医者

医者になるための第一歩である医学部入学。しかし、国立大学の年間授業料が6年間で総額350万円程度であるのに対し、私立大学は平均3,300万円程度と、とてもではないが一般庶民に払える金額ではない。

最も高いとされる帝京大学の学費はなんと4,900万円以上もかかるとあり、さすが医学部は医者の子ばかりと言われるわけである。

10年間働けば学費が無料に

そんな中、東日本大震災からの復興施策の一環で、東北地方に医学部が一校新設されることになった。2016年4月に開学予定とのこと。

県内では仙台市の私立の東北福祉大と東北薬科大が新設に名乗りを上げているが、目玉は宮城県による卒業生の地元定着に向けて創設される基金制度。

募集定員に、東北の自治体病院などへの勤務を条件に入学を認める枠を設定し、この枠で入学した医学生に修学資金を貸し付ける。医学生は、想定されている10年の勤務の義務を果たすと返還が免除されるというのだ。

募集枠は未定だが、村井知事は「50人くらいいないと」と話している。 

同じような仕組みは都道府県がお金を出し合って設置している自治医科大学(栃木県)にもあり、指定される島や過疎地などでの9年間の勤務で貸与された修学費用が全額免除になる。

ただし医者にならないと全額返金

 お金は無い。が、何がなんでも医者になりたい。そんな人はこれらの素晴らしい制度を利用しない手は無い。

 とはいえ医師国家試験に受からない人もいれば、臨床医ではなくノーベル賞を受賞した山中伸弥教授みたいな基礎研究をしたくなる人もいるはず。そうなるともれなく全額返済の悪夢が襲ってくるので、その点は要注意である。