各単元には、ここではこれが一番大事でこれさえ覚えておけばよいといえるものがあります。
火成岩の単元だと、それは火成岩と造岩鉱物の表なのに、最近はそれが記載されていないテキストがほとんどです。

火成岩の表
マグマが冷えて固まった岩石が火成岩です。
火成岩は、地表近くで急に冷えて固まった火山岩と、地下深くでゆっくり冷えて固まった深成岩に分かれます。

物質は、ゆっくりと時間をかけて固まるほど大きい結晶ができます。
だから、火山岩は小さい結晶(斑晶)が石基の中に散らばってしか見えない斑状組織と呼ばれるつくりになり(「斑」は斑点(ちらばった点)の斑という意味です)、深成岩は大きな結晶の集まった等粒状組織といわれるつくりになります。

火山岩の代表的なものが流紋岩安山岩玄武岩で、深成岩には花こう岩閃緑岩ハンレイ岩があります。
石垣に使われている石は安山岩が多く、また玄武岩は地球上の岩石の中の比率が一番大きい岩石であり、花こう岩は墓石の石材です。そうと知らずに目にしていることが多いかもしれません。

火山岩も深成岩も、鉱物造岩鉱物)が集まって石になったものです。
鉱物は、溶けたマグマの状態では混ざり合っていますが、冷えて岩石になると同じ種類の鉱物が集まって結晶をつくります。
火成岩を構成している鉱物としては石英長石黒雲母角閃石輝石カンラン石があります。

石英は透明でガラス状の鉱物で、不規則に割れます。長石は白色で規則正しい割れ方をします。この2つは、二酸化ケイ素ケイ酸)を多くふくんでいるので白っぽく無色鉱物といわれます。
黒雲母角閃石輝石カンラン石は二酸化ケイ素の含有量が少なく、黒に近い色をした有色鉱物です。


以上、知識として知っておかないといけないことを長々と書きましたが、ここで述火成岩の表べたことは、最初に掲載した表を頭に入れておけばすべてわかります。

逆に、この表が頭に入っていないと解けない問題もあります。

例えば、次のような問題です。


例題:顕微鏡で岩石を観察すると、岩石Aは鉱物a(無色透明で不規則な割れ方をする)、鉱物b(白色で規則正しい割れ方をする)、鉱物c(黒色で薄くはがれる)の大きな結晶が見られた。岩石Bは鉱物a、b、cをふくんでいるが結晶は小さく点在していた。岩石A、Bはそれぞれ何という岩石か。


表が頭に入っていたら、鉱物a(石英)、鉱物b(長石)、鉱物c(黒雲母)でできていて大きい結晶をもつ等粒状組織の深成岩である岩石Aは花こう岩、鉱物a、b、cでできている斑状組織の火山岩である岩石Bは流紋岩だとすぐにわかります。

また、よく出る問題である「どの火成岩にもふくまれている鉱物は何か」という問いにも、すぐに長石と答えることができます。

この表は、頭にいれておくべきです。


最後に、表の覚え方です。

私はどうも語呂合せで覚えるやり方はあまり好きではありません(語呂合せを覚える暇があったらさっさとお経のように唱えて暗記してしまえ派です)。

左から、流紋岩・安山岩・玄武岩、花こう岩・閃緑岩・ハンレイ岩、鉱物も左から石英・長石・黒雲母・角閃石・輝石・カンラン石と声に出して覚えたほうがよいと思います(中学校で覚えたのが今でも口をついて出ますから、忘れにくいことも保証します)。


自分で表を書けるようにしておくとさらにベターです。
造岩鉱物の表
やや不正確ですが、左の真ん中から上の真ん中へ線をひいて石英、左から右の真ん中へ線をひいて長石、3分割の左下の真ん中から長石の下の線の真ん中へ線をひいて黒雲母、・・・というふうに真ん中、真ん中と線をひくと、覚えにくい鉱物の部分も簡単に書けてしまいます。






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