問題:太陽を中心とした地球と金星の位置関係が変化するのは、地球と金星の公転周期が異なるためである。地球の公転周期を1年としたときの金星の公転周期は0.62年である。
図において、地球はXに、金星はYに位置する。あ~えのうち、地球がXに位置する日から3ヵ月後の地球の位置として最も適しているものを解答欄の(i)に、ア~クのうち、金星がYに位置する日から3ヶ月後の金星の位置として最も適しているものを解答欄の(ii)に、1つずつ選び、記号を書きなさい。
(平成21年度大阪府後期公立高校入試の問題です。)

図まず地球の位置から。

地球の、自転の向きも公転の向きも時計の反対まわりです。
したがって地球は、と動いていきます。

1年で1周、360度動きますから、3ヶ月だと1年・12ヶ月の4分の1、90度動きます。
あるいは、地球が1ヶ月に動く角度は360度÷12ヶ月=30度だから、3ヶ月に動く角度は30度×3=90度。
いずれにしても、3ヵ月後の地球の位置は「」です。

やや難しいのは3ヵ月後の金星の位置です。

中学生にどう説明したら一番わかりやすいか、ちょっと悩みました。

最近思っているのですが、中学生が難しいと感じる問題のうちいくつかの問題は、徹底して比を使って解くとずいぶん簡単になるのではないでしょうか。
(例えば、calとJの変換の問題などは比を使うとめちゃくちゃ簡単になります。)

それで、この問題も比を使うのが一番わかりやすいのではないかと思って次のように説明しました。

地球の公転周期1年に対して金星の公転周期は0.62年です。

このとき、地球と金星の動く角度の比は単純な1:0.62ではありません。

地球が1年かかって360度まわる間に、金星はそれより短い0.62年で360度まわります。
同じ角度をまわるのにかかる時間が1:0.62ということは、同じ期間にまわる角度は逆の0.62:1になるはずです。

小学生の算数、速さの問題で、同じ距離を進むのにかかる時間がa:bだと、速さの比は逆の比のb:a(時間がかかるほうが遅い)、だから同じ時間に進む距離の比もb:aになるのとよく似ています(というか、同じです)。

同じ3ヶ月で地球と金星のまわる角度は公転周期の比の逆の0.62:1であると判断します。
3ヶ月かかって地球のまわる角度が90度で同じ期間に金星のまわる角度をxとすると、0.62:1=90度:x度の比例式をたてることができます。

0.62:1=90:x
0.62x=90
x=90÷0.62
x=145.1・・・

3ヶ月で金星が動く角度は約145度です(動く向きは、地球と同じ時計の反対まわりです)。

以上より、答えは、Yの位置から時計の反対まわりに145度動いた「」です。

比の式、比例式を使って問題を解くと、式をたてる段階でじっくり考えて正しい式をつくることができれば、あとは悩まずに解き進めることができます。



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