大学通信が運営する携帯サイト「教育進学総合研究所」は8月28日、過去30年で今年初めて東大合格者が出た学校を発表した。細田学園や大森学園、東洋といった首都圏の高校単独の私立校の取組みが成果を上げている。

東大、京大合格が、一部上位校の寡占状態だった時代は終焉を迎えている。さまざまな学校が公私を問わず、生徒に学力をつけ合格者を送り出すようになってきた。


j_140828vga 「過去30年で今年初めて東大合格者が出た学校」を見ると、その特徴は首都圏の高校単独の私立高が目につくこと。細田学園、大森学園、東洋だ。東大合格は私立では中高一貫校の独壇場と思われがちだが、高校単独校の取り組みも成果を上げ始めている。各校ともコース制を敷き、特進コースを設けている。少人数で生徒の学力を伸ばす方法が、合格に結びついているのだ。
 
 細田学園は1921年創立で、今年開校以来初めて東大合格者が出た。さらに、お茶の水女子大にも初めて合格者を送り出している。合格した生徒は入学時から優秀で、学習面の心配はなかったが、モチベーション維持のために、保護者を含め話し合う時間を持ったという。キャリア教育に力を入れていることも実績アップを下支えしたようだ。




■公立の中高一貫校からも東大合格者が

 大森学園も1939年の開校以来、初めて東大合格者を送り出した。合格した生徒は帰国子女で、英語はずば抜けていたが、他の科目はそれほど目立っていたわけではないという。チューターが質問に答える進学支援センターをよく利用していたことがプラスに働いたようだ。早めに部活動を引退して受験勉強に集中したことも奏功したという。
 
 公立一貫校の実績も高い。並木中教は東大4人、立川国際は東大2人と京大3人を送り出したが、いずれも今年初めて卒業生が出た。この他にも登別明日、会津学鳳も公立一貫校だ。私立中の場合、入試での偏差値がはっきりしていて、あまり番狂わせがなく合格しているが、公立一貫校の場合は、地方を中心に偏差値で合否が決まっているわけではないため学力層が幅広く、優秀な生徒も入学していて、東大や京大に合格者が出ているのではないかと言われている。この他では新宿山吹、一ツ葉など、通信制の高校でも合格者を送り出している。