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あるものを分けた(分配した)結果から、いろいろな数量を求める問題を分配算といいます。

共通点は、線分図をかいてから解くとわかりやすいということくらいで、(1)和差算に近いもの、(2)倍数算に近いもの、(3)相当算に近いものの3種類があり、1つの方法さえ使えば解けるというものではありません。


和差算に近い分配算(基本):
1700円のお金をA、B、Cの3人で分けるのに、AはBより250円多く、BはCより40円少なくなるように分けました。Aは何円受け取りましたか。


「問題が解けるかどうかは問題を解く前の準備で決まる」、分配算では、どうやって解くかを考えながら線分図をかくことができたら、ほぼ解けます。
「分配算が解けるかどうかは線分図で決まる」。

一番少ない人を基準に、他の人を表わすと1解きやすくなります。

合計金額の1700円からBの金額をはみ出た250円と40円をひくと同じ金額の部分3つができることがわかります。

(1700-250-40)÷3=470円・・・Bの金額

だから、Aの金額は470+250=720円


倍数算に近い分配算(基本):
兄と弟が2人でためた貯金が7800円になりました。これを2人で分けるとき、兄は弟の3倍より4600円少なくなるようにしました。2人の金額はそれぞれいくらですか。

「分配算が解けるかどうかは線分図で決まる」。

2
金額の少ない弟のほうを基準に線分図をかくと、もとの7800円に4600円を加えたものが弟の金額を1としたときの4倍になることがわかります。

(7800+4600)÷(1+3)=3100円・・・弟の金額

7800-3100=4700円・・・兄の金額


相当算に近い分配算(基本):
みかんが全部で150個あります。このみかんをAはBの2/5、CはAの2/3になるように分けると、Aは何個のみかんがもらえますか。

倍数算に近い分配算を複雑にした問題です。どの量を基準にしたらよいかを考えながら線分図をかきます。

3問題文でAだけが2回出てきますから、Aを基準にBとCの割合を求めます。

CはAの2/3」とあるので、Aを1とするとCは2/3です。

AはBの2/5」のほうは注意が必要です。
AがBの2/5ということは、Aを基準にすると「BはAの5/2」ということです。

以上より、みかんの総数の150個をAの割合の1とBの割合の5/2とCの割合の2/3の和でわると、1にあたるAのみかんの個数を求められることがわかります。

150÷(1+5/2+2/3)
=150÷(6/6+15/6+4/6)
=150÷25/6
=150×6/25
=36個・・・Aのみかんの個数


次の稿で、分配算の発展問題を取り上げます。


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ニュートン算についてまとめてみます。


ニュートン算とは

科学者ニュートンが考案した問題なのでニュートン算とよばれます。

ニュートン算の例:
牧場に牧草が500生えています。1頭の牛を放すと25日後にすべての牧草を食べてしまいます。2頭の牛だと10日で牧草は食べられてなくなります。毎日同じ量の牧草が生え、牛1頭が1日に食べる量も決まっているとして、次の問いに答えなさい。
(1)毎日どれだけの量の牧草が生えますか。
(2)牛を4頭放すと、何日で牧草はなくなりますか。


ニュートン算がむずかしいのは、毎日牛が牧草を食べて減るだけでなく、その間に牧草が生え続けるからです。

2つの数がからむのでむずかしいことを逆手(さかて)にとって、この2つのものを求めたらなんとかなるのではないかと発想を転換します。

1日に生える牧草の量を○、1日に1頭の牛が食べる量を□と決めてしまいます。

牧草が500生えていて、1頭の牛を放すと25日後にすべての牧草を食べてしまう。」ので、存在する牧草の量は500+○×25、牛が食べる牧草の量は□×25です。
式にすると、500+○×25=□×25・・・(a)

牧草が500生えていて、2頭の牛だと10日で牧草はなくなる。」ので、存在する牧草の量は500+○×10、牛が食べる牧草の量は□×2×10です。
式にすると、500+○×10=□×20・・・(b)

(a)の式と(b)の式をながめると、算数の鉄則『2つのものがあるときは、1つのものだけの式にすれば解ける』が頭にうかんできませんか。

消去算と同じ発想です。

1つのものを無視できるように、1つのものだけ数字をそろえます。

□が無視できるように□の前の数字をそろえます。
(a)の式のそれぞれの部分を4倍して、2000+○×100=□×100
(b)の式のそれぞれの部分を5倍して、2500+○×50=□×100

上の2つの式の右側が一緒になったので、左の式を比較します。
比較すると、2000+○×100と、2500+○×50とが等しいので、○の50個分が500だとわかります。
これで解決。
○×50=500だから、○=10

以上より、「毎日生える牧草の量」は10です。


これで(1)の答えは出ましたが、ついでに「牛1頭が1日に食べる牧草の量」を求めておきましょう。

500+○×25=□×25・・・(a)の式に○=10を当てはめて、500+10×25=□×25
500+250=□×25
750を25でわって、□=30

「牛1頭が1日に食べる牧草の量」は30です。


(2)牛を4頭放すと、何日で牧草はなくなりますか。

牛1頭が1日に食べる牧草の量は30だから、4頭だと1日に食べる量は30×4=120
1日に生える牧草の量は10だから、牛4頭で1日に120-10=110だけ、すでに生えている牧草を食べて減らすことができます。

500÷110=50/11

答えは50/11日後です。


相当算と同じ発想のこのやり方で他のニュートン算の問題も楽に解けるかどうか、試してみます。


例題1:ある商品の売り場に、発売開始のときに420人の行列ができていて、発売開始後も、毎分同じ割合で行列に加わる人がいます。売り場が1か所のときは2時間、2か所のときは40分で行列がなくなりました。1つの売り場では毎分同じ割合で商品が売れ、商品は1人に1個売るとします。
(1)1つの売り場では、1分あたり商品が何個売れますか。
(2)売り場を、はじめは2か所、とちゅうから1か所にしたら、発売開始から1時間で行列がなくなりました。売り場を2か所にして売った時間は何分ですか。


一方で行列に加わる人が増え続け、他方において最初から行列に並んでいる人と増えた人とを売り場の窓口で片づけていくので、ニュートン算です。

(1)
1分間に行列に加わる量を○人、1分間に売り場で売る量を□個とします。

売り場が1か所のときは2時間」で行列がなくなったとあります。
2時間は120分なので、この間に商品を買った人は、420+○×120
また、商品を売った量は□×120
これを式にして、
420+○×120=□×120・・・(ア)

売り場が2か所のときは40分」で行列がなくなりました。
この間に商品を買った人は420+○×40
商品を売った量は□×2×40
式にすると、
420+○×40=□×80・・・(イ)

(ア)と(イ)の式をながめて、どちらか一方の数字をそろえてやります。

□のほうの数字をそろえるとすると、120と80の公倍数である240にしたらよいので、(ア)の式は各数字を2倍して840+○×240=□×240
(イ)の式は各数字を3倍して、1260+○×120=□×240

式の右側が同じになったので左側も等しいから、
840+○×240=1260+○×120
左と右を比較すると、○の240-120=120個分が、1260-840=420にあたるから、420÷120=3.5

1分に加わる人の数は3.5人です。

この数字を(ア)の式にあてはめて、420+3.5×120=□×120
420+420=□×120だから、
□=840÷120=7

1つの売り場で1分あたりに売れる商品の個数は7個です。


(2)
売り場を、はじめは2か所、とちゅうから1か所にしたら、発売開始から1時間で行列がなくなりました。売り場を2か所にして売った時間は何分ですか。

最初は1つの売り場、そのあと2つの売り場で売って、あわせて1時間=60分で売れたことはわかっていますが、それぞれが何分ずつかはわからないので、つるかめ算です。
(よくある、2つの特殊算を組み合わせた問題です。)

つるかめ算なので、「もし片方だけだったら」と仮定して考えます。

もし、ずっと1か所のままだったら、1時間(=60分)で売る個数は、7個×60=420個

並んだ人の数は、最初の420+3.5×60分=630人

全体のちがいは630-420=210

2か所にかえたときの、1か所のときとの違いは7×2-7=7

全体のちがいをとりかえたちがいでわればよいから、
(420+3.5×60-7×60)÷(7×2-7)
=210÷7
=30

売り場を2か所にして売った時間は30分です。

どうやら、増え続ける量を□、減っていく量を○にして式を立てたら、なんとかなるようです。


次の問題だとどうでしょうか。

例題2:ある駅で改札を始める前に行列ができました。この行列の人数は、時間に対して一定の割合で増えています。1つの改札口を通る人数は行列の増えていく人数の3倍です。この改札口を1つあけて改札を始めたら、12分で行列がなくなりました。もし、改札口を3つあけていたら何分で行列はなくなりましたか。

1つの改札口を通る人数は行列の増えていく人数の3倍」とあるので、1分間に増えていく行列の人数を□にすると、1つの改札口を1分間に通る人数は○ではなくて□×3です。

そのかわりに、最初にできていた行列の人数がわからないので、それを○にします。

12分間に改札を通る人数の合計は、○+□×12=□×3×12
○+□×12=□×36となり、式の左側と右側の比較から、○=□×24だということがわかります。

改札口を3つにすると、1分間で□×3×3=□×9、改札口を通すことができます。
行列に1分間に加わる人数は□、改札口を3つにしたとき改札口を通過する人数は□×9ですから、その差は□×8。
最初の行列の人数が□×24であり、それを1分の□×8でわればよいので、24÷8=3
3分で行列はなくなります。


どんなニュートン算でも解ける方法として、□と○を使う方法は効果がありそうです。

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文章問題を解くとき、最初に大きく全体を考えてから解く方法と、逆に、まず小さい単位を求めておいてそこから求める方法との、2通りがあります。

仕事算の例

「Aだと10日、Bだと15日で終わる仕事があります。AとB、2人で仕事をすると何日で終わりますか。」

大きい全体から求める方法

計算しやすいように、まず、仕事の量の全体を10と15の公倍数の30と決めてしまいます。
Aが1日にする仕事の量は30÷10=3
Bが1日にする仕事の量は30÷15=2
2人ですると1日の量は3+2=5
全体が30だから、30÷5=6日

小さい部分から求める方法

10日で終わるということは、Aの1日の仕事量は全体を1としたときの1/10
15日で終わるということは、Bの1日の仕事量は全体を1としたときの1/15
2人ですると1日の量は1/10+1/15=3/30+2/30=5/30=1/6
全体が1だから、1÷(1/6)=1×6=6日


同じような発想で、大きいほうから求めるのがのべ算、小さい部分から解き始めるのが帰一算です。

例題1:
6人で毎日8時間働くと10日間で仕上がる仕事を、8人で毎日6時間ずつ3日間働いたあと、残りを5人で8日間に仕上げるには、1日1人何時間働くことになりますか。


のべ算で解く

6人で毎日8時間働くと10日間で仕上がる仕事」の量の全体は、6×8×10=480
8人で毎日6時間ずつ3日間働いた」ときにした仕事の量は、8×6×3=144
残りの仕事の量は、480-144=336
この仕事を5人で8日間で仕上げるから、336÷(5×8)=8.4時間

帰一算で解く

6人で毎日8時間働くと10日間で仕上がる仕事」だと、1人が1日に1時間でする仕事の量は、全体を1とすると1÷(6×8×10)=1/480
8人で毎日6時間ずつ3日間働いた」から、(1/480)×(8×6×3)=144/480
残りの仕事は、1-144/480=336/480
これを5人で8日間仕上げるから、336/480÷(1/480×5×8)=(336/480)÷(40/480)=(336/480)×(480/40)=42/5時間
1











普通は、のべ算で解くほうが、考えるときに整数でわかりやすいし、計算も簡単なようです。


次の問題ものべ算です。

例題2:
5人がハイキングに出かけるので電車に乗ったところ、2人分の席しかあいていませんでした。目的地までの乗車時間は1時間10分です。
5人が交代で同じ時間ずつすわることにすると、1人何分すわることができますか。


1時間10分すわれる席が2つあるので、すわることのできる時間数は1時間10分(=70分)×2=140分
これに5人がすわるので、140÷5=28分


次は、少し複雑ですが、のべ算自体、そうむずかしい問題はありません。

例題3:
ある仕事を1人ですると、1日8時間働いて50日かかります。何人かで毎日6時間ずつ10日間働きましたが、全体の45%しかできませんでした。

(1)ここまで、何人で仕事をしてきましたか。

全体の仕事の量は、1×8×50=400
その45%は、400×0.45=180
その仕事を6時間ずつ10日でしたのだから、180÷(6×10)=3人


(2)このあと、同じ人数で毎日8時間ずつ何日間か働き続けたら、全体の75%まできました。あと、何日働いたのですか。

45%のあと75%まで仕事をしたから、した仕事の量は30%
400×0.3=120
同じ3人の人数で毎日8時間働いたから、120÷(3×8)=5日


(3)あと2日間、毎日8時間働いて仕事を完成させるためには、人数を少なくとも何人ふやせばよいでしょうか。


残った仕事は1-0.75=0.25
残った仕事の量は、仕事全体が400だから400×0.25=100
100の仕事を2日間、8時間ずつするので、必要な人数は100÷(2×8)=6.25人
今3人なので、6.25-3=3.25人
人数なので小数はおかしいから、3.25→少なくとも4人


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「問題文の最後から順に前にもどって解く」のが還元算です。

相当算の1種ですが、「あとから前にもどって解く」のが特徴です。

1、問題文にそって、解きやすいように工夫して図をかく。
2、気がつけば簡単になるヒントが問題文の最後にあるのでそれを見つける。

この2つで還元算は解けます。


基本問題:
みかんをA、B、Cの3人で分けました。はじめAは全体の25%と5個をとり、次にBは残りの6割より6個少なくとり、最後にCは残りの50%と8個をとったら、9個残りました。はじめみかんは何個ありましたか。


基本125%→0.25や6割→0.6などの割合と、5個、6個、8個などの実際の数量とが見た目で区別できるような図をかきます。
割合のほうを丸で囲むなどしたら区別しやすくなります。

問題文の最後、「最後にCは残りの50%と8個をとったら、9個残りました。」に、簡単になるヒントが隠されているのでそこに注目します。

「残りの50%と8個をとったら、9個残った」ということは、「8個と9個が、50%とったあとの残りの50%だった」ということです。
それにさえ気づけば簡単に解くことができます。

8個と9個の和の17個が「残りの50%」ですから、Bがとったあと残っていたのは17÷0.5=34個です(半分の50%が17個だからBがとったあと残っていたのは17×2=34個と考えてもかまいません)。

基本2次に、「Bは残りの6割より6個少なくとり」の部分を同じように考えます。

Bがあと6個とったら、そこがAが採ったあと残ったものの6割だったわけです。ということは、34個から6個ひいたものが、Aがとったあとの残りの4割です。
(34-6)÷0.4=70個。
これが最初にAがとったあとの残りです。
基本3最後に、「Aは全体の25%と5個」だったので、70個に5個を加えた75個が、最初のみかんの75%だとわかります。
最初にあったみかんは、75÷0.75=100個。
答えは100個です。

このように、問題文の最後の部分にかくされているヒントに気づけば、そこから前の段階へ、前の段階へと順にもどることで案外簡単に解けてしまうのが還元算です。


例題1:
A君は通学に、いつも自転車、電車、バスを利用し、残りは歩きます。その割合は、全通学時間の1/5と3分間は自転車で、残りの時間の2/7と15分間は電車で、あとの1/4と10分間はバスで、最後の5分間は歩きます。A君が午前7時に家を出ると、学校には午前何時何分に着きますか。


まず、丁寧に図をかきます。
1の1




問題文最後の、バスと歩いた部分に大きなヒントが隠れていますからしっかりとながめて考えます。
最後に残った部分の1/4と10分バスに乗ると、あるいた部分が5分であったということは、10分+5分=15分が3/4だったということです。

15÷3/4=15×4/3=20分。

1の2次に、電車が2/7と15分間だったので、20分+15分=35分が1-2/7=5/7だったわけです。
35÷5/7=35×7/5=49分。

1の3最後に、「全通学時間の1/5と3分間は自転車」から、自転車以外の49分に3分を加えた52分が全体の4/5とわかります。
(49+3)÷4/5=52×5/4=65分。
通学にかかる時間の全体は65分です。

午前7時に家を出ると、学校には午前何時何分に着きますか」とあるので、答えは午前8時5分。


次に、やや難しい問題をながめてみましょう。

例題2:
ある本を、1日目に全体の半分より10ページ多く読み、2日目に残りの1/3より20ページ多く読みましたが、まだ、全体の1/7残っていました。
この本は全体で何ページありますか。


2の1還元算は相当算の1種ですが、問題の最後にヒントがあり、ヒントに気づけばそこから逆にたどることで解ける問題群です。

ところがこの問題では、最後に残った1/7は割合なので、今までの問題のようにヒントにはなりません。

図をながめると、2日目の「残りの1/3」だけが「全体」をもとにした割合ではなくて「残り」に対する割合であることに気づきます。
そこで、相当算のコツである、「基準にする量を1つに統一する」を使います。「残り」に対する割合ではなくて、「全体」に対する割合に統一します。

残りの1/3」とありますが、1日目に読んだあとに残っているのは「全体の1/2-10ページ」ですから、「残りの1/3」とは「全体の1/2-10ページ」の1/3だということです。
分配総則を使って「全体の1/2-10ページ」×1/3を計算すると、1/2×1/3-10×1/3=1/6-10/3ページ。

2の2これで、数量の(10-10/3+20)ページが、全体の(1-1/2-1/6-1/7)にあたる割合であることを見つけることができました。

(10-10/3+20)÷(1-1/2-1/6-1/7)=80/3÷8/42=80/3×42/8=140ページ。
本のページ数は140ページです。

この問題などは、還元算というよりは純粋な相当算ととらえたほうがよいのかもしれません。


次のような問題も還元算なので、あとの結果から順に前にもどって考えます。

例題3:
バスが何人かの乗客を乗せて出発しました。最初の停留所で乗客の1/3が降りて5人が乗りました。2番目の停留所で乗客の1/5が降りて4人が乗りました。3番目の停留所では乗客の1/2が降りて3人が乗りました。終点で乗客15人全員が降りました。出発したとき、乗客は何人でしたか。


やはり、あとの結果のほうから図をかいていくのがポイントです。

3の13番目の停留所で、乗客の1/2が降りて3人乗り、それが15人だったので、15-3=12人が1/2、つまり、3番目の停留所に着く前のバスの乗客は、(15-3)÷1/2=24人です。






1つ前にもどります。
2番目の停留所では乗客の1/5が降りて4人乗り、乗客数は24人でした。
3の2
24人-4人=20人が4/5にあたるので、2番目の停留所で降りる前の乗客の数は、(24-4)÷4/5=25人です。







さらにもどります。
最初の停留所で、乗客の1/3が降りて5人が乗り、乗客数は25人でした。
3の3
25人-5人=20人が最初に乗っていた乗客の2/3にあたるので、最初の乗客は(25-5)÷2/3=30人です。











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「ある量が、どれだけの割合に相当するか」を考える問題が相当算です。

1、考えるために図(線分図)をかく。
2、ある量をその割合でわると、「もとの量」、「全体の量」、「1にあたる量」を求められる。

だいたい、以上の2つを組み合わせると解くことができます。

基本問題:
Aは2日で1冊の本を読み終わりました。昨日は全体の2/5より27ページ多く読みました。今日は全体の1/3より3ページ少なく読みました。今日読んだのは何ページですか。


図をかきます。
相当算1図をかくときに、自分が考える助けになるように、自分なりのルールを作っておくべきです。

私は、実際の数字(この問題ではページ数)はそのままで、割合に当たる数字は丸で囲むように指導しています。
2種類の数字を目に見える形で区別するだけでだいぶ違ってきます。

図を見ると、2/5+1/3=6/15+5/15=11/15です。
27ページ多いと、3ページ少ないから、割合の11/15以外が27-3=24ページだとわかります。

ある実際の量をその割合でわると全体の量を求められますから、全体は24÷(1-11/15)=24÷4/15=24×15/4=90ページ。

今日読んだページは1/3より3ページ少ない量だから90×1/3-3=30-3=27ページ。

ポイント1:実際の数量割合を表す数とを区別できる図のかき方を工夫する。


例題1:
2個の容器A、Bがあります。いま、Aには30リットルの水が入っています。Bの水の1/4をAに入れると、AのほうがBよりも6リットル多くなりました。Bには、はじめ何リットルの水が入っていましたか。


やはり、図が先です。
相当算2この問題は、うまく図をかけると解ける、図のかき方を失敗すると解きにくい問題です。

できるだけ正確な図をかくことと、Bの1/4が比べられる図をかくことが大切です。

上の図がかけたら、30-6=24リットルがBの2/4(=1/2)であることがわかります。

はじめ、Bにあった水は、24÷1/2=24×2/1=48リットル。

ポイント2:図をかくとき、同じ部分が一目でわかるようにできるだけ正確な図をかかないとむずかしくなる。


例題2:
ある学校の男子生徒は、全校生徒の5/8より14人多く、女子生徒は、男子生徒の2/7より15人多い人数です。全校の生徒数は何人ですか。


相当算3男子生徒は全校生徒の5/8より14人多く、女子生徒は男子生徒の2/7より15人多いとあり、もとにした数が異なるので、このままでは比べられません。
全校生徒を基準にした割合に統一したら解くことができます。

男子生徒の14人に2/7をかけると整数になることに気づいて、女子生徒の「男子生徒の2/7+15」が全校生徒のどれだけになるかになおしてやります。

女子生徒は「男子生徒の2/7+15」であり、男子生徒は「全校生徒の5/8+14」ですから、「全校生徒の5/8+14」に2/7をかけて、それに15人を加えたものが女子生徒です。

(5/8+14)×2/7+15=5/8×2/7+14×2/7+15=10/56+4+15=5/28+19。
女子生徒は全校生徒の5/28に19人をたした数だとわかりました。

男子生徒が全校生徒の5/8+14であり、女子生徒が全校生徒の5/28+19であることから、14+19=33人の割合が1-5/8-5/28=56/56-35/56-10/56=11/56であり、33人が全校生徒の11/56に相当するとわかります。

全校生徒は33÷11/56=33×56/11=168人。

ポイント3:基準にする量を1つのものに統一しないと相当算は解けない。


基準にする量を1つのものに統一する」要領がわかってくると、相当算は楽に解けるようになります。

例題3:
図のように、2枚の正方形A、Bを重ねました。全体の面積は152平方cmで、相当算4重なっている部分の面積CはAの7/8、Bの7/18でした。Aの1辺の長さを求めなさい。



重なっている部分Cが「Aの7/8」、「Bの7/18」では、基準になる量がAとBと2通りあるので、このままでは解けません。
基準になる量を統一してしまわないといけません。

「CがAの7/8」ということは、逆数を使って「AはCの8/7」、同様に「CがBの7/18」ということは「BはCの18/7」ということに気づけば、Cを基準にAとBの割合を表すことができます。

次に、全体の面積152が、割合のどれだけにあたるかを考えます。

全体は、AからCをひいたものにBを加えたものです(BからCをひいたものにAを加えたものと考えてもよいし、AにBをたしてダブって数えたCをひいたものと考えてもよい)。

「AはCの8/7」で「BはCの18/7」だから、A-C+B=8/7-1+18/7=8/7-7/7+18/7=19/7。

Cの19/7の割合にあたる量が152だから、Cは152÷19/7=152×7/19=56平方cm。

Aの面積はCの8/7だから、56×8/7=64平方cm。

Aの1辺の長さは8×8=64より、8cm。


次の問題も、「基準にする量を1つのものに統一する」要領がわかっていたら楽に解ける問題です。

例題4:
ある試験で、今年の受験者数は昨年より20%ふえました。また、合格率は昨年が64%、今年は72%で、その結果、合格者は昨年より28人ふえました。今年の受験者数は何人ですか。

去年の受験者の割合を1とすると、今年の合格者は1×0.64=0.64。

今年は受験者が20%ふえたので、今年の受験者の割合は去年の受験者を1としたとき1.2。

今年の合格者はその72%だから、去年を1としたときに基準を統一して1.2×0.72=0.864。

去年の受験者を基準の1としたとき、去年の合格者が0.64で、今年の合格者が0.864であり、そのちがいが28人だから、28÷(0.864-0.64)で去年の受験者を求めることができます。

去年の受験者は、28÷(0.864-0.64)=28÷0.224=125人。

よって、今年の受験者はそれより20%ふえたから125×1.2=150人。




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戦いをするとき、2つの敵を同時に相手にするのは大変です。敵の1つは戦いの場から離れてもらって、残った1つに集中できたら相当戦いやすくなります。

算数でも同じです。
2つのものの数量があるとき、1つを考える対象から消去して、残った1つで考えるのが消去算です。

基本問題:
みかん10個とかき3個を買うと790円で、みかん5個とかき2個を買うと480円です。みかん1個の値段はいくらですか。


問題文の内容をわかりやすい形に書き出してから考えます。

消去算1みかんとかき、両方の個数がちがっているので比べられません。
そこで、公倍数の考え方をもちいて、どちらか、または両方を何倍かして、みかんかかきのどちらかの個数を同じ個数にそろえます。

みかんの個数を10と5の公倍数10個にそろえてもかまいませんし、かきの個数を3と2の公倍数6個にそろえてもかまいません。
この問題だと、みかんを10個に合わせるほうが計算の回数が少なくてすみそうです。

別の場所に書かないで、最初に書きだしたものをそのまま活用したほうが簡便です。
消去算2
みかん5個とかき2個で480円のところをすべて2倍にして、みかん10個とかき4個で960円と書き直します。

書き直したものと、もとからある「みかん10個とかき3個で790円」の部分とを比較すると、みかんの数は同じで、かきだけが4-3=1個ちがって、代金は960-790=170円ちがっていることがわかります。
だから、かき1個の値段は170円。

かき1個の代金がわかったので、790円からかき3個の170×3=510円をひいてみかんの個数10でわったらみかんの値段がわかります。
(790-170×3)÷10=28円。
かき1個の値段は28円です。

みかんの個数を10個にそろえることで、みかんを考える対象からはずして、かきだけで考えられるようにしてから解くのが消去算です。


最近は次のタイプの問題もよく出題されます。

例題1:
ノート5冊と消しゴム24個の値段の和は1950円で、消しゴム8個の値段はノート3冊の値段より50円安いそうです。ノート1冊と消しゴム1個の値段はそれぞれいくらですか。


消去算22つを相手に戦うのは不利だから、1つを考える対象からはずして残った1つとだけ戦うのが消去算です。

この問題だと、もとからある消しゴム24個が、ノート3冊より50円安い消しゴム8個の倍数になっていることに気がつかないといけません。

「消しゴム8個の値段はノート3冊の値段より50円安い」ということは、すべてを3倍にして、「消しゴム24個の値段はノート9冊の値段より150円安い」ということです。

それに気づいたら、「ノート5冊と消しゴム24個の値段の和は1950円」の部分を「ノート5冊と、ノート9冊-150円で1950円」と読みかえることができます。

ノート5+9=14冊消去算2の2から150円ひいた値段が1950円だからノート14冊は1950+150=2100円。

ノート1冊の値段は、2100÷14=150円。

消しゴム1個の値段は、「ノート5冊と消しゴム24個の値段の和は1950円」より、(1950-150×5)÷24=50円。



同じように考える問題をもう1問。

例題2:
りんご528個を大きい箱と小さい箱に分けてつめたら、ちょうど大きい箱6つと小さい箱8つができました。大きい箱1つと小さい箱1つに入ったりんごの数の差は18個です。
大きい箱1つには何個のりんごが入りますか。


大きい箱×6+小さい箱×8=528
大きい箱=小さい箱+りんご18個

これが問題に書いてあって条件です。

「大きい箱=小さい箱+りんご18個」より、それぞれを6倍すると「大きい箱6つ=小さい箱6つ+りんご18×6の108個」。

「大きい箱×6+小さい箱×8=528」に、「大きい箱6つ=小さい箱6つ+りんご18×6の108個」をあてはめると、(小さい箱6つ+りんご108個)+小さい箱8つ=りんご528個。

りんご528個から108個をひいた数が小さい箱6+8=14箱ぶんにあたるから、小さい箱1つに入るりんごの数は(528-108)÷(6+8)=30個。

大きい箱1つに入るりんごの数は30+18=48個。


次の問題は、消去算と他の特殊算を組み合わせて作られた発展問題です。

例題3:
動物園に入園するのに、大人2人と子ども3人では2600円かかり、大人3人と子ども2人では2900円かかります。ある日の入園者は1140人で、入園料の合計は573000円でした。この日の子どもの入園者は何人ですか。


まず、ならべて書き出して、公倍数を利用して解いていきます。
消去算3






上の式のそれぞれの数字を3倍、下の式のそれぞれの数字を2倍して、大人の数をどちらも6人にすると、大人を無視して子どもだけを比べることができます。
消去算3の2
子ども5人のちがいは7800-5800=2000円。

子ども1人の入園料は2000÷5=400円。

「大人2人と子ども3人では2600円」だったから、大人1人の入園料は(2600-400×3)÷2=700円。

ここまでが消去算。

後半の、「ある日の入園者は1140人で、入園料の合計は573000円でした。この日の子どもの入園者は何人ですか。」は、大人と子どもの人数の合計だけがわかっているときに、それぞれ何人かを求めさせる問題だからつるかめ算です。

すべて大人と仮定すると、入園料の合計は700円×1140人=798000円。
実際の入園料とのちがいは798000-573000=225000円。
大人1人を子ども1人と取りかえていくと、1人取りかえるごとに700-400=300円ちがってくるから、225000円を300円でわって、225000÷300=750人。
子どもの人数は750人。

1つの式にすると、(700×1140-57300)÷(700-400)=750人。

この問題のような、特殊算を組み合わせた発展問題はよく出題されます。



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年齢算は、いくつかの解き方があります。

基本問題:
いま、Aは12歳で母は39歳です。母の年齢がAの2倍になるのは、いまから何年後ですか。


差が一定
であることに目をつけて解く方法)

いま、Aと母の年齢差は39-12=27歳です。
何年後かに母の年齢がAの2倍になったときも、2人の年齢差は27歳のままです。
基本
左の図からわかるように、いまの年齢差39-12=27歳が、2倍になったときの割合の差2-1=1にあたります。

だから、2倍になったときの割合の1にあたるAの年齢は27歳。

いまAが12歳だから、Aが27歳になるのは27-12=15年後。

この解き方は、文章題の解き方の1つ、「割合の1にあたる量を求めたら解ける」にあたります。


旅人算に近い発想
で解く方法)

いま、母の年齢と、Aの年齢の2倍である12歳×2=24歳の差は、39-24=15年です。

母もAも1年に1歳ずつ年をとっていきますが、Aが1歳ふえるごとにAの2倍は2年ずつふえていきます。
いまの母と、Aの2倍の差を、Aが1年にとる1歳の2倍と、母の1年にふえる1歳との差で追いついていけばよいので、
(39-12×2)÷(1×2-1)=15÷1=15年後。

この解き方は、文章題の解き方の1つ、「全体の差を1年の違いでわる」で解く方法です。


私はあとの方法でついつい解いてしまいますが、どちらがよいのか悩むところです。


例題1:
いま、Aは12歳で母は39歳です。母の年齢がAの4倍だったのは、いまから何年前ですか。


この問題を、「差の27歳は変わらない」で解くと次のようになります。
例題1
(39-12)÷(4-1)=27÷3=9歳。

割合の1にあたる量が9だから、母がAの4倍だったのはAが9歳のとき。

よって、12-9=3年。
答えは3年前。



「Aの4倍と母のいまの年齢の差を旅人算の発想で消していく」という考え方だと次のようになります。

12×4-39=48-39=9歳。
これを、Aの1年にふえる1歳の4倍と、母の1年にふえる1歳の差の3でわればよいから、9÷3=3年前。
1つの式にすると、(12×4-39)÷(1×4-1)=9÷3=3年前。

やはり、どちらでも解けるし、どちらの方法がよいともいえません。


例題2:
いま、母は35歳で、子ども3人の年齢は11歳、8歳、4歳です。子ども3人の年齢の合計が母の年齢と等しくなるのは、いまから何年後ですか。


こどもが複数になったときです。

この問題を、「年齢の差はいつまでもかわらない」で解くのはむずかしいような気がします。

この問題に関していえば、「いまの差を1年に子ども3人の合計が縮めていく量でわる」、つまり旅人算の発想で解くほうがわかりやすい。
例題2
いまの、母と、3人の子どもの年齢の合計との差は、35-(11+8+4)=12。

1年たつと、母は1歳ふえるだけだが、子ども3人の合計は1×3=3ふえるから、1年で3-1=2ずつ、差を縮めることができます。

よって、(35-(11+8+4))÷(1×3-1)=12÷2=6年後。


どうやら、年齢算とひとくくりにしたとき、「全体のちがいを1年に追いつく量でわる」という、旅人算に近い発想で解く方法のほうが使い道が多そうです。


例題3:
現在、弟は1800円、兄は3840円持っています。毎週、このお金を弟は150円、兄は180円ずつ使うと、兄の残金が弟の残金の4倍になるのは、いまから何週間後ですか。


年齢算のなかまに入る問題なので、旅人算に近い発想で解いてみましょう。

いまの、兄の所持金と、弟の所持金の4倍との差は、1800×4-3840=3360円。

これを、弟が1週間に使うお金の4倍と、兄が1週間に使うお金の差、150×4-180=420円でわればよいから、3360÷420=8週間後。

(1800×4-3840)÷(150×4-180)=3360÷420=8週間後。


年齢算を解くときの共通の方法としては、「いまの全体のちがいを1年間に追いつく量でわる」で統一したほうがよさそうですね。





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つるかめ算は、昔からもっとも有名な特殊算です。

つるかめ算の考え方とは

「鶴(あしは2本)と亀(あしは4本)が合わせて10匹、あしの数の合計が28本のとき、それぞれ何匹か。」という問題がつるかめ算の原型です。

合わせていくらかはわかっているが、それぞれがいくらずつになるかはわからないときは、どちらか一方だけで全部だと仮定します。
もし、すべて亀だとすると、10匹であしの数は4×10=40本。
本当のあしの数との差は40-28=12本。
1匹の亀を鶴に置き換えていくと、そのたびにあしの数は4-2=2本ずつ減っていきます。
12本÷2本=6が、置き換えた鶴の数なので、鶴は6羽。
亀の数は10-6=4匹。

最初に全部と仮定したものではないほう、上の解き方だと鶴のほうの数が、取り替えていったほうですから、先に求められます。

このように、合わせていくらかはわかっているのにそれぞれがいくつずつかはわからないとき、最初にどちらか一方がすべてだと仮定して解いていく問題がつるかめ算です。

1つの式にまとめると、(4×10-28)÷(4-2)=6の式になりますから、文章題で多い、(全体のちがい)÷(1つ分のちがい)で答えが求められる問題の一つです。


では、速さのからんだ問題から。

例題1:
3kmの道のりを、はじめは毎分50mで歩き、途中から毎分200mで自転車で進んで、あわせて33分かかりました。歩いた時間は何分ですか。


(解き方)

道のりをすべて歩いたとすると、33分で進む距離は50×33=1650m。
本当の距離との差は、3000-1650=1350m。
1分歩くのをやめて自転車に乗るとすると、1分に200-50=150mちがってきます。
全部のちがい1350mを、1分のちがい150mでわって、1350÷150=9分。
これが、歩くかわりに自転車に乗った時間です。

1つの式にすると、自転車に乗った時間は(3000-50×33)÷(200-50)=9分

歩いた時間は33-9=24分。

上の解き方では、最初にすべて歩いたと仮定しましたが、最初に全部と仮定しなかったほうが先に求められることを知っていたら、歩いた時間が聞かれているので、すべて自転車に乗ったと仮定したほうが早道です。


少し意地悪くすると、次の問題になります。

例題2:
A、Bの2人でじゃんけんをしました。同じ地点から出発し、勝つと3歩前に進み、負けると2歩後ろに下がります。20回じゃんけんをしたところ、AはBより30歩前にいました。Aは何回勝ちましたか。


(解き方)

まず、Aがすべて勝ったと仮定したとき、Aが先にいる歩数は3歩×20回=60歩分ではありません。
負けたBは、1回負けるごとに2歩後ろに下がっているので、Aが1回勝つことによって先行する歩数は3+2=5歩です。だから、すべてAが勝つと仮定すると、Aが先に進んでいる歩数は、(3+2)×20=100歩です。

ところが、実際には30歩しか前にいないから、そのちがいは100-30=70歩。

同様に、1回分AではなくてBが勝ったと取り替えていくと、1回取り替えるたびにちがうのは32ではありません。Aは、勝つと3歩前に進めるのに、負けると2歩後ろに下がらないといけません。そのちがいは3-2ではなくて、32=5、5歩もちがってくるはずです。

さらに気づきにくいのは、2人の距離のちがいです。1回取り替えるたびにちがうのは、3+2の5歩にとどまりません。
Aが勝ったとき、Aが3歩前に進み、Bは2歩後ろに下がるのでAはBより5歩前に出ます。ところが、Aが負けてBが勝ったら、Bが前に3歩進み、Aは2歩後退し、合わせて5歩Aは後ろにいることになります。
5歩先行するのと、5歩後ろにいるのとの差は、5×2=10歩です。

つまり、この問題では、勝つと負けるのとでは、距離は(3+2)×2=10歩もちがってくるのです。

以上より、((3+2)×20-30)÷((3+2)×2)=7回。

最初にAがすべて勝ったと仮定したので、この7回は、仮定から取り替えていったBの勝った回数です。
Aの勝った回数は、20回-7回=13回。


次は、平均算とからめたよくある問題です。

例題3:
生徒数40人のクラスで算数のテストをしたところ、表のような結果が出ました。つるかめ算平均点が75点のとき、70点と80点の人はそれぞれ何人ですか。





(解き方)

平均算ですから、先に平均×人数=合計を求めておきます。
75×40=3000点。

判明している部分の合計点は、100×4+90×6+60×8+50×2=400+540+480+100=1520点。

また、判明している部分の人数は4+6+8+2=20人。

これで、80点と70点の人の人数の和は40-20=20人、得点の合計は3000-1520=1480点だとわかりました。

合わせた人数がわかっているのでつるかめ算です。

20人全員が80点だとすると、80×20=1600点。
本当の合計との差を、80点と70点とを取り替えた差の10点でわればよいから、
(1600-1480)÷(80-70)=12人(取り替えた70点の人数)

80点の人は、20-12=8人。


最後に、つるかめ算にとりかかる前に損益算をしておかないといけない問題です。

例題4:
あるお店で品物を200個仕入れ、仕入れ値の20%の利益をふくめて定価を決めました。大部分は定価どおりに売れましたが、一部売れ残ったので、売れ残った商品を定価の20%引きにして全部売りました。その結果、利益は17000円で、これははじめに予定した利益の85%にあたります。この品物1個の仕入れ値と、定価の20%引きで売った品物の個数を求めなさい。


(解き方)

利益は17000円で、これははじめに予定した利益の85%にあたります。」とあるので、17000÷0.85=20000円。
これが、最初に予定した利益です。

この利益が仕入れの20%だから、20000÷0.2=100000円が仕入れ値の合計。
だから、1個の仕入れ値は100000÷200=500円。

ここまでは、損益算、割合の問題です。

予定通りに売ったときの値段は、20%の利益を見込んでいたので、1個500×(1+0.2)=600円。
売れ残って定価の20%引きにしたときの売値は、600×(1-0.2)=480円。

全部を定価の600円で売ったと仮定すると、総売り上げの見込みは600×200=120000円。
ところが、実際の総売り上げは、17000円の利益だったから100000+17000=117000円。

1個、商品を定価どおりではなくて20%引きで売るごとに、600-480=120円のちがいがでてくる。

全部のちがい、120000-117000=3000円を、1個取り替えるごとのちがい、120円でわって、3000÷120=25個。

(120000-117000)÷(600-480)=25個。

定価の20%引きで売った品物の個数は25個。



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平均算の発展問題の解き方を考察します。

平均算の考え方とは

基本問題:
Aさんのこれまで4回の算数テストの平均点は68点です。平均点を70点以上にするには、次のテストで何点以上とればよいですか。


(解き方)

平均を求める式は、
平均=合計÷個数
です。
ところが、この式を使うだけで求められるような単純な問題は、小学校のテストでは出題されるでしょうが、入試ではまず出ません。

では、どんな問題が多いのか?

平均=合計÷個数ということは、
合計=平均×回数
です。
平均算の問題で多いのは、合計=平均×回数の式で先に合計を求めてから考える問題です。

この問題もそうです。

4回のテストの平均点が68点だったということは、4回のテストの合計点は68×4=272点です。
次のテストを受けて、5回のテストの合計点を70点にするわけですが、平均点が70点で5回であれば、その合計点は70×5=350点です。
ということは、5回目にとらないといけない点は、5回の合計点から前回までの4回の合計点をひいた、350-272=78点ということになります。


では、よく出題される平均算の問題をながめてみましょう。

例題1:
A、B、C、D、Eの平均は77、A、B、C、Dの平均は78、B、C、Eの平均は76で、BはCより5大きいとき、Cはいくらですか。


(解き方)

平均算の問題で多いのは、合計=平均×回数の式で先に合計を求めてから考える問題です。

まず、A・B・C・D・E、5つの合計を求めます。
77×5=385

次にA・B・C・D、4つの合計を求めます。
78×4=312

ここで、385-312=73、Eが73であることがわかります。

さらに、B・C・E、3つの合計を求めます。
76×3=228
Eが73だったので、BとCの合計は228-73=155
BとCの合計は155です。

ところが、「BはCより5大きい」とありますから、和差算の考え方を使って、
(155-5)÷2=75

BとCのうち、小さいCが75だとわかります。


このように、ほとんどの平均算は、先に合計を求めておいて、それからじっくり考えれば、なんとかなります。


次の問題は、ちょくちょく出題される有名な問題です。

例題3:
いままで何回か行われた算数テストで、Aさんの平均点は83点でした。今回95点をとったので平均点が85点になりました。テストは全部で何回おこなわれましたか。


(解き方)

これまでの平均点が83点であったということは、ずっと83点ばかりとったのと同じだと考えます。

平均算図を見たらわかるように、今回95点とったので、今までの平均点83点との差、95-83=12点を、テストごとに配っていけば、全部の平均点を85点にすることができます。

(95-83)÷(85-83)=12÷2=6回。

答えは、全部で6回です。

文章題で多い、(全部のちがい)÷(1回のちがい)で解ける問題であったことがわかります。


最後に、少し難しい問題に挑戦してみましょう。

例題4:
入学試験で1000人の受験者から150人が合格しました。合格者と不合格者の平均点の差は38点で、全受験者の平均点は50.7点でした。合格者の平均点は何点ですか。


(解き方)

やはり、図をかくと解き方の見当がつきます。

平均算2不合格者の平均点をこえていた部分を1000人全員に配っていくと、全員の平均点が50.7点になることがわかります。

不合格者の平均点をこえていた部分は、38×150=5700点。

これを1000人全員に配ると、5700÷1000=5.7点。

図より、全員の平均点である50.7から5.7をひいたものが、不合格者の平均点です。
50.7-5.7=45点。

合格者の平均点は、不合格者の平均点45点より38点高かったので、45+38=83点。

(別の解き方)

平均算を解くときの便利な技、合計=平均×人数を使って解くこともできます。

全員の合計点は、50.7×1000=50700点。

合格者の平均点は不合格者の平均点より38点高かったので、不合格者が全員38点とっていたら合計があと何点増えるかを考えると、38×850人=32300点。

50700点+32300点=83000点が、1000人全員が合格したとしたときの合計点になります。

だから、合格者の平均点は、83000÷1000=83点。


平均算のまとめ

1、平均を求める式は、平均=合計÷個数
である。

2、先に、
合計=平均×個数
を求めると簡単になる問題が多い。

3、それぞれがみな平均であったと考えて
をかいたら簡単になる。



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速さの応用問題のうち、和差算の考え方をもちいて解く問題を検討します。


和差算の考え方とは

基本問題:
長さ2mのリボンを2つに切り、一方が他方より8cm長くなるようにするとき、大、小それぞれの長さは何cmですか。

和が200cm、差が8cmである2つの数を求める問題が和差算です。
和差算を解くときは線分図を書きます。
基本
左の線分図より、200cmから差の8cmをひくと、同じものが2つ残ることがわかります。

200-8=192
192÷2=96
短いほうは96cmです。
長いほうは96+8=104cmです。

このように、線分図を書いて、はみ出た部分をひいて、同じ部分2個分を求め、2でわって小さいほうを求めます。
これが和差算の基本的な考え方です。

和差算・・・線分図→ちがい(差)をひく→同じもの2つ分を求める→2でわって小さいほうを求める


この和差算の考え方をもちいて解く、速さの応用問題がよく出題されます。

和差算で解く、速さの応用問題

例題1:
まわりが4200mの池があります。この池のまわりをAとBがまわります。同時に同じところを出発して、反対方向に進むと15分後に出会い、同じ向きにまわると35分後にAはBを追い越します。A、B2人の速さはそれぞれ毎分何mですか。


あなたが友だちと池をまわる場面をイメージしてください。
反対方向に進むとき、あなたの歩いた距離と友だちの歩いた距離の合計が、ちょうど池の1周分になります。
同じ方向に進むとき、あなたのほうが速いとすると、ちょうど池1周分、あなたのほうが多く進んだところで友だちを追い越すはずです。

この問題は、A、B2人の分速をたずねる問題です。
反対方向に進んだとき、
Aの分速×15分+Bの分速×15分=(Aの分速+Bの分速)×15分=池1周分4200m
同じ方向に進んだとき、
Aの分速×35分-Bの分速×35分=(Aの分速-Bの分速)×35分=池1周分4200m
ということになります。

だから、
Aの分速+Bの分速=4200÷15=280
Aの分速-Bの分速=4200÷35=120
となり、和が280、差が120の2つの数を求める問題、つまり和差算だとわかります。

例題1280-120=160
160÷2=80

Bの分速は80m/分

80+120=200
Aの分速は200m/分


例題2:
A町とB町の間は6.3kmあります。太郎はA町を、花子はB町を同時に出発して、2つの町を往復します。2人は出発して50分後にまず出会いました。その後、2つの町に着いた後折り返して、A町から2.1kmのところでふたたび出会いました。それぞれ毎分何mの速さで歩きましたか。

状況を、まず簡単な図で描いてみましょう。

例題21回目に出会ったとき、50分に2人が進んだ距離の合計が6300mだとわかります。

少しややこしいのは2回目の出会いです。
図をじっくりながめると、太郎がB町に着いた後6300-2100=4200m進んでいること、花子はA町に着いた後2100m進んで、そこで太郎と出会っていることがわかります。2人の進んだ距離の違いは4200-2100=2100mです。
また、そのとき、2人の進んだ距離の合計は、A町とB町の距離のちょうど3倍であることもわかります。
50分で2人の合計が6300mだから、その3倍の距離を進むのにかかった時間は50分×3=150分のはずです。

以上をまとめると、
太郎の分速×50+花子の分速×50=6300m
太郎の分速×150-花子の分速×150=4200-2100=2100m

(太郎の分速+花子の分速)×50=6300
(太郎の分速-花子の分速)×150=2100

よって、
太郎の分速+花子の分速=6300÷50=126m
太郎の分速-花子の分速=2100÷150=14m
例題2の2
126-14=112
112÷2=56

花子の分速は56m/分

56+14=70
太郎の分速は70m/分





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