早稲田中・高等学校
 早稲田中の入試問題の特徴と、サピックス小学部で早稲田中を目指す受験生のための学習法や注意点について、算数・国語・理科・社会の教科別に説明します。

【算数】早稲田中・算数の入試問題の特徴

 問題の中にたくさんの「図」があると、一目見て受験生は感じるでしょう。平面図形あり立体図形あり、求積(面積や体積を求める)はもちろん角度も求めさせられます。さらに回転や移動によって図がじっとしてはいないものすらあります。

■このような点に注意して学習しましょう

 図形問題を解くには、算数的な頭のよさが必要です。その前に基礎的な訓練を6年生の1学期までに怠りなくやり遂げる真面目さと粘りが必要です。

 図形分野に限らず、数の性質に関する問題や特殊算も含めた幅広い学習をしていないと、早稲田中の問題を攻略することは困難です。近年は動く歩道の問題や水問題など、整理や計算力を要求するものも多く、実力を要求する問題です。早稲田中対策はオーソドックスな受験算数をコツコツと継続していくことが大切です。

■塾別の対策

 サピックスは、多くの俊英たちが集まっており、最難関校受験に対応できる算数教材を使って刺激のある授業が行われています。考える力を養うことは早稲田中受験にはもちろん大切です。しかし、サピックスの教材と宿題をすべてやり遂げようとすると逆効果です。

 マンスリーテストで間違った問題の解き直しを、別にノートを作ってやってみてください。オーソドックスな算数の問題を、難度の高いものまで確実に解けるようにしていくのが合格への近道です。図形を中心に、解法知識に「穴」がない状態を目指しましょう。

【国語】早稲田中・国語の入試問題の特徴

 早稲田中の国語は、例年説明的文章と物語・文学的文章からそれぞれ1題ずつ出題されます。問題文は近年長文化しています。記述問題は2題程度で、短いのですが、逆に短く答えるのに苦労するタイプのものです。早稲田中の特徴は、一見簡単そうに思える問題ですが、解答を出すのに戸惑う記号選択問題が多いという点にあります。問題数が少ない割に長文であるため、読む速さで差がつくところがあります。

 年度にもよりますが、早稲田中では60点の配点中、約7割を得点できるだけの実力を身につけたいところです。そのためには、精度の高い読み取り、速く、深く読み込む作業が必要です。漢字の書き取りも他校に比べて難度が高く、小学生に馴染みのないものが出題されがちです。

■このような点に注意して学習しましょう

 記述問題については、部分点を期待するような姿勢で臨まないようにしましょう。満点を取る記述力を目指してください。早稲田中の類題校は、慶應普通部、桐朋などです。

■塾別の対

 サピックスの平常授業のAテキストだけでは、早稲田中の国語に必要とされる読み取り精度を目指す練習ができません。早稲田中の出題傾向はBテキストのような記述中心型ではありませんので、やや使い勝手が良くないのです。

 SS特訓を十分に活用することはもちろんのこと、自分で学習するには、早稲田中の類題校演習がお勧めです。慶應普通部や桐朋も読み取り精度を試す問題が多くあるので、活用しましょう。なお、語句の意味用法を試す問題の対策には、市販されている薄い問題集を1冊仕上げると自信がつきます。

【理科】早稲田中・理科の入試問題の特徴

 早稲田中の理科は、物理・化学・生物・生物の4分野から大問1題ずつ、バランスよく出題されます。年度によってばらつきはありますが、小問が20個~30個。奇問は少ないですが、オーソドックスなテーマの入試問題で難度が低いものから高いものまで、幅広く出題されます。合格最低点は6割~7割の得点となっています。

 いわゆる初見の問題はほとんど出題されません。過去問や他の学校の入試問題、塾のテキストで見かけたような問題が多いですが、思考力、作業力を要求するものがよく出題されますから、ある程度の演習量を確保しておくことが大切です。

 多くの塾の平常授業のテキストの問題は、まさに早稲田中のよい対策となります。30分という制限時間を考えると、問題を解くペースが大切になりますから、ふだんから時間を計って演習するなど、時間を意識して解く練習を積んでおくとよいでしょう。

 サピックスでは、デイリーの星2つまでの問題を、もれなく速く解ける練習が必要です。解答が出て終わりではなく、その回答に至るまでの道筋を、解説などでたどり、間違った問題に関しては自分で最後まで解きなおす、というオーソドックスな受験勉強が合格への近道です。後期のSS特訓はもちろん過去問と類題校の問題が中心ですが、早稲田中の過去問が早稲田中対策の最善の教科書です。

【社会】早稲田中・社会の入試問題の特徴

 早稲田中の社会は、例年大問3の構成。地理、歴史、政治と分野別にほぼ分かれており、融合問題ないし総合問題形式ではないので、対策が立てやすい形式です。解答数は、30から40題で、これを30分で解答しなければならないのが課題で、問題の処理スピードが必要になります。

 解答形式は、6割が記号選択、残りが語句記入、近年は記述問題が少なくなっています。全般として難度は標準、得点率は70%以上を目指したいところです。知識が中心の出題ですが、出来事を起こった順に答えるなど難度の高い形式のものも出題されますから、注意が必要です。

 サピックス生が早稲田中学校を目指すなら、平常授業のテキストの完全消化が目標です。テキストの基礎レベルの問題正答率は90%以上、ワンランクアップした問題でも80%以上の正答率を維持できるように毎日の学習を進めましょう。

 早稲田中志望ならむやみやたらに難問にチャレンジする必要はないので、学習量と学習の質に気をつけましょう。時事問題絡みや国際関係に関する出題に早目に対応する学習スケジュールを組むと、SS特訓授業の効果が強く出ます。追い込み期に国際関係のような中学受験生が苦手とする分野を集中的に学習するのは避けたほうがよいでしょう。