小学6年生で習う、円の面積の問題の解き方を世界一やさしく解説します。

今から学ぶこと

1、円の面積を求める式…円の面積=半径×半径×3.14
2、円の一部の面積を求める式…円の面積の一部=半径×半径×3.14×中心の角/360°
3、色(かげ)がついた部分の面積の求め方…全体-白い部分



これだけは理解しよう

1、円の面積は、半径×半径×3.14の式で求めることができる
円の面積は、半径×半径×3.14の式で求められます。

例題1:次の円の面積を求めなさい。
(1)半径3cmの円
円周2






(2)直径10cmの円

円周1







(解答)
(1)円の面積を求める式、半径×半径×3.14にあてはめて、円の面積=3×3×3.14=28.26cm2

(2)まず、半径の長さを先に求める。半径は直径の半分だから、10÷2=5cm。
これを円の面積を求める式、半径×半径×3.14にあてはめて、円の面積=5×5×3.14=78.5cm2

(参考)
何度か問題を解くうちに、3.14のかけ算の答えが頭に残っていきます。
2×3.14=6.28
3×3.14=9.42
4×3.14=12.56
5×3.14=15.7


答えをぼんやりとでも覚えておくと、計算間違いを減らすことができます。


例題2:次の問いに答えなさい。
(1)円周の長さが43.96cmの円の面積を求めなさい。

(2)面積が113.04cm2の円の半径を求めなさい。


(解答)
(1)まず、5年生で習った、円周=直径×3.14の式を使う。
円周÷3.14で、直径を求めることができる。
直径=43.96÷3.14=14cm。
直径が14cmだから、半径は7cm。
円の面積=半径×半径×3.14
=7×7×3.14
=153.86cm2

(2)円の面積=半径×半径×3.14の式から、面積÷3.14で、(半径×半径)がわかる。
半径×半径=円の面積÷3.14
=113.04÷3.14
=36
半径×半径=36より、同じ数をかけて36になる数を見つける。
6×6=36だから、半径は6cm


(参考)
4=2×2
9=3×3
16=4×4
25=5×5


のような、同じ数をかけた積である4、9、16、25、36、49…平方数といいます)は、数学でしばしば出現します。


2、円の一部(おうぎ形といいます)の面積を求めるときは、円の何分の何になるかを、式の最後につけ加える
円の一部の面積を求めるときは、「円全体のどれだけにあたるか」を考えたら求めることができます。

360円全体の、中心をぐるっとまわる角度は360°です。







90だから、円の一部が「円全体のどれだけにあたるか」は、中心の角が円全体360°のどれだけにあたるかを、中心の角/360°の式をつけ加えることで求めたらよいことになります。

左の図形だと、円全体6×6×3.14の式に、中心の角/360°をつけ加えたらよいわけです。
6×6×3.14×90/360
=6×6×3.14×1/4(90/360の約分を先にしておきます)
=3×3×3.14(6×6と1/4の約分もしておいたほうが計算がずっと楽になります)
=28.26cm2


例題3:次の図形の面積を求めなさい。
(1)

45






(2)
30






(3)
135








(解答)
(1)8×8×3.14×45/360
=8×8×3.14×1/8(45/360を先に約分する)
=1×8×3.14(約分できるものは先に約分)
=25.12cm2

(2)6×6×3.14×30/360
=6×6×3.14×1/12(30/360を先に約分する)
=1×3×3.14(約分できるものは先に約分)
=9.42cm2

(3)6×6×3.14×135/360
=6×6×3.14×3/8(135/360を先に約分する)
=3×3×3.14×3/2(約分できるものは先に約分)
=3×3×3.14×3÷2(分母が残るので、かけ算を先にして)
=84.78÷2(最後にわり算をする)
=42.39cm2


3、色(かげ)がついた部分の面積の求め方…全体-白い部分
円の面積に限らず、色(かげ)がついた部分の面積は、全体の面積から、不要な白い部分の面積を引いて求めるのが原則です。

例題4:次の図形の、かげをつけた部分の面積を求めなさい。
(1)
かげ1(解答)
全体-白い部分
=半径2cmの円-半径1cmの円
=2×2×3.14-1×1×3.14
=(2×2-1×1)×3.14(分配法則を使うと計算がずっと楽になる)
=3×3.14
=9.42cm2


(2)
かげ2(解答)
白い部分は、4つ集めると1つの円になる。
全体-白い部分
=1辺8cmの正方形-半径4cmの円
=8×8-4×4×3.14
=64-50.24
=13.76cm2



(3)
かげ3(解答)
全体-白い部分
=半径10cmの円の4分の1-底辺10cmで高さ10cmの三角形
=10×10×3.14×1/4-10×10÷2
=25×3.14-50
=78.5-50
=28.5cm2


(4)
かげ4










(解答)
いろいろな解き方があるが、1つ上の(3)の問題の解き方を応用すると最も簡単に解ける。
かげ4の2
正方形の対角線を1本引くと、(3)の図形が2つ分だということがわかる。

=(半径10cmの円の4分の1-底辺10cmで高さ10cmの三角形)×2
=(10×10×3.14×1/4-10×10÷2)×2
=(25×3.14-50)×2
=(78.5-50)×2
=28.5×2
=57cm2



これだけ、理解して覚えておけば大丈夫

1、円の面積を求める式…円の面積=半径×半径×3.14
2、円の一部の面積を求める式…円の面積の一部=半径×半径×3.14×中心の角/360°
3、色(かげ)がついた部分の面積の求め方…全体-白い部分



(参考)
円の面積が、半径×半径×3.14で求められる理由・・・

例えば、半径が10cmの円を考えてみましょう。
円の面積の公式
この円を、30°きざみに半径で切り分けます。

切り分けた12個の図形を、下の図のように交互に並べます。
円の面積の公式2
交互に並べた左の図形は、平行四辺形に近い形をしています。
平行四辺形の面積は、底辺×高さの式で求めることができますが、この平行四辺形に近い図形では、底辺は、円周(=円のまわりの長さ)の半分に近い長さであること、高さ半径の長さと等しいことがわかります。

さらに小さく、15°きざみで切り分けて、交互に並べます。
円の面積の公式3
やはり、平行四辺形に近い形で、底辺円周(=円のまわりの長さ)の半分に近い長さであること、高さ半径の長さと等しいことがわかります。

そして、小さい角度で切れば切るほど、底辺に当たる部分が直線に近くなり、底辺の長さが円周の半分の長さに近くなっていくこともわかります。

以上の考察から、さらにもっともっと小さい角度で円を切り分けていけばいくほど、円の面積は、底辺円周の半分で、高さが円の半径である平行四辺形の面積と同じになっていくと考えることができるはずです。

円の面積=円を切り分けて並べた平行四辺形の面積
=底辺×高さ
ところが、底辺円周の半分高さ半径だから、
=円周の半分×半径
円周は直径×3.14で求められるから、円周の半分=直径×3.14÷2、
=直径×3.14÷2×半径
直径は半径×2だから、
=半径×2×3.14÷2×半径
=半径×3.14×半径
=半径×半径×3.14

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