アメリカ合衆国のニューヨークに本部がある国際連合の組織についてまとめました。


総会

全加盟国が参加し、すべての問題を討議することができる機関です。各国が1票の表決権を持ちます。重要問題については3分の2、一般問題については過半数の多数決制で表決します。
総会での決議は加盟国に対する勧告の効力をもつだけで、強制力はありません。

(1)審議事項
国際連合憲章に定められたすべての問題を討議して加盟国と安全保障理事会に対して勧告することができます。
1、平和と安全の維持に関すること。
2、政治的、経済的、社会的、文化的、教育的及び保健的分野の国際協力に関すること。
3、国際法発達と法典化に関すること。
4、差別のない、人権及び基本的自由の実現に関すること。
5、国際連合の予算。

(2)権限
国際連合総会の決議は勧告的効力があるだけで、国際連合加盟国に強制力を持つのは安全保障理事会の決議だけです。

(3)構成
国際連合の全加盟国で構成され、各国は平等に1票の権利を持ちます。

(4)議決
投票した加盟国の過半数で決定します。ただし、重要案件に関しては3分の2以上の多数が必要です。

(5)総会を補助するおもな機関
国際連合貿易開発会議(UNCTAD)、国際連合開発計画 (UNDP)、国際連合児童基金 (UNICEF)、国際連合人権理事会 (UNHRC)、国際連合人権高等弁務官事務所 (OHCHR)、国際連合大学 (UNU) などがあります。


安全保障理事会

国際連合の最も重要な存在理由である「世界の安全と平和の維持」に関して責任をもつ機関が安全保障理事会です。
加盟国に対して強制力をもつ決定は、安全保障理事会しか決議できません。
また、国連軍を結成し、平和維持のために行使する権限を持ちます。

(1)審議事項
国際の平和及び安全の維持に関する主要な責任をもちます。
「国際の平和と安全」、つまり、国と国との戦争を未然に防いだり、現に存在する紛争を早期に解決したりするために必要なすべての事項について審議します。

(2)権限
すべての国際連合加盟国は、安全保障理事会の決定を受諾し実行しないといけません。

安全保障理事会は「平和に対する脅威」・「平和の破壊」・「侵略行為」の存在を決定し、加盟国に勧告をし、決議にしたがわない国に制裁を加えます。

制裁には、軍事力を使わない「非軍事的措置(経済制裁、交通の断絶、通信の遮断、外交関係の断絶)」と、「軍事的措置(国際連合が編成した空軍・海軍・陸軍の軍事行動や、加盟国の軍隊による示威・封鎖)」があります。

(3)構成
常任理事国5か国と、総会で選出される非常任理事国10か国の、計15か国で構成されます。

常任理事国は、アメリカロシア(1991年にソビエト連邦から引継ぎ)・イギリスフランス中国(台湾(中華民国)から1971年中国に移動)の5か国です。

非常任理事国は任期が2年で、アジア2(または3)、アフリカ2(または3)、ラテンアメリカ2、西ヨーロッパ2、東ヨーロッパ1の割合で、総会の選挙で選ばれます。
日本は現在非常任理事国です(10期目で最多)。

(4)議決
安全保障理事会の各理事国は、1個の投票権を持ちます。

すべての事項に関する安全保障理事会の決定は、常任理事国の同意投票を含む9理事国の賛成投票によって行われます。
つまり、9か国以上の賛成で可決されますが、9か国の中に常任理事国5か国全部の賛成がふくまれていることが必要です。常任理事国の1国でも反対すると、可決できないことになります。
常任理事国は1国で安全保障理事会の決定をくつがえせるので、これを拒否権といいます。

重要でない手続に関する決定は、9理事国の賛成だけで可決できます。

(5)安全保障理事会を補助するおもな機関

軍事参謀委員会、平和構築委員会


経済社会理事会

国際連合の経済的、社会的、文化的、教育的及び保健的活動を担当します。
実際の活動のほとんどは、経済社会理事会と連携する専門機関がおこないます。

(1)権限
経済問題(貿易、輸送、工業化、経済開発)、社会問題(人口、子供、住宅、女性の権利、人種差別、障害者、麻薬、犯罪、社会福祉、青少年、人間環境、食糧)、労働、文化、教育等を担当します。
専門機関の調査報告を受けて必要な議決を行い、教育、保健状態の改善、人権と自由の尊重について勧告を行います。

(2)構成
54か国で構成され、任期は3年です。
経済的・社会的・文化的権利委員会などの常設委員会や専門家部会と、地域経済委員会があります。

(3)経済社会理事会と連携協定を結ぶ専門機関
国際連合食糧農業機関(FAO)
国際民間航空機関(ICAO)
国際農業開発基金(IFAD)
国際労働機関(ILO)
国際通貨基金(IMF)
国際海事機関(IMO)
国際麻薬統制委員会(INCB)
国際電気通信連合(ITU)
国際連合工業開発機関(UNIDO)
国際連合教育科学文化機関(UNESCO)
世界観光機関(UNWTO)
万国郵便連合(UPU)
世界銀行(WB)
世界保健機関(WHO)
世界知的所有権機関(WIPO)
世界気象機関(WMO)


信託統治理事会

未独立の地域が独立できるように設置されましたが、1994年、任務を完了し、活動を停止しました。


国際司法裁判所

国際司法裁判所は、加盟国間の紛争を裁判によって処理する機関です。加盟国は判決に従う義務があります。

また、国際連合の総会と安全保障理事会は法的な問題について国際司法裁判所に勧告的意見を求めます。

オランダハーグに本部があり、15人の裁判官で構成されます。


事務局

事務局は、国際公務員として国際連合の運営を行う機関です。事務総長が統括します。

現在の事務総長は、韓国出身の潘基文パン・ギムン)です。



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