最初に言葉の定義です。

原子記号…物質を構成する約100ある原子を、アルファベットを使って記号で表わしたもの

化学式…物質が現実に存在する姿を、原子記号を使って表わしたもの

化学反応式…化学変化のプロセス・過程を、化学式を使って表わしたもの

注意:
例えば酸素分子を2O2のように表わした場合、
酸素分子前に書かれた大文字の2は「酸素分子が2個あること」、後の小文字の2は「酸素原子が2個結びついて酸素の分子を作っていること」を表わします。
つまり、前の大文字のは分子の個数、後の小文字の2は結びついた原子の数を表わしています。


原子記号

アルファベットの大文字1字で表わされるものと、大文字と小文字2字で表わされるものがある。

大文字1字

水素H 酸素O 炭素C 窒素N 硫黄S カリウムK リンP など。

大文字と小文字

塩素Cl Cu Fe 亜鉛Zn Ag Pb マグネシウムMg ナトリウムNa カルシウムCa バリウムBa マンガンMn ヘリウムHe アルミニウムAl リチウムLi など。

中学生の場合、原子記号は、出てきたものを順に覚えるしかないが、頭に残るように工夫はできる。

英語と一緒に覚える。例えば、水素はhydrogenでH、酸素はoxygenでO、窒素はnitrogenでN、炭素はcarbonでC。

カタカナで書き表された原子は、外来語名をそのまま用いているだけだから頭文字をローマ字表記したものとほぼ一致する。例えばナトリウムはナでNa、カルシウムはカでCa、バリウムはバでBa、ヘリウムはへでHe、アルミニウムはアルでAl、リチウムはリでLi。
カリウムのK、マグネシウムのMg、マンガンのMnは似たものと区別して覚える。

覚えにくい硫黄S、塩素Cl、銅Cu、鉄Fe、亜鉛Zn、銀Ag、鉛Pbなどはしっかり書いて覚えるしかない。


化学式

化学式は「物質が現実に存在する姿」をそのまま原子記号を使って表わしたものである。
物質の存在の仕方はある程度グループ化できるので、いくつかのグループに分けて覚えていけばよい。
まず、「気体」と「金属」と「化合物」の3種に分類できる。

気体

単体の気体は、現実には必ず2個の原子が結びついて1個の分子になって存在している。したがって、化学式は
水素H2 酸素O2 窒素N2 塩素Cl2 となる。

金属

金属は、原子の形で現実に存在している(気体と違い、同じ金属が結びついて分子を作ることはない)。だから、金属の化学式は原子記号と一致する。したがって、化学式は
CuFe マグネシウムMg 亜鉛ZnAgPb 炭素も金属と同じでC となる。

化合物

2個以上の原子が結びついてできる化合物は、重要なので1つずつ覚える。覚えないといけないおもな化学式は
H2O  二酸化炭素CO 塩化ナトリウムNaCl  酸化銅CuO  酸化マグネシウムMgO  塩酸(塩化水素)HCl  水酸化ナトリウムNaOH  アンモニアNH3 など。

覚えておいたほうがよいものとして
炭酸水素ナトリウムNaHCO3  硫酸H2SO4  炭酸カルシウム(石灰石)CaCO3  水酸化カルシウム(石灰水)Ca(OH)2 など。

原子は「結合の手」の数が原子によって決まっており、結合の手を覚えることで化学式を導くことができるが、現行の教科書では出てこないし、結局結合の手の数を覚えないといけないことにかわりはない。したがって、上記の物質にはついては理屈抜きで暗記したほうがよい。

化学式を暗記しておくと、例えば水H2Oは水素原子2個と酸素原子1個が結びついてできていること、気体のアンモニアNH3は窒素1個と水素3個の化合物であることなどがわかって、自分のために役に立つ。

化学式は、名前から見当がつくことが多い。例えば、二酸化炭素。名前は、化学式を後から読んだ形になっている。うしろから、2個の酸素と炭素で二酸化炭素、2OCでCO2という規則性がある。このことを知っていれば、塩化ナトリウムもナトリウムが前で塩素が後、NaClと見当がつく。


単体と化合物

1種類の原子だけでできているものを単体、2種類以上の原子が結びついたものを化合物という。

単体

ほとんどの気体金属は単体である。
気体…水素H2  酸素O2  窒素N2  塩素Cl2
金属…銅Cu 鉄Fe マグネシウムMg 亜鉛Zn 銀Ag 鉛Pb

化合物

水や二酸化炭素など、化学式が2種類以上の原子記号をふくんでいるものは化合物である。
化合物…水H2O 二酸化炭素CO2  塩化ナトリウムNaCl 酸化銅CuO 酸化マグネシウムMgO 塩酸(塩化水素)HCl 水酸化ナトリウムNaOH アンモニアNH3


理科の全目次はこちら
理科 分野別学習目次