力の合成と力の分解の基本的なことがらはこちらでまとめました。
この稿で取り上げるのは、よく出題される問題の解き方・考え方です。
1つの点に3つの力がはたらいているときの力の合成と合力
1つの点に3つの力がはたらいているとき、その3つの力の合力はどうして求めたらよいでしょうか?
例題:点Oに3つの力F1、F2、F3がはたらいているとき、この3つの力の合力を求めよ。
1つの点に2つの力がはたらいているとき、その2つの力と同じはたらきをする1つの力が合力です。
ということは、例えば、まず、F1とF2の合力を求め、その求めた合力と残ったF3との合力を求めれば、3つの力の合力を求められることになります。
まず、2つの力(例えばF1とF2)の合力を求めます。

次に、F1F2の合力と、残ったF3との合力を求めます。

4つの力が1点にはたらいているときも、考え方は同じです。
2つの力の合力と2つの力の合力を見つけてさらにその合力を求めてもよいし、3つの力の合力を求めてその合力と残りの1つの力との合力を求めてもよいわけです。
合力と1つの分力がわかっているとき、もう1つの分力を求める
例題2:図で、F1は分力のうちの1つ、Fは合力である。もう1つの分力F2を求めよ。

平行四辺形の法則より、F1が1辺で、Fが対角線である平行四辺形をかけばよい。
このとき、3つの力の根もとが共通の1点であることに気づいておけば簡単に作図できます。
(1)(2)(3)の順に線をひいて平行四辺形を先にかきます。
その後、F1とFの根もとから矢印F2をひけば、それがもう1つの分力です。
2本の糸で物体をつりさげたとき
例題3:図で、物体にはたらいている重力は1Nである。同じ長さの2本の糸のつくる角度が120°のとき、それぞれの糸はいくらの力で物体をひいているか。

下向きの1Nの重力とつりあうには、同一直線上にあって上向きの1Nの力が必要です(左図の力F)。
その力を、2本の糸が物体をひく力F1とF2に分解すればよいことになります。
力の分解で平行四辺形の法則を使いたいので、まず重力と同じ長さで逆向きの力Fをかいて、力Fの矢印の先端を通る2辺をひいて、平行四辺形を作図します。
その平行四辺形の2辺にあたる矢印(F1とF2)が、求める分力です。
ところが、2本の糸の作る角度が120°のとき、FとF1、FとF2のつくる角は半分の60°になります。
それぞれの錯角も60°なので、平行四辺形は2つの正三角形に分割されます。
ゆえに、力Fが1Nであれば力F1も1N、同様に力F2も1Nということになります。
つまり、120°の角をつくる2本の糸で物体を支えるときは、常に、物体にはたらく重力と同じ大きさの力が糸にかかるということです。
2つの力のつくる角度と合力の大きさ
力の平行四辺形をかくとわかりますが、2つの力の角度が小さいほど合力は大きくなり、2つの力の角度が大きいほど合力は小さい力となります。

2つの力の角度が120°のとき、もとの2つの力の大きさと合力の大きさが等しくなります。
合力が最大になるときと最小になるとき
2つの力の角度が0°のとき(2つの力が同一直線上にあって同じ向きのとき)、2つの力をF1とF2、合力をFとするとF=F1+F2となり、合力は最大となります。
0°<角度<180°のとき、合力F<F1+F2です。
同じ大きさの2つの力の角度が180°のとき(2つの力が同一直線上にあって逆の向きで力の大きさが等しいとき)、合力は0になってしまいます。
三平方の定理と力の合成・分解
理科の力の問題で、数学で習う三平方の定理を使う問題もときどき見かけます。

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理科 分野別学習目次
この稿で取り上げるのは、よく出題される問題の解き方・考え方です。
1つの点に3つの力がはたらいているときの力の合成と合力
1つの点に3つの力がはたらいているとき、その3つの力の合力はどうして求めたらよいでしょうか?
例題:点Oに3つの力F1、F2、F3がはたらいているとき、この3つの力の合力を求めよ。

ということは、例えば、まず、F1とF2の合力を求め、その求めた合力と残ったF3との合力を求めれば、3つの力の合力を求められることになります。
まず、2つの力(例えばF1とF2)の合力を求めます。

次に、F1F2の合力と、残ったF3との合力を求めます。

4つの力が1点にはたらいているときも、考え方は同じです。
2つの力の合力と2つの力の合力を見つけてさらにその合力を求めてもよいし、3つの力の合力を求めてその合力と残りの1つの力との合力を求めてもよいわけです。
合力と1つの分力がわかっているとき、もう1つの分力を求める
例題2:図で、F1は分力のうちの1つ、Fは合力である。もう1つの分力F2を求めよ。

平行四辺形の法則より、F1が1辺で、Fが対角線である平行四辺形をかけばよい。
このとき、3つの力の根もとが共通の1点であることに気づいておけば簡単に作図できます。

その後、F1とFの根もとから矢印F2をひけば、それがもう1つの分力です。
2本の糸で物体をつりさげたとき
例題3:図で、物体にはたらいている重力は1Nである。同じ長さの2本の糸のつくる角度が120°のとき、それぞれの糸はいくらの力で物体をひいているか。


その力を、2本の糸が物体をひく力F1とF2に分解すればよいことになります。
力の分解で平行四辺形の法則を使いたいので、まず重力と同じ長さで逆向きの力Fをかいて、力Fの矢印の先端を通る2辺をひいて、平行四辺形を作図します。
その平行四辺形の2辺にあたる矢印(F1とF2)が、求める分力です。
ところが、2本の糸の作る角度が120°のとき、FとF1、FとF2のつくる角は半分の60°になります。
それぞれの錯角も60°なので、平行四辺形は2つの正三角形に分割されます。
ゆえに、力Fが1Nであれば力F1も1N、同様に力F2も1Nということになります。
つまり、120°の角をつくる2本の糸で物体を支えるときは、常に、物体にはたらく重力と同じ大きさの力が糸にかかるということです。
2つの力のつくる角度と合力の大きさ
力の平行四辺形をかくとわかりますが、2つの力の角度が小さいほど合力は大きくなり、2つの力の角度が大きいほど合力は小さい力となります。

2つの力の角度が120°のとき、もとの2つの力の大きさと合力の大きさが等しくなります。
合力が最大になるときと最小になるとき
2つの力の角度が0°のとき(2つの力が同一直線上にあって同じ向きのとき)、2つの力をF1とF2、合力をFとするとF=F1+F2となり、合力は最大となります。
0°<角度<180°のとき、合力F<F1+F2です。
同じ大きさの2つの力の角度が180°のとき(2つの力が同一直線上にあって逆の向きで力の大きさが等しいとき)、合力は0になってしまいます。
三平方の定理と力の合成・分解
理科の力の問題で、数学で習う三平方の定理を使う問題もときどき見かけます。

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