骨子・構成のアウトライン(設計図)を書き出す

1、序論・本論・結論の3部構成にし、設計図をメモする
2、問題文本文をふまえ、序論で問題を提起する
3、本論も3部構成にする(例:ある事柄のプラス面・マイナス面・比較と評価、私自身の過去・現在・これから、ある事象の現状・その原因・対策)
4、結論でまとめ、抽象化する


4番目の30分:原稿用紙に文章化していく

1、400字を15分で書く


最後の10分:読み直し、点検・推敲をする

1、文章のねじれや誤字・脱字を点検する



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