電流回路の計算問題(1)の要点をまとめておきます。

1、直列回路

直列電流電流は等しい
(I1=I2=I3)




直列電圧
電圧+電圧=全電圧
(V1=V2+V3=V4)





直列抵抗
抵抗+抵抗=全抵抗
(R1+R2=R3)




2、並列回路

並列電流電流+電流=全電流
(I1=I2+I3=I4)





並列電圧
電圧は等しい
(V1=V2=V3=V4)







並列抵抗
全抵抗は各抵抗より小さい
(R1>R3、R2>R3)

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オームの法則

回路を流れる電流は加えた電圧比例します(オームの法則)。

また、抵抗は「電流の流れにくさ」なので、電圧は電流と抵抗に比例します(多くの電流を流すには大きい電圧が必要で、抵抗が大きいほど同じ電流を流すには大きい電圧が必要)。

電流を(the Intensity of electric current)、電圧をVoltage)、抵抗を(electric Resistance)とすると、

V=IR
式を変形すると、I=V/R
また、R=V/I

この3つの式をまちがえないように使うために、問題を解くときは次の図を覚えて、かいておきます。

オームの法則1オームの法則2







電流回路の計算問題を解くには

以上で準備完了、電流回路の計算問題を解くことができます。

問題を解くときは、

1、オームの法則V=IR、I=V/R、R=V/Iを使う前に、回路の性質である、
(1)直列回路は電流が等しい、
(2)並列回路は電圧が等しい、
(3)並列回路の全抵抗は各抵抗より小さい、
の3つを先に考えないといけないことが多い。

2、理科では(数学と同様に)、問題文に書いてあること、わかったことを図にかき込んでから解く。

以上の2点に注意すること。


例題1(直列回路):次の回路について、各問いに答えなさい。
例題1(1)R2を流れる電流は何Aか。
(2)R2にかかる電圧は何Vか。
(3)R1の抵抗の大きさは何Ωか。
(4)R2の抵抗の大きさは何Ωか。







(解答)
(1)R2を流れる電流は何Aか。
直列回路だから、電流はどこでも同じ。答えは200mAだが、「何Aか」ときいているので、1000mA=1Aより0.2A。
(2)R2にかかる電圧は何Vか。
直列回路だから、電圧+電圧=全電圧。6V-4Vより、2V。
(1)、(2)で求めた数値をすぐに図にかきこんでおく。
例題1の2(3)R1の抵抗の大きさは何Ωか。
オームの法則より、抵抗R=V/I=4/0.2=40/2=20Ω。
オームの法則を使うときはmA→Aにすること。
(4)R2の抵抗の大きさは何Ωか。
オームの法則より、抵抗R=V/I=2/0.2=20/2=10Ω。




例題2(並列回路):次の回路について、各問いに答えなさい。
例題2(1)R1にかかる電圧は何Vか。
(2)R2にかかる電圧は何Vか。
(3)R1の抵抗の大きさは何Ωか。
(4)R2の抵抗の大きさは何Ωか。








(解答)
(1)R1にかかる電圧は何Vか。
並列回路だから、電圧はすべて等しい。よって、6V。
(2)R2にかかる電圧は何Vか。
並列回路だから、電圧はすべて等しい。よって、6V。
(1)、(2)で求めた数値をすぐに図にかきこんでおく。
例題2の2(3)R1の抵抗の大きさは何Ωか。
オームの法則より、抵抗R=V/I=6/3=2Ω。
(4)R2の抵抗の大きさは何Ωか。

オームの法則より、抵抗R=V/I=6/1=6Ω。









例題3:次の回路について、各問いに答えなさい。
例題3(1)点アを流れる電流は何Aか。
(2)イの電圧は何Vか。
(3)R1の抵抗の大きさは何Ωか。
(4)R2の抵抗の大きさは何Ωか。
(5)R3の抵抗の大きさは何Ωか。







(解答)
(1)点アを流れる電流は何Aか。
R1まで4Aで流れてきた電流が並列にわかれたところからR2とR3にわかれて流れるので4-1=3A。
(2)イの電圧は何Vか。
並列の部分、R2とR3の電圧は等しい。そして、R2とR3をあわせた全体の電圧も等しく、その電圧とR1の3Vとの和が6V。よって、6-3=3より、R2もR3も両端にかかる電圧は3V。
(1)、(2)で求めた数値をすぐに図にかきこんでおく。
(3)R1の抵抗の大きさは何Ωか。
オームの法則より、抵抗R=V/I=3/4=0.75Ω。
(4)R2の抵抗の大きさは何Ωか。
オームの法則より、抵抗R=V/I=3/1=3Ω。
(5)R3の抵抗の大きさは何Ωか。
オームの法則より、抵抗R=V/I=3/3=1Ω。



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