英文法を念頭に、理論的に英文を書く試みの実践編(その2)です。

やはり、次の順に考察をします。

1、文の基本構造
(1)be動詞一般動詞
(2)
文型
(3)時制
(4)肯定文か否定文か疑問文か
2、特別な文
進行形未来助動詞を使う文か命令文現在完了受け身か…
3、修飾句
不定詞分詞動名詞
4、
接続詞関係代名詞
5、連語
使う連語は何か


この稿では標準的な入試問題を取り上げます(標準的な問題は数が多いので稿を分けます。この稿は標準問題の1です)。


基本問題は、上記1の、文の基本構造を決定すればそれだけでほぼ正しい英文が書けます。

標準問題は、問題文の日本語を参考に、2、特別な文であることに気づく、3、文法的に重要な修飾句が必要であることに気づく、4、が必要な複雑な文であることに気づく、5、重要な連語を使う文であることに気づく、以上4点に重点が移ります。


入試問題の暗黙のルール

(1)何か重要な事項をふくんでいるから出題される
(2)何が重要かは問題文の中にヒントがある

英作文の場合、ヒントは「問題文中の日本語」です。
日本語をヒントに、出題者が求めていることは何かを最初に探っておかないと得点にはつながりません。


では、実際の標準的な入試問題を見ていきましょう。

標準的な英作文

問題1、私たちが英語を勉強するとき、辞書は役に立ちます。

「~するとき」の語から、接続詞whenを使って節をつくり、2つの文を結合しないといけないことがわかります。

(基本構造)「勉強する」は一般動詞、「役にたつ」はbe動詞を使う。
(特別な文)特別な文ではありません。
(修飾句)特に必要ありません。
(節)whenに導かれる文が必要です。
(連語)必要ありません。

(解答)When we study English, a dictionary is useful for us.

dictionaryの前の冠詞のaを忘れがちなので注意が必要です。


問題2、私はいま家に帰ることはできません、なぜならすぐにここでトムに会わないといけないからです。


「なぜなら」の語から、接続詞のbecauseを使った節をうしろにおかないといけないことがわかります。
また、「できません」から助動詞のcan(can't)、「会わないといけない」から助動詞のmustが必要です。

(基本構造)一般動詞と助動詞を使った否定文と肯定文です。
(特別な文)助動詞が必要です。
(修飾句)必要ありません。
(節)becauseに導かれる文が必要です。
(連語)「家に帰る」はgo homeです。

(解答)I can't go home now, because I must meet Tom here soon.

日本語の語順が「すぐにここで」となっていても、英文の語順は主語+動詞+・・・+場所+時.で、時を表す語句は文の最後です。


問題3、タクシーに乗りなさい、そうしないと会議に遅れますよ。

「~しなさい、そうしないと・・・」の語から、命令文, andまたは、命令文, orの構文を要求していることがわかります。

(基本構造)「乗る」は一般動詞、「遅れる」はbe動詞です。
(特別な文)命令文, and(or)の特別な命令文であり、後半は未来を表すwillが必要です。
(修飾句)必要ありません。
(節)コンマで区切られた2つの文です。
(連語)「タクシーに乗る」はtake a taxi、「遅れる」はbe late forです。

(解答)Take a taxi, or you will be late for the meeting.

take a taxiのa、the meetingのtheを落としがちです。


問題4、この建物はあの建物の3倍の高さです。

「3倍」の語から、~times as … asを使った比較の文であることに気づかないといけません。

(基本構造)be動詞の文です。
(特別な文)比較の文です。
(修飾句)必要ありません。
(節)1つの文です。
(連語)「2倍」はtwice as ~ as、「3倍」以上は、~ times as ~ asです。

(解答)This building is three times as tall as that one.

建物の高さが高いというときはhighよりはtallです。
「この建物」と言ったあと「あの建物」というときは、that buildingは避けて、代名詞を使ってthat oneとするべきです。英語は同じ語の繰り返しを嫌います。


問題5、私が帰宅したとき、父はテレビでニュースを見ていました。

「帰宅したとき」とあるので接続詞のwhenに導かれた節が前にきます。

(基本構造)前半は一般動詞の過去形、後半はbe動詞をもちいた過去進行形です。
(特別な文)進行形を使います。
(修飾句)「テレビで」は連語のon TVです。
(節)接続詞のwhenで節をつくります。
(連語)「帰宅する」はget home、「テレビで」はon TVです。

(解答)When I got home, my father was watching the news on TV.

「父」の場合、その前に代名詞の所有格myやyourが必要です。


問題6、私は今日、しなければならないたくさんの宿題があります。

「しなければならない(たくさんの)宿題」という語で、「宿題」という名詞を「しなければならない」で修飾しないといけないことに気づきます。不定詞の形容詞的用法を使います。

(基本構造)「宿題がある」は、there is(are)の文ではなくてI have~です。
(特別の文)特別な文ではありません。
(修飾句)「宿題」homeworkを、「しなければならない」to doの不定詞で、うしろから修飾します。
(節)必要ありません。
(連語)「たくさんの」はa lot ofを使います。

(解答)I have a lot of homework to do today.


問題7、人々は天候についてもっと多くの情報を得るためにラジオを聴いています。

「~するために」とあるので、不定詞の副詞的用法を使って英作します。

(基本構造)「人々はラジオを聴いている」←「~をするために」となります。
(特別の文)現在進行形です。「もっと」で比較もからんできます。
(修飾句)「もっと多くの情報を得るために」の部分は、不定詞で導かれる修飾句to get more informationです。
(節)必要ありません。
(連語)「聴く」はlisten toです。

(解答)They are listening to the radio to get more information about the weather.

「人々」は、theyです。


例題8、彼女は私に家族の写真を見せてくれました。

「~に・・・を見せる」の構文です。主語+動詞+~に(間接目的語)+~を(直接目的語)の語順なので、いわゆる第4文型の英文です。

(基本構造)一般動詞「見せる」showのあとに、「~に」+「~を」の順で目的語が並びます。
(特別な文)中学範囲で第4文型をつくる動詞は、give, show, tell, teach, make, buyなど限られたものしかありません。
(修飾句)「写真」を、「家族の」が修飾しますが、前置詞ofを使ってうしろから修飾します。
(節)必要ありません。
(連語)使いません。

(解答)She showed me a picture of her family.

第3文型の文で書くとすると、She showed a picture of her family to me.となります。
familyの前に、所有格のherが必要です。


例題9、ポケットに両手をつっこんだままで話をしてはいけません。

「話してはいけない」のうしろに、「ポケットに両手をつっこんで」の修飾句がつくと考えたらよい。

(基本構造)一般動詞talkを使います。
(特別な文)「~してはいけない」ですから、助動詞mustを使ったyou must notを文頭におきます。
(修飾句)「ポケットに両手をつっこんで」は、前置詞にwithを使った修飾句です。
(節)必要ありません。
(連語)使いません。

(解答)You must not talk with your hands in your pockets.

「両手」は、「2つの手」と考えないで、複数形を使うだけでよいと思われます。


問題10、ぼくと恵子は文通を始めてからもう10年以上になります。

「10年以上たちました」+「文通を始めてから」と考えてもよいのですが、「ずっと文通をしています」+「10年以上の間」という文のほうが簡単です。
いずれにしても現在完了形です。

(基本構造)「文通をする」→「お互いに手紙を書く」と考えて一般動詞のwriteをもちいます。
(特別な文)現在完了形なのでhave+過去分詞です。
(修飾句)「10年以上の間」と考え、前置詞for(~の間)を使います。
(節)必要ありません。
(連語)「以上」はmore thanです。さらに、「手紙を書く」という意味のwrite to、「お互いに」にあたるeach otherも使います。

(解答)Keiko and I have written to each other for more than ten years.

日本語が「ぼくと恵子」であっても、英語の語順はKeiko and Iとなり、「私」はいつもうしろです。
「文通する」は、「お互いに手紙を出し合う」と考えて、「手紙を書く」にあたる連語のwrite to、「おたがいに」の意味の連語のeach otherを使う必要があります。

問題11、今年は東京に何回行きましたか。

「何回」と回数をきいているのでHow often~で書き出し、「行きましたか」と経験をきいているので現在完了形を使います。

(基本構造)通常「行く」はgoですが、現在完了形で完了や経験のときはhave beenになります。
(特別な文)経験をきいているので現在完了形です。
(修飾句)必要ありません。
(節)必要ありません。
(連語)使いません。

(解答)How often have you been to Tokyo this year?

How oftenのかわりに、How many timesでもよい。


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