日本国憲法が政治に参加する権利として地方公共団体の住民に認めているのは、
(1)地方公共団体の長・議会の議員・法律の定めるその他の吏員を直接選挙する権利(日本国憲法第93条2項)と、
(2)1つの地方公共団体だけに適用される特別法を制定するときの住民投票(日本国憲法第95条)
です。
さらに直接民主制をとり入れて住民の意見を地方の政治に反映させるために、地方自治法によって、地方公共団体の住民には直接請求権が認められています。
地方自治法に定められた直接請求権は、
(1)条例の制定・改廃の請求
(2)事務の監査の請求
(3)議会の解散の請求
(4)議員の解職の請求
(5)首長の解職の請求
(6)副知事・副市町村長・選挙管理委員・監査委員・公安委員会の委員の解職の請求
の6つです。
条例の制定・改廃の請求
地方公共団体の住民は、条例(地方公共団体の議会が制定する、その地方公共団体だけに適用される決まり)の制定(新しい条例をつくること)、改廃(現在存在する条例を改正したり、廃止したりすること)を請求できます。
請求をするには、選挙権を持つ住民(有権者)の50分の1以上の署名が必要です。
署名をした代表者が、首長(都道府県の知事・市町村の市町村長)に請求します。
首長は20日以内に議会を招集し、議会は請求された内容を審議します(可決するか否決するかは議会の判断によります)。
事務の監査の請求
地方公共団体の住民は、事務の監査(地方公共団体の仕事の手続きが適正であるかどうかなどを調査すること)を請求できます。
請求をするには、選挙権を持つ住民(有権者)の50分の1以上の署名が必要です。
署名をした代表者が、監査委員に請求します。
監査委員は、請求の要旨を公表し、監査をおこない、報告を公表します。
議会の解散の請求
地方公共団体の住民は、議会の解散(全議員の資格を奪うこと。解散すると、選挙をおこなって議員を選びなおします。)を請求できます。
請求をするには、選挙権を持つ住民(有権者)の3分の1以上の署名が必要です。
署名をした代表者が、選挙管理委員会に請求します。
選挙管理委員会は、議会を解散するかどうかを決める住民の投票をおこないます。
この投票で、議会を解散することに過半数の賛成があれば議会は解散します(その後、新しい議会を構成する議員の選挙がおこなわれます)。
議員の解職の請求
地方公共団体の住民は、地方議会の議員の解職(特定の議員の資格を奪うこと)を請求できます。
請求をするには、選挙権を持つ住民(有権者)の3分の1以上の署名が必要です。
署名をした代表者が、選挙管理委員会に請求します。
選挙管理委員会は、議員を解職するかどうかを決める住民の投票をおこないます。
この投票で、議員を解職することに過半数の賛成があれば議員は議員の資格を失います。
首長の解職の請求
地方公共団体の住民は、首長(都道府県の知事・市町村の市町村長)の解職(首長としての資格を奪うこと)を請求できます。
請求をするには、選挙権を持つ住民(有権者)の3分の1以上の署名が必要です。
署名をした代表者が、選挙管理委員会に請求します。
選挙管理委員会は、首長を解職するかどうかを決める住民の投票をおこないます。
この投票で、首長を解職することに過半数の賛成があれば首長は失職します。
副知事・副市町村長・選挙管理委員・監査委員・公安委員会の委員の解職の請求
地方公共団体の住民は、副知事・副市町村長・選挙管理委員・監査委員・公安委員会の委員の解職の請求の解職(失職させること)を請求できます。
請求をするには、選挙権を持つ住民(有権者)の3分の1以上の署名が必要です。
署名をした代表者が、首長に請求します。
首長は、解職の請求があったものを解職させるかどうかを議会にはかります。
3分の2以上の議員が出席した議会で、4分の3以上の議員が解職に賛成すると職を失います。
イニシャティブ・リコール・レファレンダム
政治学の用語で、直接民主制の制度を3つに分類することがあります。
イニシャティブ(国民発案・住民発案)…住民が条例の制定や改廃を直接請求すること。
リコール(解職請求)…住民が首長や議員の解職を請求すること。
レファレンダム(国民投票・住民投票)…住民の投票で条例の可否を決定すること。
直接請求権の覚え方
必要な署名数の覚え方
議会の解散、議員の解職、首長の解職、副知事・副市町村長・選挙管理委員・監査委員・公安委員会の委員の解職、以上4つの直接請求は、議員や首長やその他の公務員の職を失わせることになるので慎重におこなわなければなりません。
だから、有権者の3分の1以上の署名が必要です。
条例の制定・改廃と監査の請求は議会や監査委員の活動を促すだけなので、有権者の50分の1以上の署名があれば請求できます。
請求先の覚え方
議会の解散、議員の解職、首長の解職、以上3つの直接請求は、請求がおこなわれた後、住民投票をおこないます。だから、請求先は住民投票の事務をおこなう選挙管理員会となります。
条例の制定・改廃の請求は、首長が議会を召集して議会にはかるので首長が請求先になります。
副知事・副市町村長・選挙管理委員・監査委員・公安委員会の委員の解職は、これらの公務員は首長が議会の同意を得て任命するので首長が請求先になります。
監査の請求は、監査をおこなう監査委員が請求先です。
請求後の処理の覚え方
条例の制定・改廃の請求があったときは、議会にはかり議会で可否を議決します。
監査の請求があったときは監査委員が監査をおこないます。
議会の解散、議員の解職、首長の解職の3つについては、必要な署名を集めた請求があった後、さらに住民による投票がおこなわれ、解職に過半数の賛成があると解職が成立します。
副知事・副市町村長・選挙管理委員・監査委員・公安委員会の委員の解職の請求については、議会の4分の3以上の賛成で解職となります。
直接請求以外の住民参加
住民監査請求
地方公共団体の事務全般ではなくて財務上の行為について、「違法」か「不当」な行為がある疑いがあるとき、住民は監査委員に必要な措置を講ずるよう請求することができます。
(1)対象が、財務上の、そして違法か不当な行為に限ること、(2)署名は必要でなく、1人でも請求できることの2点で、直接請求権の監査請求と異なります。
オンブズマン制度
住民のグループや団体が、行政に対する苦情を処理したり、行政の不正を監視したりする制度のことをオンブズマン制度といいます。
情報公開制度
情報公開法の制定や情報公開条例の整備によって、個人情報を守りながら行政機関の情報を住民に広く公開するようになってきました。
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(1)地方公共団体の長・議会の議員・法律の定めるその他の吏員を直接選挙する権利(日本国憲法第93条2項)と、
(2)1つの地方公共団体だけに適用される特別法を制定するときの住民投票(日本国憲法第95条)
です。
さらに直接民主制をとり入れて住民の意見を地方の政治に反映させるために、地方自治法によって、地方公共団体の住民には直接請求権が認められています。
地方自治法に定められた直接請求権は、
(1)条例の制定・改廃の請求
(2)事務の監査の請求
(3)議会の解散の請求
(4)議員の解職の請求
(5)首長の解職の請求
(6)副知事・副市町村長・選挙管理委員・監査委員・公安委員会の委員の解職の請求
の6つです。
条例の制定・改廃の請求
地方公共団体の住民は、条例(地方公共団体の議会が制定する、その地方公共団体だけに適用される決まり)の制定(新しい条例をつくること)、改廃(現在存在する条例を改正したり、廃止したりすること)を請求できます。
請求をするには、選挙権を持つ住民(有権者)の50分の1以上の署名が必要です。
署名をした代表者が、首長(都道府県の知事・市町村の市町村長)に請求します。
首長は20日以内に議会を招集し、議会は請求された内容を審議します(可決するか否決するかは議会の判断によります)。
事務の監査の請求
地方公共団体の住民は、事務の監査(地方公共団体の仕事の手続きが適正であるかどうかなどを調査すること)を請求できます。
請求をするには、選挙権を持つ住民(有権者)の50分の1以上の署名が必要です。
署名をした代表者が、監査委員に請求します。
監査委員は、請求の要旨を公表し、監査をおこない、報告を公表します。
議会の解散の請求
地方公共団体の住民は、議会の解散(全議員の資格を奪うこと。解散すると、選挙をおこなって議員を選びなおします。)を請求できます。
請求をするには、選挙権を持つ住民(有権者)の3分の1以上の署名が必要です。
署名をした代表者が、選挙管理委員会に請求します。
選挙管理委員会は、議会を解散するかどうかを決める住民の投票をおこないます。
この投票で、議会を解散することに過半数の賛成があれば議会は解散します(その後、新しい議会を構成する議員の選挙がおこなわれます)。
議員の解職の請求
地方公共団体の住民は、地方議会の議員の解職(特定の議員の資格を奪うこと)を請求できます。
請求をするには、選挙権を持つ住民(有権者)の3分の1以上の署名が必要です。
署名をした代表者が、選挙管理委員会に請求します。
選挙管理委員会は、議員を解職するかどうかを決める住民の投票をおこないます。
この投票で、議員を解職することに過半数の賛成があれば議員は議員の資格を失います。
首長の解職の請求
地方公共団体の住民は、首長(都道府県の知事・市町村の市町村長)の解職(首長としての資格を奪うこと)を請求できます。
請求をするには、選挙権を持つ住民(有権者)の3分の1以上の署名が必要です。
署名をした代表者が、選挙管理委員会に請求します。
選挙管理委員会は、首長を解職するかどうかを決める住民の投票をおこないます。
この投票で、首長を解職することに過半数の賛成があれば首長は失職します。
副知事・副市町村長・選挙管理委員・監査委員・公安委員会の委員の解職の請求
地方公共団体の住民は、副知事・副市町村長・選挙管理委員・監査委員・公安委員会の委員の解職の請求の解職(失職させること)を請求できます。
請求をするには、選挙権を持つ住民(有権者)の3分の1以上の署名が必要です。
署名をした代表者が、首長に請求します。
首長は、解職の請求があったものを解職させるかどうかを議会にはかります。
3分の2以上の議員が出席した議会で、4分の3以上の議員が解職に賛成すると職を失います。
イニシャティブ・リコール・レファレンダム
政治学の用語で、直接民主制の制度を3つに分類することがあります。
イニシャティブ(国民発案・住民発案)…住民が条例の制定や改廃を直接請求すること。
リコール(解職請求)…住民が首長や議員の解職を請求すること。
レファレンダム(国民投票・住民投票)…住民の投票で条例の可否を決定すること。
直接請求権の覚え方
必要な署名数の覚え方
議会の解散、議員の解職、首長の解職、副知事・副市町村長・選挙管理委員・監査委員・公安委員会の委員の解職、以上4つの直接請求は、議員や首長やその他の公務員の職を失わせることになるので慎重におこなわなければなりません。
だから、有権者の3分の1以上の署名が必要です。
条例の制定・改廃と監査の請求は議会や監査委員の活動を促すだけなので、有権者の50分の1以上の署名があれば請求できます。
請求先の覚え方
議会の解散、議員の解職、首長の解職、以上3つの直接請求は、請求がおこなわれた後、住民投票をおこないます。だから、請求先は住民投票の事務をおこなう選挙管理員会となります。
条例の制定・改廃の請求は、首長が議会を召集して議会にはかるので首長が請求先になります。
副知事・副市町村長・選挙管理委員・監査委員・公安委員会の委員の解職は、これらの公務員は首長が議会の同意を得て任命するので首長が請求先になります。
監査の請求は、監査をおこなう監査委員が請求先です。
請求後の処理の覚え方
条例の制定・改廃の請求があったときは、議会にはかり議会で可否を議決します。
監査の請求があったときは監査委員が監査をおこないます。
議会の解散、議員の解職、首長の解職の3つについては、必要な署名を集めた請求があった後、さらに住民による投票がおこなわれ、解職に過半数の賛成があると解職が成立します。
副知事・副市町村長・選挙管理委員・監査委員・公安委員会の委員の解職の請求については、議会の4分の3以上の賛成で解職となります。
直接請求以外の住民参加
住民監査請求
地方公共団体の事務全般ではなくて財務上の行為について、「違法」か「不当」な行為がある疑いがあるとき、住民は監査委員に必要な措置を講ずるよう請求することができます。
(1)対象が、財務上の、そして違法か不当な行為に限ること、(2)署名は必要でなく、1人でも請求できることの2点で、直接請求権の監査請求と異なります。
オンブズマン制度
住民のグループや団体が、行政に対する苦情を処理したり、行政の不正を監視したりする制度のことをオンブズマン制度といいます。
情報公開制度
情報公開法の制定や情報公開条例の整備によって、個人情報を守りながら行政機関の情報を住民に広く公開するようになってきました。
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