高校入試の多くは、1月から3月の間に行われます。入試直前になって慌てないため、そして志望校絶対合格のため、早めに傾向と対策は受験対策の大前提です。そこで、入試までの主なスケジュールについてまとめてみました。

高校入試までの主なスケジュール

入試の基本はスケジューリングから始まります
私立高校と国立高校の入試時期は、1月中旬から2月中旬ごろまでに行われる傾向にあります(各高校が独自に入試を行いますので、詳しい日程については各高校の募集要項を確認してください)。私立と国立の高校を併願することはできますが、入試時期の関係もあり、国立と公立の高校を併願することはできない地域もあるので要注意です。

公立高校の入試の時期は、それぞれの自治体(都道府県など)によって異なり、例えば東京都平成18年度入学者選抜試験は2月23日(木)、愛知県では3月9日(木)でした。公立高校の一般入試は、2月下旬から3月中旬ころまでに行われますが、これも各都道府県によって異なります。入試前年11月頃に発表される募集要項を確認してくださいね。

以上の入試を含めた、高校受験の1年をまとめてみました。それぞれ地域によって異なりますが、代表的なスケジュールです。
時期主なスケジュール
8月下旬進学塾模擬試験(夏期)
10月~11月高校の学校説明会
11月~入試要項(生徒募集要項)発表
12月上旬公立中学校2学期末テスト
12月下旬進学塾模擬試験(冬期)
1月中旬公立中学校学年末テスト
1月~2月私立高校一般入試
2月国立高校一般入試
2月~3月公立高校一般入試

4月~7月:定期テスト中心の勉強を心がけよう

この時期は部活動もあり、また受験までの期間が長いので、受験への意識があまり高まりません。あまり受験を意識しすぎずに、むしろ部活動への積極的参加や学校の定期テストに重点を置いた勉強を心がけさせましょう。なぜなら、高校受験では知識だけではなく、体力も集中力も必要だからです。

■するべきこと
・部活動の充実
・学校の定期テストの重視

夏休み:いよいよ受験勉強開始!

夏休みの初めは、部活動の大会などがあり、忙しい時期を過ごすことになります。ですが、8月に入る頃には落ち着いて受験勉強をする環境が整い、受験モードへのスイッチを入れてあげるようにしましょう。

もし、お子さんの進学塾への入塾を考えている場合は、中学3年生の夏休みまでに入塾することをオススメします。理由は、塾側でこの時期に1・2年生の復習と苦手科目の克服に力を入れているからです。高校受験では1・2年生で学んだ内容と、3年生の1学期で学んだ内容から7割程度が出題されます。よって、夏休み中にこれまで学んだ内容の復習をさせることが合否の分かれ目になってきます。特に、英語と数学は復習をしてから成果が出てくるまでに時間がかかります。夏休みであるこの時期から継続して、基礎基本をしっかりとおさらいしておく。これが基本です。

勉強した成果はすぐに現れません。不安になったりあわてないことが肝要。子どもの個人差によりますが、早ければ秋ごろ、遅くとも冬休みまでには必ず成果が現れてきます。

また、部活動がなくなるこの時期は、どうしても子どもの生活リズムが乱れてしまいがちです。勉強する習慣の確立を心がけたいものですね。夜更かしをさせず、早寝早起き。課題や勉強は涼しい午前中にすませてしまう。この生活が理想的です。

とはいえ、まだまだ受験まで日があり、暑さが厳しいこの時期は、どうしても気がゆるみがちになります。そのような場合は無理に勉強を強制しないようにしましょう。時には、志望する高校をリストアップして、高校について話し合ってみる。一度だけ過去の入試問題を解かせてみるなど、気分転換や子どもが目標意識をもって受験勉強ができるような工夫をしてみるといいですね。

■するべきこと
・受験勉強を開始
・勉強する習慣の確立
・1・2年生の復習(英語と数学を重視)
・志望校の候補をリストアップ

9月~12月:暗記科目と苦手科目を中心に勉強。内申点UPも重視

秋。ここから学力の差がつきだす
公立高校では、当日の筆記試験のほかに、内申点(=通知表の成績)と呼ばれるものも合否の判定に用いられます。受験する高校によっては、2学期の通知表の成績が使われる場合もあり、またそうでない場合でも2学期の成績が3学期の成績に影響を与えるので、この時期は内申点アップに心がけましょう。

勉強面では、国語・理科・社会を中心に1・2年生の内容の復習を重視。特に社会は暗記科目なので、受験が近くなったこの時期が早すぎず遅すぎずもっとも適した時期になります。また、苦手科目の克服もこの時期にやっておきたいものです。

勉強面以外では、ぜひこの時期に、受験勉強だけでは身につかない「教養」を意識して学ぶことをオススメします。なぜ「教養?」と思ったかもしれませんが、多くの高校が入試に面接を採用しており、面接で勉強面以外での子どもの個性を試そうとするからです。この時期に、息抜きがてらいろいろなところへ連れて行ったり、たくさんの本にふれる機会などを進んで提供していきましょう。

また、多くの高校で10月~11月にかけて、学校説明会やオープンキャンパスが行われます。志望する高校の説明会は、必ず参加しましょう。実際に高校へ行ってみると、「その高校の校風がよくわかった」「実は通うのに大変だった……」など、志望校選択の際に役立つ情報が必ず手に入ります。

■するべきこと
・内申点アップ
・1・2年生の復習(国語や理科や社会を重視)
・苦手科目の克服
・部活がない分、教養を意識して身につける
・高校の学校説明会(オープンキャンパス)への参加
・志望校選び

冬休み:ひたすら実践!志望校も決定

この時期に、受験モードが相当高まっているのが理想的。なぜなら、人間の本当のやる気は2~3ヶ月ほどしか維持できないからです。早くから子どもの受験モードを高めすぎてオーバーワークさせ、この時期にやる気や自信を喪失せてしまっては元も子もありませんね。

勉強面では、夏休みから勉強し始めたことの成果が出始めるころ。勉強方法を「インプット(覚える勉強)」から「アウトプット(実力を出しきる勉強)」へと変える必要があります。一般に受験勉強は頭に知識を詰め込むことだけのように思いがちですが、せっかく頭に詰め込んだ知識でもすべてを出し切ることは容易ではありません。少しでも覚えた知識や実力を出し切るために、「実力を出し切る勉強(アウトプット)」を取り入れましょう。

具体的にどのような勉強方法かというと、とにかくたくさんの問題集を解いてみる。これです。問題慣れをしておくことで、受験本番で緊張したり、無用に焦ったりすることが少なくなります。ただ解くだけではなく、入試時間に合わせたり、目標点数(合格点)を設定するなど、本番へ向けての「意識づけ」を行うことが大切です。

志望校については、遅くとも冬休みまでには決定しておきましょう。この時期には、進学塾での模擬試験が行われ、合否判定の資料が出てきます。それをもとに判断することになりますね。冬休みが終わったら、出願の準備もしなければいけないので必須です。

最後に見落としがちですが、この時期は寒さが厳しい時期でもあり、風邪をひくなどして体調を崩す可能性があります。規則正しい生活習慣を心がけさせ、栄養のバランスのとれた食事を用意してあげましょう。

■するべきこと
・受験モードのピークを作る
・実践練習で、インプットからアウトプットへ(覚える勉強から実力を出し切る勉強へ)
・体調管理の仕方
・志望校決定

1月~3月:何がなくとも体調管理

冬。ここまで来たら「これだけ勉強した」という自信が大切
受験する高校の過去入試問題(過去問)を解くことは、その高校の入試傾向を知る上でとても大切なことです。過去問は受験シーズンになれば、書店で販売していますので必ず買って解くようにしましょう。

ただし、過去問は過去問。一度その高校で出題された問題は、二度と出題されることはありません。また、受験する高校の入試問題のパターンが突然変わったりすることも。そこで、いろいろな高校の過去問や市販の入試予想問題を解いてみることも大切。進学塾の入試直前講習に参加してみるのも効果アリですね。

面接対策としては、あらかじめ面接で質問されそうな内容やその答え方などを書き出す。そして、家庭で模擬面接などを行う。これを徹底的にしましょう。本番で緊張したり、あがったりしないためにも大切なことなんです。

最後に、体調作り。ここまで受験のための準備を重ねてきても、本番であがってしまったり、体調を崩してしまってはまったく意味がありません。特に、入試本番とインフルエンザ流行の時期が重なることがあります。受験生本人だけでなく、家族も予防接種を受けるなど、受験生によって最良のコンディションづくりのため、万全の対策を立てましょう。


以上、高校受験の標準的な1年の過ごし方になります。受験は受験生本人だけでなく、お母さん、お父さん、そして家族ぐるみのサポートがあってこそ、成功するものです。たった1年。されど1年。悔いを残すことなく、惜しげのないサポート体制を築いてあげましょう。

参照
http://allabout.co.jp/gm/gc/66158/