お受験ちゃんねる:大学受験・学歴・就活 2ch・5ch・なんJまとめ

受験・学歴・就活、大学ネタの2chまとめ・5chまとめ、なんJ・大学受験サロンまとめ、大学、高校の偏差値は勿論、就職・進学実績等様々なデータランキングを掲載しています! 受験生や就活中の方を含め多くの学生の皆さんに関係するようなニュース、子育てを行う親御さんにも役立つニュース全般をまとめていきます。 高校受験生や大学受験生、保護者の方、高校・大学OBの方は必見のブログです!

理解したつもりにはなりますが、よく考えると次々疑問がわき起こってくるのが質量の意味、そして質量と重さ(重量)の関係です。

通常、質量と重さについては次のように習います。


質量と重さで習うこと

質量とは、「物体そのものがもっている量」です。

重さとは、「物体にはたらく重力の大きさ」です。

質量と重さでは、3つの違いがあります。

1、単位が違います。
質量の単位はgkgです。
重さの単位はN(ニュートン)です。

2、測定器具が違います。
質量はてんびん(上皿てんびんや電子てんびん)で測定します。
重さはばねはかりで測定します。

3、場所によって変わるかどうかが違います。
質量はどこでも変わりません
重さは測定する場所によって変わります。例えば、では重さは地球上の1/6になります。


しかし、少し考えてみると、いろいろ疑問がわいてきます。

「物体そのものがもっている量」とは何か?
g、kgは重さの単位だと思っていたのに違うのか?
重さの単位のNを日常生活で使わないのはなぜか?
・・・


質量(物体そのものがもっている量)とは何か

今、私の目の前に分厚い辞書があります。
持っていると手が疲れてくるので辞書には「重さ」があることがわかります。

ところが、この「重さ」ですが、ばねはかりで測定すると、赤道付近で測るとほんのわずか小さくなり、北極や南極の近くで測定すると少し大きくなります。
また、高い山に登って測ると、少しだけ小さくなります。

場所によって変わるようなものを、その物体が持つ固有の量と考えることはできません。

つまり、「重さ」は、その物体がもっている真実の量ではない。
物体は別の何かをその物体固有の量として持っていて、「重さ」はその固有の量から生まれて、固有の量を推定させる別のものだと考えないと理屈に合わないことになります。

そこで、理科では、重さとは別のものとして「質量」というものが存在することを認めて、物体の持っている、重さに関係するが重さとは別のその物体固有の量、ある時々、場所場所での、そのものの重さを決めるもとになっている真実の量を、「質量」として取り扱うことにしたのです。


質量とは、「(1)ある物体がもつ(2)重さに関係する(3)固有の量」です。

質量は、質量真実の量ですが、われわれはそれを完全にとらえることはできません。

質量は、仮想のものではなくて、本当に存在する量です。
しかし、私たちは、重さや加速度を測定・観察することを通して、質量を推定することしか、できません。
これが、理科の立場です。


(2011年現在、1kgの定義は「国際キログラム原器の質量を1kgとする」です。パリの国際度量衡(どりょうこう)局に、温度などの影響を受けないように気密の容器に入れて、直系約39mm、高さ約39mmの、プラチナ90%、イリジウム10%でできた金属が保存されており、それが国際キログラム原器です。)


g、kgは質量の単位である

小学生のとき、そして日常生活では、gとkgを重さの単位として使いますが、中学生、高校生は、理科では、g、kgを重さの単位として使ってはいけません。

g、kgは質量の単位であり、重さの単位はNです。


そして、中学理科の範囲で、質量を式で扱うのは密度だけです。

密度(1立方cmあたりの質量)は質量÷体積で求められる量で、単位はg/立方cmであり、密度を求めるときは重さではなくて質量をもちいます。


日常生活とg、kg、N

買い物などの日常生活では、重さの単位としてg、kgが使われており、Nを使うことはほとんどありません(現状では使ってもおそらく相手に通じません)。

わが国でもできるだけ国際単位系(SI)の単位を採用するという国の施策によって、まず、平成14年度の理科の教科書から、重さの単位としてN(ニュートン)を使うことになりました(それまでは、理科では、重さの単位としてg重(グラム重)、kg重(キログラム重)を使っていました)。

しかし、まだ国民一般には浸透しておらず、日常生活で当たり前に使われるようになるには時間がかかりそうです。


理科の全目次はこちら
理科 分野別学習目次



このエントリーをはてなブックマークに追加

有機物とは何か?
簡単そうで難しい問いです。

大概のテキストに載っている答えは「炭素をふくむ化合物」であったり、「炭素をふくみ燃えると二酸化炭素とふつう水ができる物質」であったりします。

ところが、「有機物とは炭素をふくむ化合物である」と定義されながら、「二酸化炭素のように簡単なつくりの化合物は有機物ではなくて無機物である」と書いてあります。
例外が存在する定義なんて他にはありません。

また、水素をふくんでいるからこそ水ができるはずなのに有機物であることの条件に水素をふくんでいないことや、「ふつう水ができる」などという曖昧な説明で逃げていることなど、やはり定義としてはおかしさ一杯です。


だから、中1の問題集に出てくる次のような問題で子どもたちが首をかしげるのもうなずけます。

例題:次の物質のうち、有機物をすべて選べ。
(1)砂糖、(2)塩化ナトリウム、(3)スチールウール、(4)プラスチックの容器


有機物の定義自体が矛盾をふくんでいるうえに、「炭素をふくんでいるかどうか」や、「燃えると二酸化炭素と水ができるかどうか」を、ほとんど中学理科を学んでいない中1の子が判断できるはずがありません。

私は授業では、「矛盾だらけの記述でおかしいやろ?実はね、昔は生物、つまり動物・植物の仲間を有機物、そうでないものを無機物と思っていたんだよ。ところが、そう単純ではないってことがわかってきたんだけど、有機物・無機物という用語は残ってしまったんだ。」

「だから、有機物か無機物かを判断するときは生物の仲間かどうかで判断するのが手っ取り早い。砂糖はサトウキビから作るから元植物で有機物。塩化ナトリウムやスチールウール(鉄)は生物じゃないから無機物。プラスチックは何から作る?そう、石油。石油は大昔の植物が変化したもの。だから、植物の仲間で有機物。これで簡単に解けるよ。」と教えています。

なぜ、こんな不思議な用語を後生大事に教科書に載せているのか、不思議で仕方がありません。


ところで、では無機物とは何か?

テキストによると、「有機物以外の物質」だそうです。

有機物とは何かがはっきりしないのに、無機物とは有機物ではないもののことですなんて、何かのギャグかと思わず笑ってしまいます。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ところで、この摩訶不思議な「有機物と無機物」ですが、中1の『物質』の単元以外に、中2では『消化』で、中3では『食物連鎖』で出てきます。

私は、各学年、各単元で、それぞれ有機物を別々の意味で理解したほうがよいと教えています。

中1では、有機物とは「炭素をふくむ、生物に由来する物質」のこと(生物に由来しないものが無機物)。

中2では、有機物とは「炭水化物・タンパク質・脂肪の3つの栄養分」のこと(3つの栄養分に含まれないカルシウムやカリウム、ナトリウムなどが無機物)。

中3では、有機物とは「落ち葉や動物のフン、死骸などもともと動物・植物であったもので、水にとけないから植物の根からは吸収されないもの」のこと(微生物によって根から吸収できるほど分解されてしまったものが無機物)。




理科の全目次はこちら
理科 分野別学習目次


このエントリーをはてなブックマークに追加

水溶液・状態変化の章が一目で理解できるように、重要事項を最もわかりやすくまとめました。

1、溶質・溶媒・溶液
溶質…とけている物質
・固体の溶質…塩化ナトリウム・砂糖
・液体の溶質…エタノール
・気体の溶質…アンモニア・二酸化炭素

溶媒…とかしている液体、水・エタノールなど

溶液…溶質と溶媒を合わせた全体、溶媒が水のときを水溶液という

とけるということ…溶質が小さい粒になって溶媒の中に均一に広がっている
・溶液は透明である(無色のときと有色のときがある)
・濃さはどこも同じ
・とけた溶質は時間がたっても底に沈殿しない

コロイド溶液…デンプンを湯にとかしたもの・牛乳・墨汁などは、時間がたっても水と分離しないが、溶液と違って透明ではない、このような液体をコロイド溶液という


2、質量パーセント濃度(濃度)
質量パーセント濃度(%)…溶液全体に対する溶質の質量の割合をで表したもの、単に濃度ともいう

質量パーセント濃度(%)を求める式=溶質/溶液×100=溶質/溶質+溶媒×100
濃度
計算をする際、先に溶質×100をしてから溶液全体でわると計算間違いが減る






3、飽和・飽和水溶液・溶解度・ろ過・再結晶
飽和(ほうわ)…もうそれ以上とけなくなった状態

飽和水溶液…飽和に達した水溶液

溶解度(ようかいど)…ある温度で水100gにとける溶質の質量
・溶解度は物質によって決まっている
・固体の溶解度はふつう温度が高いほど大きい(気体はふつう温度が低いほどよくとける)

ろ過ろ紙などを使って水にとけない固体を液体と分離すること
ろ過










結晶…純粋な物質は固体のときその物質に特有の規則正しい形をしている(例:塩化ナトリウムの結晶は立方体)

再結晶…液体にとけた物質を結晶の形で液体から取り出す操作
・溶解度の差を利用して液体を冷却して結晶を取り出す方法と、加熱して溶媒を蒸発させて固体の結晶を取り出す方法がある


4、状態変化
状態…理科では、物質の3つの形態である固体液体気体のことを状態という

状態変化…加熱や冷却によって物質が固体⇔液体⇔気体と変化すること
・二酸化炭素(固体はドライアイス)やナフタレンは固体⇔気体と変化する(昇華という)

状態変化と体積・質量…状態が変化すると物質の体積は変化するが質量は変化しない

物質の体積…固体<液体<気体
は例外で、固体(氷は水の1.1倍)>液体<気体(水蒸気は水の1700倍)

固体…粒子が規則正しく並んでいる
液体…粒子の間隔が固体より広く、粒子は位置を変えることができる
気体…粒子の間隔が最大で、粒子は自由に動く


融点と沸点
融点固体がとけて液体になるときの温度、物質によって決まっている

沸点液体が沸とうして気体になるときの温度、物質によって決まっている
・液体が内部から気化することを沸とう、表面から気化することを蒸発という

融点0°C沸点100°C


5、物質の分離

純物質…1種類の物質だけでできているもの
例:酸素・水・エタノール・塩化ナトリウム
混合物…2種類以上の物質が混ざっているもの
例:空気・塩化ナトリウム水溶液・ろう

純物質の融点・沸点…一定でグラフに水平部分がある
混合物の融点・沸点…決まった融点・沸点がないのでグラフに水平な部分がない

蒸留…液体の混合物の沸点の違いを利用して物質を分離する方法
蒸留
・水(沸点100°C)とエタノール(沸点78°C)の混合物を加熱すると、まず80°C付近でエタノールを多くふくんだ気体が出てきて、次に100°C付近で水を多くふくんだ気体が出てくる








石油の蒸留…石油精製工場の石油蒸留塔で、沸点の低いものから液化石油ガス→粗製ガソリン→灯油→軽油→重油の順に分ける




理科の全目次はこちら
理科 分野別学習目次



このエントリーをはてなブックマークに追加

気体の章が一目で理解できるように、重要事項を最もわかりやすくまとめました。

1、おもな気体
酸素…空気の21%、呼吸で使われる、ものを燃やす

二酸化炭素…空気の0.04%、呼吸でできる、有機物を燃やすと発生する、水溶液が炭酸水

窒素…空気の78%

水素…燃えるとになる、最も軽い気体

アンモニア…水溶液がアンモニア水

塩化水素…水溶液が塩酸

塩素…漂白剤の原料、水の消毒に使われる


2、気体の発生方法
実験器具1酸素の発生二酸化マンガンにうすい過酸化水素水(オキシドール)を加える
過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤の原料)に60°の湯を加える

二酸化炭素の発生石灰石にうすい塩酸を加える
炭酸水素ナトリウム(重そう)にうすい酢酸を加える


集気びん

水素の発生亜鉛にうすい塩酸を加える

アンモニアの発生塩化アンモニウム水酸化カルシウムを混ぜたものを加熱する
・アンモニア水を加熱する


3、気体の集め方
水上置換法…水と置き換えて集めるので空気が混じらない、水にとけにくい気体の集め方
・酸素・水素・窒素・(二酸化炭素も少し水にとけるが水上置換法を使うことがある)

上方置換法…容器内の上のほうにある空気と置き換える、水にとけやすく空気より軽い気体の集め方
・アンモニア

下方置換法…容器内の下のほうにある空気と置き換える、水にとけやすく空気より重い気体の集め方
・二酸化炭素・塩素


4、気体の性質
…ほとんどの気体は無色塩素は黄緑色

におい…酸素・二酸化炭素・窒素・水素は無臭、アンモニア塩化水素塩素は特有の刺激臭

空気と比較したときの重さ…酸素・二酸化炭素・塩化水素・塩素は空気より重い、水素アンモニアは空気より軽い、窒素は空気より少し軽い

水へのとけ方…酸素・窒素・水素は水にとけにくい、アンモニア・塩化水素・塩素は水によくとける、二酸化炭素は水に少しとける

水溶液の酸性・中性・アルカリ性二酸化炭素塩化水素塩素の水溶液は酸性、アンモニアの水溶液はアルカリ性


5、おもな気体の特有の性質
酸素…ものを燃やす(助燃性)

二酸化炭素石灰水を白くにごらせる

窒素…他の物質と結びつきにくい

水素…物質の中で最も軽い、空気中で火をつけると爆発してができる

アンモニア…非常に水にとけやすいので噴水実験ができる、有毒
実験器具2










塩化水素…水溶液の塩酸は強い酸性、有毒

塩素…漂白作用・殺菌作用がある、有毒


6、知っておくとよいこと
空気の成分…窒素が約78%、酸素が約21%、アルゴンが約1%、二酸化炭素が約0.04%

気体のにおいの調べ方…水溶液の入った試験管の上を手で手前にあおぐようにしてにおいをかぐ

気体を集めるとき…最初に容器内の空気が出てくるので、それを捨てた後、気体を集める

酸素の発生と二酸化マンガン二酸化マンガンにうすい過酸化水素水を加えて酸素を発生させるとき、酸素は過酸化水素水の分解で発生し、二酸化マンガンは反応を促進するだけだから何度も使うことができる




理科の全目次はこちら
理科 分野別学習目次



このエントリーをはてなブックマークに追加

物質の分類・密度・ガスバーナー・てんびんの章が一目で理解できるように、重要事項を最もわかりやすくまとめました。

1、物体と物質
物体…道具や器具の全体をいうときの名前
(例)ビーカー、机、ノート
物質…物をつくっている材料の名前
(例)ガラス、木、紙


2、有機物と無機物
有機物炭素をふくみ燃えると二酸化炭素が発生する物質、水素もふくみ燃えるとも発生するものが多い、一酸化炭素や二酸化炭素は有機物にはふくめない
(例)砂糖、でんぷん、石油、プラスチック、紙、エタノール
無機物…有機物ではないもの
(例)塩化ナトリウム、金属(鉄・銅など)、ガラス、水

有機物と無機物の見分け方…もともと植物動物であったものは有機物


3、金属と非金属
金属…鉄や銅や銀など、金属光沢があり、電気を通し、たたくと広がり(展性)、延びる(延性)
(例)鉄・銅・銀以外に、アルミニウム・金・鉛・カルシウム・水銀など
非金属…金属以外のもの
(例)砂糖、ガラス、水など、炭素は電気を通すが非金属


4、密度
密度物質1cm3あたりの質量、物質の質量をその体積でわることで求められ、その物質が何であるかを決める手がかりになる

密度(g/cm3)を求める式=質量(g)/体積(cm3)

いろいろな物質の密度(単位はg/cm3)
(4°Cのとき)…1.00
エタノール…0.79
アルミニウム…2.70
鉄…7.87
銅…8.96
水銀…13.6

密度と水…密度が1g/cm3未満の物質は水に浮き、密度が1g/cm3より大きいものは水に沈む


5、ガスバーナー
ガスバーナー火をつけるときの順序…
ガス調節ねじ・空気調節ねじがしまっていることを確認する
元栓コックを開く
マッチを点火して筒先に近づける
ガス調節ねじを開く(反時計回りにまわす)
→ガス調節ねじを押さえたまま、空気調節ねじを反時計回りにまわし、青色三角形の炎になるように調節する

火を消すときの順序…点火のときとは逆の順序
空気調節ねじをしめる→ガス調節ねじをしめる→コック・元栓をしめる



6、上皿てんびん
上皿てんびん質量てんびんで測ることができる量、単位はgkg

てんびんの使い方…
水平な台の上に置く
→指針が左右に同じようにふれるように調節ねじで調節する
→質量を測る物体左の皿にのせる(右利きの人の場合)、一定量の薬品を測りとりたいときは分銅を左の皿にのせる
→質量の大きい分銅右の皿にのせ、右に傾いたらその分銅をはずしてそれより質量の小さい分銅に交換して右の皿にのせる
→左右の皿がつり合ったらそのときの目盛りをよみとる

薬品を測りとるとき…左右の皿に薬包紙をのせて測る




理科の全目次はこちら
理科 分野別学習目次

このエントリーをはてなブックマークに追加

岩石は熱や水によって表面からもろくなっていきます(風化)。もろくなった岩石は、水によって削られ(侵食)、水によって運ばれ(運搬)、最後に海底や湖底に積もります(堆積(たいせき))。

堆積が続いて、下にある堆積物が、上にのったものの重さで固められてできた岩石が堆積岩です。


堆積岩は6種類

侵食、運搬されてきた(れき:小石のこと)・粘土は、粒の大きいものほど先に沈むので、河口から近い順に、礫(れき)、砂、粘土の順に堆積し、礫岩(れき岩)(れきがん)・砂岩(さがん)・泥岩(でいがん)となります。

また、侵食、運搬によらないできかたをした堆積岩として、石灰岩チャート凝灰岩(ぎょうかいがん)があります。


礫岩(れき岩)・砂岩・泥岩

礫岩(れき岩)、砂岩、泥岩の分類は、堆積したものの粒の大きさによる分類です。
粒の直径が2mm以上の大きなものを礫岩(れき岩)、直径が2mm以下で1/16mm(教科書によっては0.06mmとするものもある)以上のものを砂岩、直径が1/16mm0.06mm)以下の小さなものを泥岩に分類します。

礫岩(れき岩)は砕石(さいせき)となり砂利道の砂利などに利用されます。
砂岩は、土木建築用の石材や砥石(といし)として利用されます。
泥岩は、書道で用いる硯(すずり)などに利用されます。


石灰岩・チャート・凝灰岩

侵食・運搬によらない、特殊なでき方をした堆積岩としては、石灰岩チャート凝灰岩があります。

生物の遺骸(遺がい)(いがい:骨や殻(から)のこと)や、海水中に溶けていた成分が堆積してできた岩石が石灰岩とチャートです。


石灰岩

「生物の遺がいや海水中に溶けていた成分」でできた岩石と習いますが、それだけではわかりにくい。

おもに、炭酸カルシウムでできた岩石が石灰岩です。

そして、石灰岩に含まれている炭酸カルシウムは何に由来するかというと、1つは、貝の貝がらサンゴウミユリ有孔虫です。
もう1つは、海水中に炭酸カルシウム自体が溶けており、それが蓄積して岩石になることがあります。

石灰岩は、塩酸をかけると二酸化炭素を発生します。

また、石灰岩はセメントの主成分でもあります。

石灰岩は水の侵食を受けやすく、鍾乳洞(しょうにゅうどう)を作るのも石灰岩です。


チャート

おもに二酸化ケイ素でできた岩石がチャートです。

そして、チャートを構成している「生物の遺がいや海水中に溶けていた成分」とは、海綿動物放散虫の殻や骨です。

二酸化ケイ素は鉱物のセキエイの主成分でもあり、チャートは非常にかたい岩石です。


凝灰岩

火山活動による火山噴出物火山れき火山灰軽石など。凝灰岩の主成分としては火山灰がほとんどです)が海面に降り、それが海底に堆積してできた岩石が凝灰岩です。

堆積岩の特徴として、侵食、運搬される間に粒の角(かど)がとれて丸みを帯びていることがあげられますが、凝灰岩は流水でできた堆積岩ではないので、組成している鉱物の結晶角張っています

また、火山活動によって火山灰は広範な地域に降り積もります。また、火山の活動は活発な時期とそうでない時期があります。
そのため、離れた場所にある地層を比較するとき、火山活動によってできた凝灰岩の層だけは同じ時期にできた層だと推定できるので、異なる地層を比較するときの判断材料として用いることができます(比較対照の鍵になるので「かぎ層」と呼ばれます。)


堆積岩の特徴

地表で見られるおもな岩石は火成岩堆積岩ですが、そのどちらであるかはルーペや顕微鏡で観察するとわかります。

火成岩は、マグマが冷えてもとの場所で固まった岩石なので、本来の鉱物がそのままの形で含まれています。
そして、鉱物の結晶はすべて角張っています。
したがって、ルーペや顕微鏡で観察したとき、火成岩を作っている鉱物は角張っているのが特徴です。

これに対して、堆積岩は、川などの流水によって侵食され、運搬されたあと、堆積してできた岩石です。
運搬される過程で、川底などを転がって海面まで到達しますが、その間にあちこちにぶつかって角がとれて丸みを帯びてしまいます。
したがって、ルーペや顕微鏡で観察したとき、堆積岩を構成している粒は角がとれて丸みを帯びています(凝灰岩は例外です)。

また、化石を含んでいるのも堆積岩だけです(マグマが冷えてできた火成岩に化石が含まれることはない)。
ただし、堆積岩の中でも凝灰岩だけは、そのでき方から、化石を含む可能性のきわめて小さいことが推測できます。


理科の全目次はこちら
理科 分野別学習目次


このエントリーをはてなブックマークに追加

地震とゆれの伝わり方

地下の実際に地震が起こった場所を震源、その真上の地表の点を震央といいます。

震源では2つの性質の違う波が発生し、まわりに伝わっていきます。
伝わる速さの速いほうの波をP波といい、P波によって起こる小さなゆれを初期微動といいます。
伝わる速さの遅いほうの波をS波といい、S波によって起こる大きなゆれが主要動です。


ゆれの伝わる速さ

地震のゆれを起こすP波とS波の速さは、速さですから、距離/時間(距離(km)÷時間(秒))で求めることができます。


初期微動継続時間

速いP波がきてから遅いS波がくるまでの時間(初期微動が始まってから主要動が始まるまでの時間)を初期微動継続時間といい、初期微動継続時間は震源からの距離比例します。


以上が、今日の問題を解く際の予備知識です。

では、塾生から質問を受けた問題を取り上げて考えてみましょう。


例題1:表は、ある地震の初期微動と主要動の観測結果である。

地震の表



次の問いに答えよ。

(1)この地震のP波の速さを求めよ。
(2)この地震のS波の速さを求めよ。
(3)この地震が発生した時刻はいつか。



ヒント:速さ=距離÷時間の式がヒント。速さ=距離÷時間の式にあてはまる数値を探せばよい

解答
(1)この地震のP波の速さを求めよ。

初期微動を起こした波がP波です。

表の2地点間の距離は200-80=120km、また、2地点間の初期微動の始まった時刻の差は5:23:35-5:23:20=15秒です。

120kmの距離を進むのに15秒かかったわけですから、速さ=距離÷時間の公式より、
120÷15=8km/秒


(2)この地震のS波の速さを求めよ。

主要動を起こした波がS波ですから、主要動の始まった時刻から(1)と同じように求められます。

距離の違いは120km。
主要動の始まった時刻の差は5:24:00-5:23:30=30秒。

よって120÷30=4km/秒


(3)この地震が発生した時刻はいつか。

今度は時間を求めたらよいので、時間=距離÷速さの式を使います。

80km離れた地点ですと、P波の速さ8km/秒より、P波が届くまでの時間は80÷8=10秒。

初期微動が始まった時刻(=P波が到着した時刻)は、5:23:20。
地震が発生してから10秒たって届いたのが5:23:20だから、地震の発生時刻は5:23:20の10秒前の5時23分10秒。

80kmの地点の主要動の時刻を使って問題を解くと、S波の速さが4km/秒だから80÷4=20秒。
5:23:30の20秒前だから、5時23分10秒。

200kmの地点でも、同じように求めることができます。


例題2:図は、地震波の到着時刻と震源までの距離との関係を示したものである。
震源からの距離のグラフ






















(1)初期微動を起こす波のグラフはA、Bのどちらか。

(2)主要動を起こす波の伝わる速さを求めよ。

(3)この地震の発生時刻は何時何分何秒か。



解答
(1)初期微動を起こす波のグラフはA、Bのどちらか。
先に到着するほう、速いほうが初期微動を起こすP波ですから、AがP波、BがS波のグラフです。


(2)主要動を起こす波の伝わる速さを求めよ。
グラフの問題なので、きりのよい罫線の交点の数値を使います。
例題1と同様、速さ=距離÷時間がヒントです。

S波のグラフで、きりのよい交点2ヶ所を探すと、13:31:20に200km、13:32:10に400kmの地点を通っています。

距離400km-200km=200kmを、時間の差13:32:10-13:31:20=50秒でわればよいことがわかります。

200÷50=4km/秒です。


(3)この地震の発生時刻は何時何分何秒か。

例題1のように、きちんと計算で求めることもできます。

S波のグラフを見ると、200kmのところを13:31:20に通っています。
S波の速さは4km/秒でした。
時間=距離÷速さより、200÷4=50秒。
地震の発生時刻は13:31:20より50秒前、つまり13:30:30です。

もっと簡便な方法もあります。
グラフを延長してみればよいのです。

震源からの距離のグラフ(2)
左図を見たらわかるように、P波のグラフとS波のグラフは距離0のところで交わります。
その時刻を読みとれば、そこが地震の発生時刻です。

地震の発生時刻が13時30分30秒であることがグラフからもわかります。











理科の全目次はこちら
理科 分野別学習目次


このエントリーをはてなブックマークに追加

各単元には、ここではこれが一番大事でこれさえ覚えておけばよいといえるものがあります。
火成岩の単元だと、それは火成岩と造岩鉱物の表なのに、最近はそれが記載されていないテキストがほとんどです。

火成岩の表
マグマが冷えて固まった岩石が火成岩です。
火成岩は、地表近くで急に冷えて固まった火山岩と、地下深くでゆっくり冷えて固まった深成岩に分かれます。

物質は、ゆっくりと時間をかけて固まるほど大きい結晶ができます。
だから、火山岩は小さい結晶(斑晶)が石基の中に散らばってしか見えない斑状組織と呼ばれるつくりになり(「斑」は斑点(ちらばった点)の斑という意味です)、深成岩は大きな結晶の集まった等粒状組織といわれるつくりになります。

火山岩の代表的なものが流紋岩安山岩玄武岩で、深成岩には花こう岩閃緑岩ハンレイ岩があります。
石垣に使われている石は安山岩が多く、また玄武岩は地球上の岩石の中の比率が一番大きい岩石であり、花こう岩は墓石の石材です。そうと知らずに目にしていることが多いかもしれません。

火山岩も深成岩も、鉱物造岩鉱物)が集まって石になったものです。
鉱物は、溶けたマグマの状態では混ざり合っていますが、冷えて岩石になると同じ種類の鉱物が集まって結晶をつくります。
火成岩を構成している鉱物としては石英長石黒雲母角閃石輝石カンラン石があります。

石英は透明でガラス状の鉱物で、不規則に割れます。長石は白色で規則正しい割れ方をします。この2つは、二酸化ケイ素ケイ酸)を多くふくんでいるので白っぽく無色鉱物といわれます。
黒雲母角閃石輝石カンラン石は二酸化ケイ素の含有量が少なく、黒に近い色をした有色鉱物です。


以上、知識として知っておかないといけないことを長々と書きましたが、ここで述火成岩の表べたことは、最初に掲載した表を頭に入れておけばすべてわかります。

逆に、この表が頭に入っていないと解けない問題もあります。

例えば、次のような問題です。


例題:顕微鏡で岩石を観察すると、岩石Aは鉱物a(無色透明で不規則な割れ方をする)、鉱物b(白色で規則正しい割れ方をする)、鉱物c(黒色で薄くはがれる)の大きな結晶が見られた。岩石Bは鉱物a、b、cをふくんでいるが結晶は小さく点在していた。岩石A、Bはそれぞれ何という岩石か。


表が頭に入っていたら、鉱物a(石英)、鉱物b(長石)、鉱物c(黒雲母)でできていて大きい結晶をもつ等粒状組織の深成岩である岩石Aは花こう岩、鉱物a、b、cでできている斑状組織の火山岩である岩石Bは流紋岩だとすぐにわかります。

また、よく出る問題である「どの火成岩にもふくまれている鉱物は何か」という問いにも、すぐに長石と答えることができます。

この表は、頭にいれておくべきです。


最後に、表の覚え方です。

私はどうも語呂合せで覚えるやり方はあまり好きではありません(語呂合せを覚える暇があったらさっさとお経のように唱えて暗記してしまえ派です)。

左から、流紋岩・安山岩・玄武岩、花こう岩・閃緑岩・ハンレイ岩、鉱物も左から石英・長石・黒雲母・角閃石・輝石・カンラン石と声に出して覚えたほうがよいと思います(中学校で覚えたのが今でも口をついて出ますから、忘れにくいことも保証します)。


自分で表を書けるようにしておくとさらにベターです。
造岩鉱物の表
やや不正確ですが、左の真ん中から上の真ん中へ線をひいて石英、左から右の真ん中へ線をひいて長石、3分割の左下の真ん中から長石の下の線の真ん中へ線をひいて黒雲母、・・・というふうに真ん中、真ん中と線をひくと、覚えにくい鉱物の部分も簡単に書けてしまいます。






理科の全目次はこちら
理科 分野別学習目次


このエントリーをはてなブックマークに追加

火山・火成岩・地震が一目で理解できるように、重要事項を最もわかりやすく、覚えやすいかたちでまとめました。

1、マグマ

火山…地下のマグマが噴出して山になったもの

マグマ…地下の岩石が高温でとけてどろどろの液体状になったもの
海洋プレートの上部の岩石がとけてマグマになり、マグマだまりにたくわえられた後、地上に噴出する
・マグマが地表に噴き出したものを火山噴出物という

火山噴出物…火山の噴出によって、マグマが地表に噴き出したもの
溶岩…マグマが地表に流れ出したもの
火山弾…マグマが空中で冷えて固まったもののうち大きいもの
火山れき…マグマが冷えて小石状になったもの
火山灰…マグマが冷えて直径2mm以下の粒状になったもの
火山ガス…火山から出てくる気体(おもに水蒸気二酸化炭素二酸化硫黄を含む)
軽石…火山噴出物に含まれる気体成分が抜けて、多くの小さな穴があいた石になったもの


2、火山の形と噴火のようす

マグマに含まれる成分(ケイ酸塩)の違いで、色・ねばりけ・噴火の仕方・火山の形が違ってくる
っぽいマグマは、ねばりけが大きく、激しく噴火し、盛り上がった火山となる
っぽいマグマは、ねばりけが小さく、おだやかに噴火し、平らな火山となる

火山の3分類
溶岩ドームドーム状の火山)…マグマのねばりけが大きく、激しく噴火して、盛り上がった火山
(例)有珠山(うすざん)、雲仙普賢岳(うんぜんふげんだけ)、昭和新山平成新山
成層火山円錐状の火山)…ねばりけ、噴火、盛り上がり方が中程度の火山、溶岩火山灰が交互に層をつくる
(例)富士山桜島浅間山
盾(たて)状火山傾斜がゆるやかな火山)…マグマのねばりけが小さく、おだやかに噴火して、平らな形になった火山
(例)ハワイのマウナロアキラウエア

火山プレート海溝
プレートとプレートが出会う場所で、深い海底になったところを海溝(かいこう)といい、火山は海溝にそって帯状に分布している


3、火成岩

マグマからできた岩石そのもの玄武岩安山岩流紋岩斑れい岩せん緑岩花こう岩)と、岩石を作っている鉱物(小さな粒)セキエイチョウ石クロウンモカクセン石キ石カンラン石)を覚える

火成岩マグマが冷えて岩石になったもの、火山岩深成岩に分かれる
火山岩…マグマが、地表または地表近くで急に冷えて固まったもの
色が黒い順に、玄武岩安山岩流紋岩
深成岩…マグマが、地下深くでゆっくり冷えて固まったもの
色が黒い順に、斑れい岩せん緑岩花こう岩

火山岩と深成岩のちがい
火山岩…急に冷えたので、火山岩をつくっている鉱物の結晶が小さい(斑状組織
結晶の部分(斑晶)と、結晶になれなかった部分(石基)でできている
・深成岩…ゆっくり冷えたので、深成岩を作っている鉱物の結晶が大きい(等粒状組織

火成岩を作っている鉱物
火成岩(火山岩と深成岩)は、6種類鉱物(セキエイチョウ石クロウンモカクセン石キ石カンラン石)でできている
無色鉱物(無色・白色)…セキエイチョウ石
有色鉱物(黒色・緑がかった黒色)…クロウンモカクセン石キ石カンラン石
セキエイ…無色で不規則に割れる
長石…白色で決まった方向に割れる
クロウンモ…黒色でうすくはがれる

火成岩







4、地震とゆれ

地震で2つのが発生し、2つの波によって2種類のゆれが、震源から同心円状に広がっていく

震源と震央
震源…地下の、実際に地震が起こった場所
震央…地表の、震源の真上の地点

地震で発生する波
地震が起こると、2種類の波が周辺に伝わっていく
P波…縦波、速い6~8km/s
S波…横波、遅い3~5km/s

地震で起こるゆれ
地震計…動かないおもりと針が、回転する記録用紙に地震のゆれを記録する
初期微動…初めにくる小さなゆれ、P波によっておこる
主要動…後にくる大きなゆれ、S波によっておこる

初期微動継続時間
初期微動継続時間初期微動が始まってから主要動が始まるまでの時間(P波が来てからS波が来るまでの時間)
初期微動継続時間は、震源からの距離にほぼ比例する(震源から遠いほど初期微動継続時間が長い)

初期微動継続時間















P波、S波の、速さを求める問題
地震の波の速さkm/s)は、距離km÷時間s(秒)で求められる
(例)震源から135km離れたA地点で初期微動が始まった時刻が15時47分14秒、震源から196km離れたB地点で初期微動が始まった時刻が15時47分23秒だとすると、P波の速さは…
(196km-135km)÷(23秒-14秒)=61÷9=6.77…で、6.8km/s


5、震度・マグニチュードと地震による被害

震度とマグニチュード
震度観測地点での地震によるゆれ強さを表す
震度は10階級(震度0・1・2・3・4・5弱・5強・6弱・6強・7
震央に近いほど、ふつう震度は大きくなる(地盤の強さによっても違う)
マグニチュード…起こった地震そのものの規模の大きさを表す
マグニチュードの数値が1違うと、地震のエネルギーは32倍違う

地震がもたらすもの
・地震による被害として、津波・液状化・建物の倒壊・火災・山崩れ・地割れ
断層(過去の地震でできて将来もずれる可能性のある断層を活断層という)・土地の隆起沈降


6、地震が起こる場所と原因

プレート・海嶺・海溝
プレート…地球の表面をおおっている、10数枚の、厚さ100kmほどの岩石の層
海嶺(かいれい)…海底にある大山脈、プレート海嶺で生まれて海底を移動し、海溝に沈む
海溝(かいこう)…大陸側プレートの下に海洋側プレートが沈んでいき、深くなった部分

地震が起こる原因と場所
太平洋側のプレートが大陸側のプレートの下に少しずつ沈んでいく
→大陸側のプレートは接触面で下に引きずりこまれていく
→ゆがみに耐えられなくなった大陸側のプレートが、接触面で急激に隆起して元にもどる(このとき地震が起こる)

・震源は帯状に分布、太平洋側の海溝にそっているものが多い
・震源は、太平洋側の海溝付近では浅く、日本海側で大陸に近づくほど深くなる
・プレートの境界でマグマができるので、震源の分布と火山の分布はほぼ重なる

・内陸型地震…プレートの移動に刺激されておこる、プレート内部の破壊や活断層による地震(震源が浅い)



理科の全目次はこちら
理科 分野別学習目次

このエントリーをはてなブックマークに追加

中1が理科で最初に習う単元『植物』は、教える方も習う方もどちらかというと気楽な単元です。すべて子どもたちに身近なものが題材で、難しい公式類も出てこないからです。

私のただ一つの不満は新しい教科書の配列です。
花、葉と光合成、根、茎の順に学び、最後に植物の分類を習います。
最後の「植物のなかま分け」で、双子葉類と単子葉類の区別が出てくるのですが、葉で葉脈、根で主根・側根とひげ根、茎で維管束の並び方を習った後でもう一度まとめることになります。毎年、子どもたちから「先に双子葉類・単子葉類の違いを教えてくれてたら、苦労しなくてすんだのに」という苦情が出ます。私もそう思います。
ばらばらのものを個別に覚えるより、複雑ではあっても関連するものをまとめて覚える」ほうが、ずっと覚えやすく、効率がよいことを、子どもたちは知っているのです。

今日は、「植物のなかま分け」をテーマに、ものごとを覚えるコツについて書いてみます。

植物の分類

まず、大きく植物の分類からです。
植物はソウ類コケ植物シダ植物種子植物に分類できます。
生活する場所によって、水中のソウ類と、陸上のコケ植物・シダ植物・種子植物に分かれます。
次に、根・茎・葉の区別がないソウ類・コケ植物と、根・茎・葉の区別のあるシダ植物・種子植物とになかま分けできます。
最後に、胞子で増えるソウ類・コケ植物・シダ植物と、種子で増える種子植物とにグループ分けされます。

覚え方ですが、「なぜかを常に考えながら覚える」と、苦労せずに覚えられますし、忘れません。

植物の場合(動物も)、「なぜか」にあたるものは、植物の発達の歴史、いわゆる「進化」の過程です。

地球には最初、海しかなかったことから、まずソウ類が生まれたことがわかります。陸地ができ、陸地のほうが圧倒的に呼吸しやすいので、陸地の植物であるコケ植物・シダ植物・種子植物が表れます。
すべてのものは、単純なものから複雑なものへ進化します。根・茎・葉といった器官の未分化なソウ類・コケ植物から根・茎・葉の分業化が進んだシダ植物・種子植物に進みます。
最後に、生物の究極の生存理由は、子孫を残し、種を絶やさないことです。発芽の不確実な胞子で増えるソウ類・コケ植物・シダ植物より、種子で増える種子植物のほうが発展形態だと推測できます。

種子植物の分類

次に種子植物の分類です。
種子植物は、裸子植物被子植物に分かれます。

胚珠しか持たない裸子植物より、胚珠子房に包まれた被子植物のほうが進化した形態です。植物にとって大事なのは、子孫を残すための種子になる胚珠ですが、胚珠がむきだしの裸子植物は受精が風まかせで不確実です(風媒花)。受精後果実になる子房が胚珠を包んでいる被子植物は、虫や鳥の助けをかりることで種子が発芽する可能性が高まります(虫媒花)。

テストでは、ある植物が裸子植物か被子植物かが問われます。
ある植物がどちらであるか、一つずつ覚えられるはずがありません。この場合、ものを覚えるときは「数の少ないほうを確実に覚える」という技を使うべきです。
私は、裸子植物として、マツ、スギ、イチョウ、ソテツ、ヒノキ以外が出題されているものを見たことがありません。被子植物は、数が多すぎて羅列できません。だから、この裸子植物の5つさえ覚えておけば、問題が解けるということになります。

さあ、裸子植物5つの覚え方です。
こんなとき、一つの方法として、頭文字を覚える方法があります。例えば、ス・イ・ソ・ヒ・マ(水素ひま)、スギ・イチョウ・ソテツ・ヒノキ・マツ、なんてのはありそうです。
が、私はこういった語呂合わせがどうも好きになれません。「水素ひま」なんてのを覚えるひまがあったら、何も遠回りしないでさっさとそのまま覚えた方がよいと思うのです。
というわけで、私は「お経のように唱えて覚える」派です。マツ、スギ、イチョウ、ソテツ、ヒノキをこのまま何回か口で唱えて覚えます。
実は、この、マツ、スギ、イチョウ、ソテツ、ヒノキの配列は、ある工夫がされています。マツゥのウの口でスギィ、イの口でイチョウォ、オの口でソテツ、最後におまけのヒノキと、お経として唱えやすい配列で並べてあります。
すぐに覚えられますから試してみてください。

被子植物の分類

最後に、被子植物はさらに双子葉類単子葉類に分かれます。
双子葉類は、子葉が2枚、根は主根・側根、茎は維管束(道管・師管)が輪に並んでおり、葉の葉脈は網状脈です。
これに対して単子葉類は、子葉は1枚、根はひげ根、茎の維管束(道管・師管)は不規則、葉脈は平行脈です。

実は、今日この稿を書こうと思ったきっかけは、私のブログを見に来た人の検索語として、「双子葉類 覚え方」とか、「単子葉類 覚え方」という言葉がよくあることに気づいたからです。意外でした。無理して覚えなくても自然に頭に入っているだろうと思っていました。私は大人で、あらかじめ知っているから覚えようとしなくてよいだけで、初めて習う人にとってはそうでもないということを、教える立場の人間はついつい忘れがちです。反省しました。

というわけで、双子葉類、単子葉類の覚え方です。

最初の決め手は漢字です。「漢字を見たら答えがわかる」。日本語は意味をもつ表意文字、漢字を使ってくれているから、活用しない手はありません。
単子葉類は「単」の子葉をもった類、「単」は「単一」の「単」、つまり子葉が1枚ということです。双子葉類の「双」は「双子(ふたご)」の「双」、子葉は2枚です。

2つ目の覚えるためのカギ、「なぜか」は、「進化」です。生物は、単純なものから複雑なものへと進化します。単子葉類が原始形態、双子葉類は進化形態です。
子葉が1枚と2枚、2枚のほうが複雑です。分化していないひげ根より、主根と側根と分かれているほうが複雑です。ばらばらの維管束より、規則正しく輪になっている維管束のほうが進化形です。網状脈と平行脈、どう見たって網状脈のほうが複雑でしょう。
だから、子葉が1枚、ひげ根、維管束が不規則、平行脈が単子葉類で、子葉が2枚、主根・側根、維管束が輪、網状脈が双子葉類ということになります。

最後に、では具体的な植物が単子葉類、双子葉類のどちらに分類されるのか。
例えば、エンドウ、ユリ、イネ、アサガオ、アブラナ、ススキ、ツユクサ、ツツジ、ヒマワリ、トウモロコシは単子葉類か双子葉類か。
一つ一つの植物がどちらなのか、すべての植物を覚えられるはずがありません。私も覚えてなんかいません。
でも、大丈夫です。「目に見えるもので答えがわかる」。発芽したばかりの子葉、地中の根、茎の断面、この3つを見るなんていう経験をほとんどの人はしていないでしょうが、葉だけはほとんどの人が見たことくらいあるはず。
葉を思い浮かべると、エンドウ、アサガオ、アブラナ、ツツジ、ヒマワリは網状脈であり、だから双子葉類、ユリ、イネ、ススキ、ツユクサ、トウモロコシは平行脈で単子葉類だとわかります。


ものの覚え方をまとめる

今日出てきた「ものを覚えるためのコツ」をまとめてみましょう。

(1)ばらばらのものを個別に覚えるより、複雑ではあっても関連するものをまとめて覚える
(2)なぜかを常に考えながら覚える
(3)数の少ないほうを確実に覚える
(4)お経のように唱えて覚える
(5)漢字を見たら答えがわかる
(6)目に見えるものを手がかりに答えをさぐる



理科の全目次はこちら
理科 分野別学習目次

このエントリーをはてなブックマークに追加

↑このページのトップヘ