酸化
中学理科の範囲では、物質が酸素と化合して別の化合物になることを酸化といいます(高校範囲になると酸化の意味が広がります)。
身近な例で観察される酸化には次の3つのものがあります。
燃焼・・・物質が燃えるとき、光と熱を出して別の物質にかわります。物質が「燃える」とは酸素と結びつくことです。燃焼は代表的な酸化の例です。
さび・・・鉄や銅は、放置しておくと表面から色がかわりもろくなっていきます。これは鉄や銅が空気中の酸素と化合して酸化鉄、酸化銅にかわるからです。
その他・・・りんごの皮をむいてしばらくするとりんごの表面の色がかわります。これも酸化の一種です。
酸化物
酸化によってできた物質を酸化物といいます。
銅が酸化されると酸化銅、マグネシウムが酸化されると酸化マグネシウムというように、「酸化+もとの物質名」でよばれることが多いのですが、炭素の酸化物は二酸化炭素、水素の酸化物は水です。
また、鉄が酸化されると酸化鉄になりますが、実は酸化鉄にはいくつかのものがあります。
スチールウール(鉄を細い線状にしたもの)を燃焼させたとき、完全燃焼すると鉄原子2個と酸素原子3個が結びつき、三酸化二鉄とよばれる酸化鉄ができます(赤さびと同じもの、酸化鉄(III)と表記する)。酸素が充分でないと鉄原子3個と酸素原子4個が結びついた四酸化三鉄とよばれる酸化鉄ができます(黒さびと同じもの、酸化鉄(II,III)と表記する)。他に、1個の鉄原子と1個の酸素原子が結びついた酸化鉄(酸化鉄(II)と表記する)もあります。
燃焼
いわゆる「物質が燃える」反応が燃焼です。発熱反応の一つです。
理科では、「物質が熱や光を出しながら激しく酸素と結びつくこと」を燃焼と定義します。
燃焼は、3種類に分類できます。
金属の燃焼・・・「酸化+もとの物質名」ができます。銅が燃焼すると酸化銅、マグネシウムが燃焼すると酸化マグネシウムができます。
炭素や水素の燃焼・・・炭素が燃焼すると二酸化炭素、水素が燃焼すると水ができます。
有機物の燃焼・・・有機物は炭素と水素を含んでいるので燃焼すると二酸化炭素と水ができます。
金属の燃焼
銅+酸素→酸化銅
赤かっ色(「せっかっしょく」と読み、赤茶色のこと)の銅を空気中で加熱すると黒色の酸化銅ができます。
酸化銅は、もとの銅とはまったく別の物質です。

酸化銅は結びついた酸素の質量の分だけもとの銅より質量が増えます(質量保存の法則)。
銅と、結びつく酸素の質量の比は決まっており、銅4:酸素1の割合で結びついて5の割合の酸化銅ができます(定比例の法則)。
マグネシウム+酸素→酸化マグネシウム
銀色のマグネシウムを空気中で加熱すると白色の酸化マグネシウムができます。
酸化マグネシウムは、もとのマグネシウムとはまったく別の物質です。

酸化マグネシウムは結びついた酸素の質量の分だけもとのマグネシウムより質量が増えます(質量保存の法則)。
マグネシウムと、結びつく酸素の質量の比は決まっており、マグネシウム3:酸素2の割合で結びついて5の割合の酸化マグネシウムができます(定比例の法則)。
マグネシウムは、燃焼を始めると加熱をやめても燃焼し続けます。
炭素の燃焼
炭素+酸素→二酸化炭素
木炭(炭素)を燃焼させると二酸化炭素になります。

二酸化炭素ができたことは石灰水が白くにごることで確かめることができます。
木炭はほとんど炭素でできていますが、木炭に含まれていた炭素以外のものが灰として残ります。
水素の燃焼
水素+酸素→水
空気の混ざっていない水素を燃焼すると青い炎を出して燃えて水になります。空気が混ざっていると爆発して水になります。

水ができたことは、水素を入れていた容器の内側が水で白くくもることや、塩化コバルト紙の色が青色から赤色にかわることで確かめることができます。
有機物の燃焼
ろう、エタノール、天然ガス(おもな成分はメタン)、石油、プラスチック、紙などの有機物を燃焼させると、水と二酸化炭素ができます。
エタノールを燃焼させたときの化学反応式

有機物は炭素と水素を含んでいるので、含まれていた炭素は酸化されて二酸化炭素に、含まれていた水素は酸化されて水にかわります。
さび
さびは、物質がおだやかに酸素と結びつく反応です。
物質がさびるとき、光は出ませんが熱を発生します。
物質がさびるときに熱が出ることを利用したものが使い捨てカイロです。
使い捨てカイロは鉄の酸化の速度を速くして、そのときに発生する熱を活用するものです。
使い捨てカイロの中には、酸化される鉄粉と、酸化の速度を早めるための水(バーミキュライトとよばれる土の中に含まれている)や食塩、酸素の供給をうながすための活性炭などが含まれています。
カイロを使用する前に酸化が始まらないように、空気を遮断する特殊なフィルムで包装されており、包装を破ることで空気が供給されて酸化が始まり、熱を発生します。
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中学理科の範囲では、物質が酸素と化合して別の化合物になることを酸化といいます(高校範囲になると酸化の意味が広がります)。
身近な例で観察される酸化には次の3つのものがあります。
燃焼・・・物質が燃えるとき、光と熱を出して別の物質にかわります。物質が「燃える」とは酸素と結びつくことです。燃焼は代表的な酸化の例です。
さび・・・鉄や銅は、放置しておくと表面から色がかわりもろくなっていきます。これは鉄や銅が空気中の酸素と化合して酸化鉄、酸化銅にかわるからです。
その他・・・りんごの皮をむいてしばらくするとりんごの表面の色がかわります。これも酸化の一種です。
酸化物
酸化によってできた物質を酸化物といいます。
銅が酸化されると酸化銅、マグネシウムが酸化されると酸化マグネシウムというように、「酸化+もとの物質名」でよばれることが多いのですが、炭素の酸化物は二酸化炭素、水素の酸化物は水です。
また、鉄が酸化されると酸化鉄になりますが、実は酸化鉄にはいくつかのものがあります。
スチールウール(鉄を細い線状にしたもの)を燃焼させたとき、完全燃焼すると鉄原子2個と酸素原子3個が結びつき、三酸化二鉄とよばれる酸化鉄ができます(赤さびと同じもの、酸化鉄(III)と表記する)。酸素が充分でないと鉄原子3個と酸素原子4個が結びついた四酸化三鉄とよばれる酸化鉄ができます(黒さびと同じもの、酸化鉄(II,III)と表記する)。他に、1個の鉄原子と1個の酸素原子が結びついた酸化鉄(酸化鉄(II)と表記する)もあります。
燃焼
いわゆる「物質が燃える」反応が燃焼です。発熱反応の一つです。
理科では、「物質が熱や光を出しながら激しく酸素と結びつくこと」を燃焼と定義します。
燃焼は、3種類に分類できます。
金属の燃焼・・・「酸化+もとの物質名」ができます。銅が燃焼すると酸化銅、マグネシウムが燃焼すると酸化マグネシウムができます。
炭素や水素の燃焼・・・炭素が燃焼すると二酸化炭素、水素が燃焼すると水ができます。
有機物の燃焼・・・有機物は炭素と水素を含んでいるので燃焼すると二酸化炭素と水ができます。
金属の燃焼
銅+酸素→酸化銅
赤かっ色(「せっかっしょく」と読み、赤茶色のこと)の銅を空気中で加熱すると黒色の酸化銅ができます。
酸化銅は、もとの銅とはまったく別の物質です。

酸化銅は結びついた酸素の質量の分だけもとの銅より質量が増えます(質量保存の法則)。
銅と、結びつく酸素の質量の比は決まっており、銅4:酸素1の割合で結びついて5の割合の酸化銅ができます(定比例の法則)。
マグネシウム+酸素→酸化マグネシウム
銀色のマグネシウムを空気中で加熱すると白色の酸化マグネシウムができます。
酸化マグネシウムは、もとのマグネシウムとはまったく別の物質です。

酸化マグネシウムは結びついた酸素の質量の分だけもとのマグネシウムより質量が増えます(質量保存の法則)。
マグネシウムと、結びつく酸素の質量の比は決まっており、マグネシウム3:酸素2の割合で結びついて5の割合の酸化マグネシウムができます(定比例の法則)。
マグネシウムは、燃焼を始めると加熱をやめても燃焼し続けます。
炭素の燃焼
炭素+酸素→二酸化炭素
木炭(炭素)を燃焼させると二酸化炭素になります。

二酸化炭素ができたことは石灰水が白くにごることで確かめることができます。
木炭はほとんど炭素でできていますが、木炭に含まれていた炭素以外のものが灰として残ります。
水素の燃焼
水素+酸素→水
空気の混ざっていない水素を燃焼すると青い炎を出して燃えて水になります。空気が混ざっていると爆発して水になります。

水ができたことは、水素を入れていた容器の内側が水で白くくもることや、塩化コバルト紙の色が青色から赤色にかわることで確かめることができます。
有機物の燃焼
ろう、エタノール、天然ガス(おもな成分はメタン)、石油、プラスチック、紙などの有機物を燃焼させると、水と二酸化炭素ができます。
エタノールを燃焼させたときの化学反応式

有機物は炭素と水素を含んでいるので、含まれていた炭素は酸化されて二酸化炭素に、含まれていた水素は酸化されて水にかわります。
さび
さびは、物質がおだやかに酸素と結びつく反応です。
物質がさびるとき、光は出ませんが熱を発生します。
物質がさびるときに熱が出ることを利用したものが使い捨てカイロです。
使い捨てカイロは鉄の酸化の速度を速くして、そのときに発生する熱を活用するものです。
使い捨てカイロの中には、酸化される鉄粉と、酸化の速度を早めるための水(バーミキュライトとよばれる土の中に含まれている)や食塩、酸素の供給をうながすための活性炭などが含まれています。
カイロを使用する前に酸化が始まらないように、空気を遮断する特殊なフィルムで包装されており、包装を破ることで空気が供給されて酸化が始まり、熱を発生します。
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