呼吸と光合成
植物も、動物と同様に呼吸をしています。
「呼吸」は、いろいろな意味で使われますが、ここでは、生物が外界から酸素を取り入れ、細胞で有機物(栄養分)を分解し、生命活動のエネルギーを取り出す活動と定義します。有機物を分解する過程で二酸化炭素や水を排出します。
つまり、呼吸に必要なものは酸素と有機物、呼吸をする場所は細胞で、エネルギーを取り出し、二酸化炭素と水を排出するということになります。
植物は昼間、光合成もしています。
光合成に必要なものは二酸化炭素と水、光合成をする場所は葉緑体であり、光のエネルギーを使って、有機物であるデンプンを作り、酸素を排出します。
以上からわかるように、呼吸と光合成とはほぼ逆向きの活動です。
呼吸・光合成と二酸化炭素
植物は、呼吸では二酸化炭素を排出し、光合成では必要な二酸化炭素を体内に取り入れます。
その活動を、BTB溶液をもちいて調べることができます。
BTB溶液
ブロモチモールブルーの水溶液で、酸性か中性かアルカリ性かを調べる指示薬の一つです。
酸性で黄色、中性で緑色、アルカリ性で青色になります。
二酸化炭素
二酸化炭素そのものは酸性でもアルカリ性でもありませんが、二酸化炭素が水に溶けると(二酸化炭素の水溶液が炭酸水です)、水溶液は酸性になります。
BTB溶液を使って、呼吸・光合成と二酸化炭素の関係を調べる実験
アルカリ性にした青色のBTB溶液に、呼気(はく息)をふきこんで緑色にしたBTB溶液(呼気の中には二酸化炭素が含まれており、二酸化炭素は水に溶けると酸性となり、アルカリ性と中和されて中性の緑色になる)を入れた試験管を4本用意します。
試験管A・Bはオオカナダモを入れたもので、試験管C・DはBTB溶液だけを入れた試験管です。
4本の試験管を日光のあたる明るい場所に置いておきます。試験管B・Dは日光が影響しないようにアルミニウムはくでおおっておきます。
(予測)
試験管Aでは、オオカナダモは呼吸と光合成をしています。呼吸では酸素を消費し、二酸化炭素を排出します。光合成では二酸化炭素を使い、酸素を出します。
日光があたっている状態では、呼吸<光合成なので、オオカナダモが呼吸で排出する二酸化炭素の量より、光合成のために吸収する二酸化炭素の量のほうが多いはずです。
吹き込んだ呼気に含まれている二酸化炭素が光合成に使われ、試験管の中の二酸化炭素が減少するので、BTB溶液の色はもとの青色にもどるはずです。
また、光合成がさかんにおこなわれて、排出される酸素が泡となって発生するはずです。
試験管Bは、アルミニウムはくにおおわれて日光があたらないので、オオカナダモは呼吸だけをします。
酸素を取り入れ、二酸化炭素を出すはずなので、さらに二酸化炭素が増えて水溶液は酸性になり、黄色になると予想されます。
試験管C・Dはオオカナダモが入っていないので、二酸化炭素の量には増減がなく、BTB溶液の色は実験を始めたときの緑色のままであろうと予想できます。
対照実験
「ある条件」が結果に影響するかどうかを調べるのに、その条件以外はまったく同じ状態にした実験材料を合わせて用意します。
両者を対照する(比べる)ことで、結果が異なれば、その「ある条件」が原因になって別々の結果が起こったことを証明できます。
このような実験のやり方のことを対照実験といいます。
上記の実験で試験管Cを用意したのは、試験管Aと比較対照することで、BTB溶液の色の変化(緑色→青色)がオオカナダモの光合成で二酸化炭素が使われたことが原因であることを証明するためです。
試験管Dを準備したのは、試験管Bと比べることで、BTB溶液の色の変化(緑色→黄色)がオオカナダモの呼吸によって二酸化炭素が排出され、水に溶けて酸性になったことを明らかにするためです。
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植物も、動物と同様に呼吸をしています。
「呼吸」は、いろいろな意味で使われますが、ここでは、生物が外界から酸素を取り入れ、細胞で有機物(栄養分)を分解し、生命活動のエネルギーを取り出す活動と定義します。有機物を分解する過程で二酸化炭素や水を排出します。
つまり、呼吸に必要なものは酸素と有機物、呼吸をする場所は細胞で、エネルギーを取り出し、二酸化炭素と水を排出するということになります。
植物は昼間、光合成もしています。
光合成に必要なものは二酸化炭素と水、光合成をする場所は葉緑体であり、光のエネルギーを使って、有機物であるデンプンを作り、酸素を排出します。
以上からわかるように、呼吸と光合成とはほぼ逆向きの活動です。
呼吸・光合成と二酸化炭素
植物は、呼吸では二酸化炭素を排出し、光合成では必要な二酸化炭素を体内に取り入れます。
その活動を、BTB溶液をもちいて調べることができます。
BTB溶液
ブロモチモールブルーの水溶液で、酸性か中性かアルカリ性かを調べる指示薬の一つです。
酸性で黄色、中性で緑色、アルカリ性で青色になります。
二酸化炭素
二酸化炭素そのものは酸性でもアルカリ性でもありませんが、二酸化炭素が水に溶けると(二酸化炭素の水溶液が炭酸水です)、水溶液は酸性になります。
BTB溶液を使って、呼吸・光合成と二酸化炭素の関係を調べる実験
アルカリ性にした青色のBTB溶液に、呼気(はく息)をふきこんで緑色にしたBTB溶液(呼気の中には二酸化炭素が含まれており、二酸化炭素は水に溶けると酸性となり、アルカリ性と中和されて中性の緑色になる)を入れた試験管を4本用意します。
試験管A・Bはオオカナダモを入れたもので、試験管C・DはBTB溶液だけを入れた試験管です。
4本の試験管を日光のあたる明るい場所に置いておきます。試験管B・Dは日光が影響しないようにアルミニウムはくでおおっておきます。
(予測)
試験管Aでは、オオカナダモは呼吸と光合成をしています。呼吸では酸素を消費し、二酸化炭素を排出します。光合成では二酸化炭素を使い、酸素を出します。
日光があたっている状態では、呼吸<光合成なので、オオカナダモが呼吸で排出する二酸化炭素の量より、光合成のために吸収する二酸化炭素の量のほうが多いはずです。
吹き込んだ呼気に含まれている二酸化炭素が光合成に使われ、試験管の中の二酸化炭素が減少するので、BTB溶液の色はもとの青色にもどるはずです。
また、光合成がさかんにおこなわれて、排出される酸素が泡となって発生するはずです。
試験管Bは、アルミニウムはくにおおわれて日光があたらないので、オオカナダモは呼吸だけをします。
酸素を取り入れ、二酸化炭素を出すはずなので、さらに二酸化炭素が増えて水溶液は酸性になり、黄色になると予想されます。
試験管C・Dはオオカナダモが入っていないので、二酸化炭素の量には増減がなく、BTB溶液の色は実験を始めたときの緑色のままであろうと予想できます。
対照実験
「ある条件」が結果に影響するかどうかを調べるのに、その条件以外はまったく同じ状態にした実験材料を合わせて用意します。
両者を対照する(比べる)ことで、結果が異なれば、その「ある条件」が原因になって別々の結果が起こったことを証明できます。
このような実験のやり方のことを対照実験といいます。
上記の実験で試験管Cを用意したのは、試験管Aと比較対照することで、BTB溶液の色の変化(緑色→青色)がオオカナダモの光合成で二酸化炭素が使われたことが原因であることを証明するためです。
試験管Dを準備したのは、試験管Bと比べることで、BTB溶液の色の変化(緑色→黄色)がオオカナダモの呼吸によって二酸化炭素が排出され、水に溶けて酸性になったことを明らかにするためです。
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