■試験日を前倒し

 
 来春、神奈川の慶應義塾が試験日を変更する。慶應は1次試験で国語と数学、英語の筆記試験を行い、その合格者が2次の面接を受けて最終的に合格者が決定する。来春は1次を今春の2月13日から12日に、2次を今春の16日から15日に1日ずつ前倒しする。神奈川県立高の学力検査日が、今春の14日から来春は16日に変更されるため、慶應の2次試験日と重なるからだ。慶應は例年約2000人の志願者を集め、県立高との併願者も多い。
 
 慶應が12日に移動することで、もともと12日に試験を行っている学校の志望者が減少しそうだ。同じ難関大付属校の明治大付明治や青山学院では、上位学力生が慶應を受験すると予想されるため志望者が減り、難度が下がりそうだ。城北の2回目や国学院大久我山、中央大付横浜なども志望者が減って狙い目になるという。

■桐蔭学園で書類選考入試を実施

 
 一方、慶應と試験日が重なることを避けて、試験日を移動させる学校もある。青稜は試験日を12日から13日に変更した。山手学院はB入試を13日に、日本大は14日に移動した。東京と神奈川の私立高入試解禁日は10日なので遅い日程になるが、いずれも慶應と併願しやすくするためだ。
 
 さらに桐蔭学園では、他校との併願が可能なB方式入試を、学科試験を行わない「書類選考入試」に変更する。内申などの出願基準を満たしていれば、書類審査で合格が決まる可能性が高い。
 
 13日は筑波大付駒場、筑波大付、東京学芸大付などの国立大付属高の入試日でもある。今春までは慶應と同じ試験日だったため、上位学力生はどちらかを選択しなければならなかった。ところが来春は、併願が可能になった。慶應を受験する生徒の中でも学力上位生は、国立大の付属を併願する生徒が多い。国立大の付属では各校とも志望者が増加しており、来春は難化必至のようだ。