2力のつりあい
机の上に本が置いてあるとき、本は動きません(本は静止しています)。
本が「動かない」とき、別の言い方をすると、本が「静止している」とき、なぜ動かないか、静止しているかというと、本にはたらいている2つの力がつりあっているからです。

本には重力(地球が鉛直下向きに本を引く力)がはたらいています。
また、本には抗力(机の面が本を上向きにおす力)がはたらいています。
このとき、重力と抗力は、地球と机の2つのものから、本という1つの物体にはたらく、2つの別の力です。
また、このとき、つりあっている2つの力、重力と抗力は、同一直線上にあって、力の向きが逆で、力の大きさは等しい(力のつりあいの3条件)。
作用・反作用
ニュートンが発見した、運動の3法則といわれるものがあります。
第1法則・・・物体は力が加わらないとき、静止している物体は静止を続け、運動している物体は等速直線運動を続ける(慣性の法則)。
第2法則・・・物体に力が加わると、物体には力に比例し、質量に反比例した加速度が生じる(運動方程式)。
第3法則・・・物体に力を加えると、その物体は同じ大きさの力でかえしてくる(作用・反作用の法則)。
壁を強く手でおすと、壁も手をおしかえしてきます(その証拠に、壁を強く突くと突いた体がはね返されます)。
このとき、手が壁をおしたので(こちらが作用)、壁が手をおしかえした(こちらが反作用)のです。
手が壁をおす力と、壁が手をおしかえす力とは、同一直線上にあって、力の向きが逆で、力の大きさは等しくなっています。
この点は、2力のつりあいと同様です。
2力のつりあいのとの違いは、作用・反作用は、手は壁に力を及ぼし、壁は手に力を及ぼしていることです。
手と壁、2つの別の物体にはたらいている力である点が、1つのものに2つの力がはたらいている力のつりあいとちがいます。
力のつりあいと作用・反作用とのちがい
力のつりあいは、物体が静止しているとき、1つの物体にはたらいている2つのつりあった力の関係をいいます。
作用・反作用は、一方が他方に力を加えたら、他方が一方に同じ大きさの力を加えかえしてくる関係をいいます。
力のつりあいと作用・反作用を区別するときの要点は、2つの力が加わっている対象が、1つの物体であるのか(こちらが力のつりあい)、2つの別の物体であるのか(こちらが作用・反作用)です。
あるいは、作用・反作用とは、2つの物体がお互いにおしたらおしかえされ、または、ひっぱったらひっぱりかえされている関係だと理解すれば、力のつりあいとのちがいがはっきりしてきます。
机の上にある本の場合
上で述べたように、机の上の本が静止しているのは、本という1つの物体にはたらく2つの力、重力と抗力がつりあっているからです(力のつりあい)。
重力がはたらいている本は、重力で下に引っぱられる結果として、重力と同じ大きさで机をおします。
本が机をおすと、机も本をおしかえします(これが抗力)。
本が机をおし、机は本をおしかえす、これが作用・反作用です。
つまり、この場合、つりあっているのは重力と抗力であり、作用・反作用の関係にあるのは本が机を押す力と抗力です。
糸でつりさげられた物体の場合
天じょうから糸でつりさげられた物体にはたらいている力を考えてみます。
力の問題を考えるときの出発点は重力です。
物体に重力(A)がはたらき、物体は鉛直下向きに地球から引っぱられています。
その結果、物体は糸を引っぱり(B)、さらにその結果として天じょうを引っぱります(D)。
糸は、力Bで物体から引っぱられるので、その反作用として物体を引っぱりかえします(力C)。
また、天じょうは力Dで糸に引っぱられるので、その反作用として糸を引っぱりかえしています(力E)。
力Bと力C、力Dと力Eが作用・反作用の関係にある2つの力です。
では、つりあっている力はどの力とどの力かというと、1つの物体にはたらく2つの力がつりあっている2力ですから、まず、糸につりさげられた物体にはたらいている2つの力であるAの重力と、物体を上に引っぱっている力Cの2力が、つりあっている2つの力だということになります。
また、糸という1つの物体にはたらいている2つの力も、やはりつりあった2力です。糸に下に引っぱっている力Bと、糸を上に引っぱっている力Eの2力も、つりあっています。
重力と作用・反作用の関係にある力
重力は、地球が物体を引っぱる力です。
作用・反作用の法則はすべての場合に成り立つ法則ですから、作用としての重力にも反作用としての力が存在します。
そして、作用・反作用とは、引っぱられたら引っぱりかえす関係ですから、重力と作用・反作用の関係にあるのは、物体が地球を引っぱりかえす力です。
物体にはたらく重力と、物体が地球を引っぱりかえす力とは同じ大きさの力ですが、地球はあまりにも質量が大きいので動くことはありません。
質量の小さい物体のほうが鉛直下向きに地球に向かって落ちていきます。
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机の上に本が置いてあるとき、本は動きません(本は静止しています)。
本が「動かない」とき、別の言い方をすると、本が「静止している」とき、なぜ動かないか、静止しているかというと、本にはたらいている2つの力がつりあっているからです。

本には重力(地球が鉛直下向きに本を引く力)がはたらいています。
また、本には抗力(机の面が本を上向きにおす力)がはたらいています。
このとき、重力と抗力は、地球と机の2つのものから、本という1つの物体にはたらく、2つの別の力です。
また、このとき、つりあっている2つの力、重力と抗力は、同一直線上にあって、力の向きが逆で、力の大きさは等しい(力のつりあいの3条件)。
作用・反作用
ニュートンが発見した、運動の3法則といわれるものがあります。
第1法則・・・物体は力が加わらないとき、静止している物体は静止を続け、運動している物体は等速直線運動を続ける(慣性の法則)。
第2法則・・・物体に力が加わると、物体には力に比例し、質量に反比例した加速度が生じる(運動方程式)。
第3法則・・・物体に力を加えると、その物体は同じ大きさの力でかえしてくる(作用・反作用の法則)。
壁を強く手でおすと、壁も手をおしかえしてきます(その証拠に、壁を強く突くと突いた体がはね返されます)。

手が壁をおす力と、壁が手をおしかえす力とは、同一直線上にあって、力の向きが逆で、力の大きさは等しくなっています。
この点は、2力のつりあいと同様です。
2力のつりあいのとの違いは、作用・反作用は、手は壁に力を及ぼし、壁は手に力を及ぼしていることです。
手と壁、2つの別の物体にはたらいている力である点が、1つのものに2つの力がはたらいている力のつりあいとちがいます。
力のつりあいと作用・反作用とのちがい
力のつりあいは、物体が静止しているとき、1つの物体にはたらいている2つのつりあった力の関係をいいます。
作用・反作用は、一方が他方に力を加えたら、他方が一方に同じ大きさの力を加えかえしてくる関係をいいます。
力のつりあいと作用・反作用を区別するときの要点は、2つの力が加わっている対象が、1つの物体であるのか(こちらが力のつりあい)、2つの別の物体であるのか(こちらが作用・反作用)です。
あるいは、作用・反作用とは、2つの物体がお互いにおしたらおしかえされ、または、ひっぱったらひっぱりかえされている関係だと理解すれば、力のつりあいとのちがいがはっきりしてきます。
机の上にある本の場合

重力がはたらいている本は、重力で下に引っぱられる結果として、重力と同じ大きさで机をおします。
本が机をおすと、机も本をおしかえします(これが抗力)。
本が机をおし、机は本をおしかえす、これが作用・反作用です。
つまり、この場合、つりあっているのは重力と抗力であり、作用・反作用の関係にあるのは本が机を押す力と抗力です。
糸でつりさげられた物体の場合

力の問題を考えるときの出発点は重力です。
物体に重力(A)がはたらき、物体は鉛直下向きに地球から引っぱられています。
その結果、物体は糸を引っぱり(B)、さらにその結果として天じょうを引っぱります(D)。
糸は、力Bで物体から引っぱられるので、その反作用として物体を引っぱりかえします(力C)。
また、天じょうは力Dで糸に引っぱられるので、その反作用として糸を引っぱりかえしています(力E)。
力Bと力C、力Dと力Eが作用・反作用の関係にある2つの力です。
では、つりあっている力はどの力とどの力かというと、1つの物体にはたらく2つの力がつりあっている2力ですから、まず、糸につりさげられた物体にはたらいている2つの力であるAの重力と、物体を上に引っぱっている力Cの2力が、つりあっている2つの力だということになります。
また、糸という1つの物体にはたらいている2つの力も、やはりつりあった2力です。糸に下に引っぱっている力Bと、糸を上に引っぱっている力Eの2力も、つりあっています。
重力と作用・反作用の関係にある力
重力は、地球が物体を引っぱる力です。
作用・反作用の法則はすべての場合に成り立つ法則ですから、作用としての重力にも反作用としての力が存在します。
そして、作用・反作用とは、引っぱられたら引っぱりかえす関係ですから、重力と作用・反作用の関係にあるのは、物体が地球を引っぱりかえす力です。
物体にはたらく重力と、物体が地球を引っぱりかえす力とは同じ大きさの力ですが、地球はあまりにも質量が大きいので動くことはありません。
質量の小さい物体のほうが鉛直下向きに地球に向かって落ちていきます。
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