インフレーションとデフレーション
商品やサービスの値段を価格といい、個々の商品の価格ではなくて多くの価格をまとめて平均化したものを物価といいます。
インフレーション・・・物価が継続的に上昇し、貨幣価値が下落すること。
デフレーション・・・物価が継続的に下落し、貨幣価値が上昇すること。
インフレーション
物価が継続的に上昇し、それにともなって貨幣価値が下落することをインフレーションといいます。
「貨幣価値の下落」とは、例えば、物価が1割上昇すると、それまで100円で買えていたものを110円払わないと購入できないことになるので、貨幣価値(お金の値打ち)が下落したことになる、という意味です。
インフレーションが起こる原因としては、おもに3つのものがあるといわれています。
(1)需要の増加によるインフレーション
ある商品を人々が欲しがる量の総体を需要といいます(需要の反対語は供給(ある商品を企業が提供する量の総体)です)。
価格は需要と供給で決定されるのが原則です(価格の決定についてはこちらを参照)。
需要が供給を上回るとき、価格を上げても商品は売れるので、物価は上昇します。
好景気で経済成長が続き給料の上昇を見込めるときや、社会が安定していて将来に対する不安が少ないとき、人々は積極的に商品を購入して生活を豊かにしようとします。
商品に対する需要が増える続けるので物価は上昇します。
景気がよいときのインフレーションなので「よいインフレーション」ですが、行き過ぎると実体のないバブル経済になり、経済に混乱をもたらします。
(2)供給に原因があるインフレーション
輸入する石油の価格が上昇し、それにともなって石油を原材料とする商品の価格が上昇するときのように、供給される商品の価格上昇が原因であるインフレーションです。
経済規模が拡大するときのインフレーションではなく、家計を圧迫するので「悪いインフレーション」です。
(3)貨幣の流通量増大によるインフレーション
政府が財政政策として公共投資や減税をおこなったときや、中央銀行である日本銀行が金融政策として政策金利を引き下げ、あるいは公開市場操作で国債を購入したとき、社会を流通する貨幣の量が増大します(財政政策と金融政策についてはこちらを参照)。
社会を流通するお金の総量が増えるので、企業が資金を銀行から借りるときの金利が下がり、企業は積極的に借り入れをおこなって設備投資などでお金を使おうとします。
その結果、需要が増大し、ものの価格が上がってインフレーションになります。
不景気のとき、政府や日本銀行は財政政策や金融政策を通して適度なインフレーションを作り出し、景気の回復を図ります。
デフレーション
物価が継続的に下降し、それにともなって貨幣価値が上昇するのがデフレーションです。
デフレーションが起こる原因としては次のようなものがあります。
(1)需要の減少によるデフレーション
景気が悪化し、給与所得が減少したり、将来への不安が増したりすると、消費をひかえようとする気分が社会に広がります。
需要が減少して値段を下げないと商品が売れなくなるので物価は下がっていきます。
商品の価格が下がると、利益も減少するので企業の業績はますます悪化します。従業員の給料が下がり、国の税収も減少し、ますます商品が売れなくなって不景気が続くことになります(デフレーションが景気の後退を招き、さらにデフレーションをもたらす現象をデフレ・スパイラルといいます)。
(2)供給に原因があるデフレーション
人件費が安い発展途上国の工業化が進み、海外から安い商品が大量に輸入されるようになると、その影響で物価は下がっていきます。
国内の企業も対抗上、商品の価格を下げざるをえないので、さらにデフレーションが進むことになります。
(3)資産価値の低下によるデフレーション
不景気になり企業の業績が悪化すると、株価が低迷し地価も下がって、企業や個人の保有する資産の価値が減少します。
企業は設備投資を控え、個人は消費を抑制するので物価は下がります。
好景気=インフレーション、不景気=デフレーション
一般に、好景気のときは消費意欲が高まるのでインフレーションに向かい、不景気のときは消費を控えようとする傾向が強くなるのでデフレーションにつながります。
スタグフレーション
石油などの原材料の価格が上昇しているとき、企業は不景気で需要が減退しているときでも商品の価格を上げざるをえません。
景気が停滞しているのにインフレーションが続く現象がスタグフレーション(停滞するstagnationとインフレーションinflationを結びつけた語)です。
不景気で給与が減少しているのに高い商品を買わないといけないことになり、個人の生活は二重の苦しみにさらされることになります。
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商品やサービスの値段を価格といい、個々の商品の価格ではなくて多くの価格をまとめて平均化したものを物価といいます。
インフレーション・・・物価が継続的に上昇し、貨幣価値が下落すること。
デフレーション・・・物価が継続的に下落し、貨幣価値が上昇すること。
インフレーション
物価が継続的に上昇し、それにともなって貨幣価値が下落することをインフレーションといいます。
「貨幣価値の下落」とは、例えば、物価が1割上昇すると、それまで100円で買えていたものを110円払わないと購入できないことになるので、貨幣価値(お金の値打ち)が下落したことになる、という意味です。
インフレーションが起こる原因としては、おもに3つのものがあるといわれています。
(1)需要の増加によるインフレーション
ある商品を人々が欲しがる量の総体を需要といいます(需要の反対語は供給(ある商品を企業が提供する量の総体)です)。
価格は需要と供給で決定されるのが原則です(価格の決定についてはこちらを参照)。
需要が供給を上回るとき、価格を上げても商品は売れるので、物価は上昇します。
好景気で経済成長が続き給料の上昇を見込めるときや、社会が安定していて将来に対する不安が少ないとき、人々は積極的に商品を購入して生活を豊かにしようとします。
商品に対する需要が増える続けるので物価は上昇します。
景気がよいときのインフレーションなので「よいインフレーション」ですが、行き過ぎると実体のないバブル経済になり、経済に混乱をもたらします。
(2)供給に原因があるインフレーション
輸入する石油の価格が上昇し、それにともなって石油を原材料とする商品の価格が上昇するときのように、供給される商品の価格上昇が原因であるインフレーションです。
経済規模が拡大するときのインフレーションではなく、家計を圧迫するので「悪いインフレーション」です。
(3)貨幣の流通量増大によるインフレーション
政府が財政政策として公共投資や減税をおこなったときや、中央銀行である日本銀行が金融政策として政策金利を引き下げ、あるいは公開市場操作で国債を購入したとき、社会を流通する貨幣の量が増大します(財政政策と金融政策についてはこちらを参照)。
社会を流通するお金の総量が増えるので、企業が資金を銀行から借りるときの金利が下がり、企業は積極的に借り入れをおこなって設備投資などでお金を使おうとします。
その結果、需要が増大し、ものの価格が上がってインフレーションになります。
不景気のとき、政府や日本銀行は財政政策や金融政策を通して適度なインフレーションを作り出し、景気の回復を図ります。
デフレーション
物価が継続的に下降し、それにともなって貨幣価値が上昇するのがデフレーションです。
デフレーションが起こる原因としては次のようなものがあります。
(1)需要の減少によるデフレーション
景気が悪化し、給与所得が減少したり、将来への不安が増したりすると、消費をひかえようとする気分が社会に広がります。
需要が減少して値段を下げないと商品が売れなくなるので物価は下がっていきます。
商品の価格が下がると、利益も減少するので企業の業績はますます悪化します。従業員の給料が下がり、国の税収も減少し、ますます商品が売れなくなって不景気が続くことになります(デフレーションが景気の後退を招き、さらにデフレーションをもたらす現象をデフレ・スパイラルといいます)。
(2)供給に原因があるデフレーション
人件費が安い発展途上国の工業化が進み、海外から安い商品が大量に輸入されるようになると、その影響で物価は下がっていきます。
国内の企業も対抗上、商品の価格を下げざるをえないので、さらにデフレーションが進むことになります。
(3)資産価値の低下によるデフレーション
不景気になり企業の業績が悪化すると、株価が低迷し地価も下がって、企業や個人の保有する資産の価値が減少します。
企業は設備投資を控え、個人は消費を抑制するので物価は下がります。
好景気=インフレーション、不景気=デフレーション
一般に、好景気のときは消費意欲が高まるのでインフレーションに向かい、不景気のときは消費を控えようとする傾向が強くなるのでデフレーションにつながります。
スタグフレーション
石油などの原材料の価格が上昇しているとき、企業は不景気で需要が減退しているときでも商品の価格を上げざるをえません。
景気が停滞しているのにインフレーションが続く現象がスタグフレーション(停滞するstagnationとインフレーションinflationを結びつけた語)です。
不景気で給与が減少しているのに高い商品を買わないといけないことになり、個人の生活は二重の苦しみにさらされることになります。
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