いつの時代もたいそう難しいのが学校選びです。しかも中学受験で学校選びの主役は保護者。受験生が減って私立中に入りやすいと言われても、上手な併願校選びは必要です。ただ合格校が増えても進学できるのは一校だけ。それをどこにするのかが難しく、あらかじめ決めておくことが重要です。

そのためには、志望校選びをしっかりしておく必要があります。志望校選びは当然ながら、いろいろな角度から学校を検討するのが一般的です。

 偏差値はもちろんのこと、大学進学実績、建学の精神、校風、教育方針、通学時間・経路など、検討項目は数多くあります。そうして多様な視点から検討した上で、学校をピックアップし、たくさんの学校説明会に参加すると、さらに迷ってしまうのが普通です。「これだ!」という学校を見つけられればいいのですが、どの学校も甲乙つけ難いと思う場合も多いのです。

中高一貫校の志望校選びのポイントとして、大学合格実績をあげる保護者は多い。入学時の偏差値に比べて、大学合格実績が高い、いわゆる「お得な学校」はどこだろうか。学校の面倒見の良さとあわせて見ていきたい。

 大学通信が、2013年に首都圏の316塾の塾長・教室長を対象に調査した結果によると、入学時の偏差値に比べて、大学合格実績が高い学校トップ10は以下のとおりとなっている。

学習塾が勧める中高一貫校1_21 (1)


1 京華(東京・男子)※
2 青稜(東京・共学)
3 世田谷学園(東京・男子)
4 巣鴨(東京・男子)
4 帝京大(東京・共学)※
6 桐光学園(神奈川・共学)※
7 逗子開成(神奈川・男子)
8 常総学院 (茨城・共学)
9 桐蔭学園(神奈川・共学)
10 城北(東京・男子)※

 大学通信 常務取締役 情報調査・編集部ゼネラルマネージャーの安田賢治氏によると、2013年の東京大学合格者数で、世田谷学園は12人、逗子開成は過去最高の14人が合格するなど、難関大学への合格実績をあげているという。いずれも入学偏差値で上位校とされる学校ではあるが、それ以上に高い合格実績をあげているということだろう。

 一方、面倒見が良い学校は以下のとおりだ。

1 京華(東京・男子)※
2 帝京大(東京・共学)※
3 城北(東京・男子)※
4 桐光学園(神奈川・共学)※
5 神奈川学園(神奈川・女子)
6 三輪田学園(東京・女子)
7 八雲学園(東京・女子)
8 北豊島(東京・女子)
9 明法(東京・男子)
10 足立学園(東京・男子)

 上記2つのランキングの相関を見ていくと、面倒見が良い学校のトップ4校(※)はいずれも、お得な学校であることがわかる。安田氏は、「保護者は、手取り足取りの面倒見の良さよりも、自立を促すような面倒見の良さに注目し、学校選びをするようになってきている」と説明する。入学時にはきめ細やかな指導をしながらも、卒業時には自立できる生徒を育てることで、入学時偏差値以上の大学合格実績をあげる学校があるという。

 このデータは、大学通信が2014年度入試に向け、2013年に調査したもの。首都圏の316塾の塾長・教室長が選んだ各々5校を、上位から5~1ポイントで評価・集計し、ランキングを算出している。