中学2年生の電気の単元で、オームの法則と磁界については教える技の蓄積もあるのですが、電力は、エアポケットというか、指導要領が変わるたびに教科書の内容も変わるし、やや難儀な単元です。今日は、教える自分自身のためにも、一度きちんとまとめをしておくことにしました。
電力
電気の「能力」を表す量。単位はW(ワット)。
電力を求める公式は、電力=電圧×電流(W=V×A)
1Vの電圧で1Aの電流が流れたときの電力を1Wと決めた。だから、例えば3Vで2Aの電流が流れたら、(1V×3倍)×(1A×2倍)=6W。電力=電圧×電流の式はそれを公式化したもの。
消費電力
電気器具に100V-800Wと表示してあるとき、表示してある800Wを「消費電力」という。
100Vの電圧(一般家庭にきている電気の電圧)をかけると800Wの電力を消費するという意味。
ところで、100V-800Wと書かれている電気器具の場合、電圧×電流=電力だから、100V×電流=800Wで、この場合、流れている電流は800÷100、つまり8Aということになる。よく出題される。
電力量
電力に時間をかけたもの。大きい電力で長時間使うほど電気料金は高くなる。単位はWh(ワット時)。
電力量を求める公式は、電力量=電力×時間(Wh=W×時間)
1Wで1時間電気器具を使ったときの電力量を1Whと決めた。だから、例えば3Wで2時間電気を使用すれば、(1W×3倍)×(1時間×2倍)=6W時。電力量=電力×時間の式はこれを公式化したもの。
Whのhは英語のhour、つまり1時間、2時間の時間である。したがって、4Wで30分使用したときの電力量は、4×0,5=2Wh
追記(2011.6.28):24年度からもちいる新しい教科書では、電力量としてj(ジュール)が加わりました。
電力量(J)=電力量(Ws)=電力(W)×秒(s)
つまり、電力量として、
電力量(J)=電力(W)×秒(s)
電力量(Wh)=電力(W)×時間(h)
の2つがあることになります。
熱量
電熱線に電流を流したときに発生する熱の量。単位はJ(ジュール)。
熱量を求める公式は、熱量=電力×秒(J=W×秒)
熱量も、1Wの電力で1秒間電流を流したときに発生する熱量を1Jと決めたに過ぎない。だから、例えば5Wで1分間(60秒)電流を電熱線に流したら発生する熱量は(1W×5倍)×(1秒×60倍)=300J。熱量=電力×秒は、このことを公式化したものである。
電力量の時間の単位は「時間」であり、熱量の時間の単位は「秒」であることが重要。
J(ジュール)とcal(カロリー)
以前は、水を基準にした単位cal(カロリー)で熱量を表していた。1gの水の温度を1度上昇させるのに必要な温度が1cal。例えば、100gの水の温度を2度上昇させるのに必要な熱量は1cal×100倍×2倍で200calということになる。公式化して、cal=水の質量×温度変化。
J(ジュール)とcal(カロリー)の関係
電熱線で水の温度を上昇させるとき、J(ジュール)とcal(カロリー)の関係が問題になる。
測定の結果から、1cal=4、2Jであることがわかっている(1cal=4、2Jは実験による測定値だから、理屈抜きで覚えてしまうしかない)。
逆にcalをJに換算すると、1÷4、2=約0、24より1J=0、24cal(これも、覚えるしかない)。
次のような、やや難しい問題が出題される。
問題1、電熱線の入ったビーカーに100gの水を入れて5分間電流を流したところ、水の温度は5度上昇した。いくらの電力(W)が発生したか。
解き方:電圧も電流も不明だから電力=電圧×電流の式は使えない。cal=水の質量×温度変化の式を使って、まず発生したcalを求める。100×5=500cal。
ところで1cal=4、2J。
比例式を使うのが一番わかりやすい。
求めるJをxとして、
1:4、2=500:x
内項の積と外項の積は等しいから
1x=2100
x=2100J
次に、電力を求める。
熱量(J)=電力×秒より、まず5分を秒になおすと300秒。2100=電力×300の式ができる。
電力=2100÷300
よって、電力は7W
ポイント:
1、水の問題では、水の質量×温度変化で先にcalを求める。
2、1cal=4、2Jを暗記しておき、1:4、2=求めたcal:求めたいJ、の比例式をたてる
オームの法則と電力との関係
オームの法則より、回路を流れる電流は電圧に比例する。つまり、電圧を2倍にすると、流れる電流は2倍になる。
電力=電圧×電流で、電圧を2倍にすると電流も2倍になり、電力=電圧×2×電流×2、つまり、電圧を2倍にすると電力は2の2乗の4倍になる。
次に、電力=電圧×電流の式に、オームの法則の電流=電圧/抵抗を代入すると電力=電圧×電圧/抵抗。
抵抗が分母にきたので、電圧が一定なら電力は抵抗に反比例することになる(反比例の式はy=a/xだから)。
電圧が一定の回路は並列回路だから、並列回路では電力は抵抗に反比例する。
また、電力=電圧×電流の式に電圧=電流×抵抗の式を代入すると、電力=電流×電流×抵抗。
電流が一定なら、電力は抵抗に比例する(比例の式、y=axの形になったから)。
電流が一定の回路は直列回路であり、直列回路では電力は抵抗に比例する。
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電力
電気の「能力」を表す量。単位はW(ワット)。
電力を求める公式は、電力=電圧×電流(W=V×A)
1Vの電圧で1Aの電流が流れたときの電力を1Wと決めた。だから、例えば3Vで2Aの電流が流れたら、(1V×3倍)×(1A×2倍)=6W。電力=電圧×電流の式はそれを公式化したもの。
消費電力
電気器具に100V-800Wと表示してあるとき、表示してある800Wを「消費電力」という。
100Vの電圧(一般家庭にきている電気の電圧)をかけると800Wの電力を消費するという意味。
ところで、100V-800Wと書かれている電気器具の場合、電圧×電流=電力だから、100V×電流=800Wで、この場合、流れている電流は800÷100、つまり8Aということになる。よく出題される。
電力量
電力に時間をかけたもの。大きい電力で長時間使うほど電気料金は高くなる。単位はWh(ワット時)。
電力量を求める公式は、電力量=電力×時間(Wh=W×時間)
1Wで1時間電気器具を使ったときの電力量を1Whと決めた。だから、例えば3Wで2時間電気を使用すれば、(1W×3倍)×(1時間×2倍)=6W時。電力量=電力×時間の式はこれを公式化したもの。
Whのhは英語のhour、つまり1時間、2時間の時間である。したがって、4Wで30分使用したときの電力量は、4×0,5=2Wh
追記(2011.6.28):24年度からもちいる新しい教科書では、電力量としてj(ジュール)が加わりました。
電力量(J)=電力量(Ws)=電力(W)×秒(s)
つまり、電力量として、
電力量(J)=電力(W)×秒(s)
電力量(Wh)=電力(W)×時間(h)
の2つがあることになります。
熱量
電熱線に電流を流したときに発生する熱の量。単位はJ(ジュール)。
熱量を求める公式は、熱量=電力×秒(J=W×秒)
熱量も、1Wの電力で1秒間電流を流したときに発生する熱量を1Jと決めたに過ぎない。だから、例えば5Wで1分間(60秒)電流を電熱線に流したら発生する熱量は(1W×5倍)×(1秒×60倍)=300J。熱量=電力×秒は、このことを公式化したものである。
電力量の時間の単位は「時間」であり、熱量の時間の単位は「秒」であることが重要。
J(ジュール)とcal(カロリー)
以前は、水を基準にした単位cal(カロリー)で熱量を表していた。1gの水の温度を1度上昇させるのに必要な温度が1cal。例えば、100gの水の温度を2度上昇させるのに必要な熱量は1cal×100倍×2倍で200calということになる。公式化して、cal=水の質量×温度変化。
J(ジュール)とcal(カロリー)の関係
電熱線で水の温度を上昇させるとき、J(ジュール)とcal(カロリー)の関係が問題になる。
測定の結果から、1cal=4、2Jであることがわかっている(1cal=4、2Jは実験による測定値だから、理屈抜きで覚えてしまうしかない)。
逆にcalをJに換算すると、1÷4、2=約0、24より1J=0、24cal(これも、覚えるしかない)。
次のような、やや難しい問題が出題される。
問題1、電熱線の入ったビーカーに100gの水を入れて5分間電流を流したところ、水の温度は5度上昇した。いくらの電力(W)が発生したか。
解き方:電圧も電流も不明だから電力=電圧×電流の式は使えない。cal=水の質量×温度変化の式を使って、まず発生したcalを求める。100×5=500cal。
ところで1cal=4、2J。
比例式を使うのが一番わかりやすい。
求めるJをxとして、
1:4、2=500:x
内項の積と外項の積は等しいから
1x=2100
x=2100J
次に、電力を求める。
熱量(J)=電力×秒より、まず5分を秒になおすと300秒。2100=電力×300の式ができる。
電力=2100÷300
よって、電力は7W
ポイント:
1、水の問題では、水の質量×温度変化で先にcalを求める。
2、1cal=4、2Jを暗記しておき、1:4、2=求めたcal:求めたいJ、の比例式をたてる
オームの法則と電力との関係
オームの法則より、回路を流れる電流は電圧に比例する。つまり、電圧を2倍にすると、流れる電流は2倍になる。
電力=電圧×電流で、電圧を2倍にすると電流も2倍になり、電力=電圧×2×電流×2、つまり、電圧を2倍にすると電力は2の2乗の4倍になる。
次に、電力=電圧×電流の式に、オームの法則の電流=電圧/抵抗を代入すると電力=電圧×電圧/抵抗。
抵抗が分母にきたので、電圧が一定なら電力は抵抗に反比例することになる(反比例の式はy=a/xだから)。
電圧が一定の回路は並列回路だから、並列回路では電力は抵抗に反比例する。
また、電力=電圧×電流の式に電圧=電流×抵抗の式を代入すると、電力=電流×電流×抵抗。
電流が一定なら、電力は抵抗に比例する(比例の式、y=axの形になったから)。
電流が一定の回路は直列回路であり、直列回路では電力は抵抗に比例する。
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