最近、小学校(6年生:「ものの燃え方」、「動物のからだのはたらき」)や、中学校で使われ始めた実験器具に気体検知管があります。

気体検知管は、空気中にふくまれる酸素、二酸化炭素などの気体の割合を測定する実験器具です。


気体検知管の各部の名称

気体検知管













気体検知管の使い方

、気体の種類によって、使う気体検知管を決めます。
酸素・・・青色の検知管
うすい二酸化炭素・・・黄色
こい二酸化炭素・・・赤色

(気体によって検知管が違うのは、検知管の中に入れてある試薬(しやく:調べるための薬品)が、調べようとする気体によって違うからです。)

、検知管の両端を、チップホルダで折ります。
チップホルダに差し込み、検知管をまわして切れ目を入れた後、検知管を横に倒して折ります。
両方の端を折ります。
チップホルダ
(検知管の中の試薬がもれないように、検知管はガラスで密閉されています。両端を折ることで、調べたい空気を検知管に吸い込むことができるようになります。)











、検知管の一方の端にカバーゴムを取り付けます。
Gのマークのついたほうにカバーゴムを取り付けます。
カバーゴム
(カバーゴムを取り付けるのは、折った検知管の先でけがをしないようにするためです。)






、気体採取器のハンドルがおしこまれていることを確認しておきます。

(ハンドルを外側にひいた状態だと気体を吸い込むことができません。)

気体検知管のゴムを取り付けなかったほう(気体検知管の「気体採取器」と書かれたほう)を、気体採取器に差し込みます。
気体採取器の2
(気体採取器がポンプの役目をして空気を吸い込み、調べたい空気を気体検知管に通すことができるようになります。)










、調べたい空気の入った集気びんや空気を入れた袋に気体検知管のゴムカバーを取り付けたほうを差し込み、気体採取器本体の赤い印にハンドルの赤線を合わせたあと、ハンドルを一気にひきます。
ハンドル
(赤い印にハンドルの目印を合わせるのも、一気にハンドルをひくのも、気体検知管に十分な空気を導くためです。)










、一定時間(約1分)待ったあと、気体検知管を気体採取器からはずします。

(一定時間待つのは、気体検知管が、調べている空気を完全に吸引するまで待つためです。)

、気体検知管の変色している部分の境い目が調べたい気体の濃度(割合)ですから、その目盛りを読み取ります。
目盛り
(検知管の変色部分の境い目がはっきりしているときはその部分の、境い目が斜めのときは中央の目盛りをよみます。)

、気体検知管の目盛りから、調べた空気の中にふくまれている酸素や二酸化炭素の割合)がわかります。


気体検知管を取り扱うときの注意

、気体検知管はガラスでできているので、落としてわったりしないように気をつけて取り扱う必要があります。
また、チップホルダで折った部分で手を切ったりしないように注意しないといけません。

、チップホルダで気体検知管の端を折るときにガラスの破片が飛び散ることがあります。顔などを近づけてはいけません。

、気体検知器の差し込む向きをまちがえると非常に危険です(小学校で、検知管を逆に取り付けたため気体採取器から塩化水素がもれ出て児童が病院で診察を受けた例があります。)

、酸素用の気体検知管は高温になります(約70度)。検知管を持つときはゴムカバーの部分を持ち、やけどをしないように注意しないといけません。

、気体検知管がわれたりして中の薬品にふれた場合はすぐに水で洗い落としたあと、適切な処置をしてもらう必要があります。

、測定後、検知管の中には薬品が残っています。決められた方法にしたがって処分しないといけません。


実験結果

実際に実験をして酸素や二酸化炭素の濃度を確認するべきですが、参考までにろうそくが燃えたあとの例を書いておきます。

通常の空気には、約21%の酸素と、約0.03%の二酸化炭素がふくまれています。

容器の中でろうそくを燃やしたあと、残った空気を気体検知管で調べると、酸素の割合は約17%、二酸化炭素は約4%であることが多いようです。

17%も酸素が残っているのにろうそくが消えてしまうのは、物質によって、燃えるために必要な酸素の濃度が決まっており、ろうそくは17%程度以上の酸素がないと燃えないからだそうです。

ちなみに、人が呼吸するときの「はく息(呼気)」にふくまれている酸素の量は約16%、二酸化炭素の量は約4%です。



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